JARL選挙立候補に当たっての所信(2022年関東社員)

私、7K1BIB 山内貴博 は、2022(令和4)年のJARL選挙において、関東社員(関東地方本部区域毎の社員)の候補者として立候補致しました。貴重な一票を私にお託し下さい。ご支援のほど、何卒よろしくお願い致します。

選挙公報原稿

弁護士26年の知識経験を投入し①JARL運営の正常化に本気で取り組み②電波法規制の緩和に力を注ぎます。③バーチャル・ハムフェスや#駅前QRV、体験局など、ハムの裾野と可能性を広げる活動にも頑張っています。2期目を目指す私に1票をよろしくお願い致します。

①JARLの運営の正常化に本気で取り組んでいます

【過去の活動】

  • JARLの運営の透明化を働きかけています。
  • 会計帳簿の開示請求
    2020年にJARL史上初めて行われた会計帳簿の開示請求に代理人弁護士として関与。「打ち合わせ」費=飲食費、旅費交通費、専務理事に対する550万円の「退職金」等が判明。
    2019年度会計帳簿の解析結果(その1)(その2)
    2019年度領収書の分析結果(その1・旅費交通費)(その2・飲食費)

    翌2021年の会計帳簿開示請求には請求人社員兼代理人弁護士として関与。新しい顧問弁護士への多額の報酬、QSLビューロー7500万円の内訳、JARLニュースの制作費用わずか500万円、印刷発送費3000万円が判明。
    2020年度会計帳簿の解析結果
  • 2020年JARL選挙への異議申し立て
    前回のJARL選挙に対する4件の異議に関与。髙尾会長と候補者連名の選挙ハガキに関するもの。
    JARL選挙のあり方について(異議申立が4件もなされました)
    JARL選挙の公正は死んだのか =JR7JAW槻木澤稔氏(東北社員当選者)に対する異議
    JARL選挙の公正は死んだのか(2)=JE4WWK金子由次氏(中国理事当選者)に対する異議
  • 社員総会委任状・議決権行使書の開示請求
    2020年(本会・継続会)と2021年の社員総会委任状・議決権行使書の開示請求に関与。執行部の働きかけで集められた40枚を超える委任状が特定の社員に渡され、2020年の2・3エリア理事候補4名の否認と、2021年の役員解任請求の否決に用いられていたことが判明。
  • 2021年社員総会への出席と結果報告
    2021年の社員総会に社員として初めて出席し、5本の報告記事を執筆。
    定時社員総会報告その1 その2 その3 その4 その5・完

【今後の活動方針】

たくさんの方から、「今のJARLの問題点はよくわかった。だが、結局お前はJARLをどうしていきたいのか?」というご質問、「現執行部の問題点の追及ばかりでなく、前向きな活動に軸足を移すべき」とのご助言をいただいています。これまでの前向きな提言(例えば「JARL6策」に寄せて(選挙所信その2)JARLの財政について(JARL選挙所信その3))は不十分で、問題点の追及が目立ちすぎていたのかと、率直に反省しています。

そこで、今のJARLが緊急に解決しなければならない課題を以下の3点にまとめ、今年1月28日、JARL会長髙尾義則氏宛に、JH4PHW坂井志郎社員JJ1WTL本林良太社員と連名で、「課題解決に向けての議論のご提案」をお送りしました。

第1 カード転送の安定化
第2 法制度・バンドプラン改善対応
第3 財政健全化

髙尾会長から「しっかり協議を行う」とのお返事をいただいたので、それぞれの課題について、まずは①どのようなメンバーが、②いつまでに結論を出すのかについて、しっかりと協議をして頂きたいとのご提案(2)をお送りしました。次の動きに注目しています。

今回の「議論のご提案」については、全国の会員、社員、理事幹事の方々から、その3点が、今のJARLが抱える課題だと私も思う、大いに議論すべき、等々の好意的なコメントをたくさん頂いています。以上3つの課題はずいぶん前から繰り返し指摘されているものであり、先送りすることはもはや許されません。

なのに、なぜ今のJARLはこれらの課題に取り組めないのかと考えさせられます。どこかに、JARLの進歩を止めている原因・障害=「ボトルネック」があるのではないか。一部の従順な人を優遇する一方で、なぜやりたいと名乗り出る人を排除してしまうのか。それが人の問題なのか組織的な問題なのか。執行部の皆さんとの協議の中で、それが明らかになることを期待しています。

②電波法規制の緩和・合理化に力を注ぎます

【過去の活動】

ここ数年、アマチュア無線に関連する重要な法改正が続いています。この2年間も、私はパブコメに意見を提出し、制度改正を私なりに読み解くブログ記事を公表してきました。

【今後の活動方針】

2年前の所信表明から引用します。

(引用開始)
法制度の改正には「法改正の理由」(法律用語で言うと「立法事実」)が必要です。アマチュア無線について、民側が行うべきことは、まず、日頃からアマチュア無線家の要望を広く集め、これを優先順位に従い整理しておくことだと思います。これが「立法事実」に該当します。次に、この要望と、法律・政省令・告示と照らし合わせて改正しなければならない条文を見つけ、総務省に対して、改正の必要性を要請することになります。

しかし、これらの作業は出発点にすぎません。1回の要望で動いてくれるほど、行政府・立法府は甘くはないのです。さらに審議会・懇談会等に働きかける等、法改正の「きっかけの仕込み」を行い、その結果、ようやく行政府・立法府が動いてくれそうになれば、すばやくそのチャンスを捉え、改正条文、新旧対比表の下案や、関係部署との問答の下案を作成するなど、行政担当者の「お手伝い」をしていくことになります。この部分が、法制度改正の実現に向けた本丸中の本丸です。

かつてのJARLは、総務省(郵政省)の担当者への説明や、法改正が必要な場合は議員への説明など、一番大変な部分にも積極的に働きかけを行っていたと想像されます。少なくとも、他の種類の無線局に関係する業界は、みなこういう努力を行って、法改正を実現してきているのです。

髙尾会長は、最近、電波部長に「直接」1通の要望書を渡したことを強調していますが、それがいかに現実にそぐわないかは、こちらの記事に詳しく書きました。本来JARLが果たすべき役割の一丁目一番地においてこのような説明がなされていることは、とても痛々しく感じます。1片の要望書は出さないより格段にましですが、それだけで法改正が実現するものでは決してないのです。
(引用終了)

さて、ここ2年間のJARLはどうでしょうか。残念ながら、2年前と状況は変わっていません。総務省と約束した社会貢献活動ガイドラインの公表は法令施行から半年以上遅れ、アマチュア無線免許手続きの簡素化が議論された昨年11月の内閣府規制改革推進会議に人を出せず、IARUからの要請である7MHz国内FT8周波数の移動問題についてきちんとした役割を果たせず、コンテスト委員会委員長から異議申立書が提出される始末です。

今年1月26日に「ワイヤレス人材育成のためのアマチュア無線アドバイザリーボード」の第1回会合が開催されました。昨年8月31日のパブコメで、総務省は「アマチュア無線家の方々の御要望は幅広く、場合によっては方向性が異なるものがあることも考えられ、検討に当たっては、代表的なアマチュア無線家団体に検討に御参画いただき、その具体的な御意見等を踏まえて、有識者や関係者による検討会を開催して議論していくことが考えられます。」と述べていました。これは、「パブコメでいろんな意見が殺到するの、まとめるの大変なので、JARLさん、先にアマチュア無線家の意見を聞いてまとめてきなさいよ」という総務省のメッセージであると私は受け止めています。アマチュア無線家の長年の希望が叶うかもしれない、千載一遇のチャンスです。ですが、今のJARLには、残念ながら、一般アマチュア無線家の意見を募集する動きは見られません。

2013年までのJARLは、例えばバンドプランの改正について、アマチュア無線家から何度も意見募集を行い、実に丁寧に検討を行い、改正案をとりまとめて総務省に働きかけ、バンドプラン告示の改正を実現してきました。やればできるのですから、やりましょう。

髙尾会長にお送りした「課題解決に向けての議論のご提案」には、『全国のアマチュア無線家の意見をしっかりと聞き、総務省に伝えていきましょう。要望書は多くの人の意見を取り入れてJARL会員の総意として作られるべきです。』と書かれています。私も、JARLからご指名さえいただければ、全国のアマチュア無線家の皆様から意見を伺い、電波法規制の緩和・合理化に向けた活動に積極的に関わりたいと考えています。

③アマチュア無線の裾野と可能性を広げる活動でも頑張っています

(1) お正月のQSOパーティの期間延長
2018年に私が提言し、社員や理事の皆さんにお願いした結果、2021年から6日間への延長が実現しました。親戚周りや仕事で参加が難しかった方々から歓迎されています。私ももちろん、6日間フル参加しています。

(2) このブログやTwitterを通じて、無線愛好家の皆さんと楽しく交流させて頂いています。移動運用や「#駅前QRV」 等々、自分の無線運用の様子をご報告するだけでなく、アマチュア無線に関する一般ニュースや海外サイト、個人の方のブログまで、これは面白い!役に立ちそう!と思った情報を積極的につぶやくようにしています。2年前に約2,000人だったフォロワー数はほぼ毎日増え続け、今ではお陰様で3,500人を超えました。Twitterでのゆるやかでかつ深い人のつながりはアマチュア無線によく似ていて、とても楽しいです。

(3) 2020年4月23日から2021年4月22日まで、7コール発給開始30周年記念局「8J1-7CALL」の運用に参画しました。その間、体験局「8J1YAB」の立会人を経験しました。無線歴がほぼ同世代の「7コールアマチュア無線クラブ」メンバーがネット上で集まって作った記念局を、私は一生忘れることはないでしょう。※「8J1-7CALL」1年間の個人的振り返り記事はこちら

(4) 2020年11月1日開催の「バーチャル・ハムフェス2020」の実行委員会に参画し、2021年11月13日開催の「バーチャル・ハムフェス2021」では実行委員会代表を務めました。コロナ禍で中止となってしまったハムフェア2020の代替として有志により始めたイベントですが、時と場所を越え、リアルイベントとはまた別の価値を生み出しつつあると感じています。JARL執行部から一部妨害があったことはとても残念でしたが、”立場”を超え、たくさんのJARL理事・地方本部長・支部長・社員の方々にご参加いただけたことは、アマチュア無線界の「分断」を望まない私にとって、とてもうれしいことでした。JARLがオンラインイベントを行うのであれば、お手伝いしたいと思います。

(5) 個人的なアマチュア無線活動は浅く広くという感じですが、JT65以降のデジタルモードや、D-STARやDMRといった新しい技術についてはそれなりに勉強しているつもりです(例:新デジタルモード「Q65」)。実は無線機の素人修理も好きだったりします(TM-702TM-741SRJX-601等)。皆さんのご参考(と自分の備忘録)になればと思い、できるだけ詳しいブログ記事を残すようにしています。

最近なぜか、アマチュア無線が一般メディアに取り上げられることが多くなりましたが、その多くが「アマチュア無線はレトロな趣味」と位置づけていたように思います。アマチュア無線衰退の原因をインターネットに求める人もいます。ですが、実際には、私たちアマチュア無線家は、インターネットやパソコンによる最新技術、奇しくもコロナ禍で普及したオンラインメディアを軽やかに利用し、アマチュア無線の活動の幅をますます広げてきたのではないでしょうか。「アマチュアは進歩的」なのです。

そして、個人と個人が力を合わせた草の根的な活動が、アマチュア無線の裾野を広げ、その普及と発展に必ず貢献できると私は信じています。その意味で、JARLの地方本部・支部の活動は極めて重要であり、それに日夜関わっていらっしゃる皆様を、私は尊敬し感謝しています。JARLは、元来、「日本最大のアマチュア無線クラブ」として、こうしたひとりひとりのアマチュア無線家の活動の集合体だったはずです。一部の方だけが目立つために利用されるJARLではなく、真の意味で、アマチュア無線家ひとりひとりが活躍できる「場」を提供するJARLにするにはどうしたらよいか、私は、引き続き実際の行動を通じて考えていきたいと思います。

(理事でなく)社員に立候補した理由

ありがたいことに、私に対し、社員ではなく理事に立候補するよう勧めてくださる方がたくさんいらっしゃいます。実は、今まではいわゆる会員ファースト派と思われていたであろう役員・社員の方々からも、そのようなご助言を頂いています。ですが、本業と私生活の都合、今年の社員総会は昨年の社員総会と同じ顔ぶれで行われること、何より私の経験・実績不足から、今回も、関東地方本部区域の社員に立候補させて頂くことに致しました。まだまだ、社員としてできることがあります。引き続き、ご支援、叱咤激励をよろしくお願い申し上げます。


以上、私の「思い」を読んで下さりありがとうございました。なお、私の無線家としてのプロフィールはこちらを、法律家としてのプロフィールはこちらをご覧下さい。

立候補届受理証

(2022-02-16 記)

5件のコメント

  1. 包括免許(当局が管理していない,できないことを免許申請では求めない)(自動車運転免許のように,免許の範囲内で,なんでも運転可,しかし運用監視,違反監視は厳しく)
    自律規制(JARL自己規制監視,モニター,違法局摘発支援)
    電波使用料(アマチュア無線は赤字)免許時に一括納入,または廃止
    二文字,一文字サフィックス,バニティ,家族相続,インセンティブ 割り当ての透明性
    JARL役員は無報酬 実費精算(経費事前申告)

コメントを残す