JARL第10回定時社員総会ご報告(その2)

Hamlife.jpの記事

2021年6月28日(月)18時30分公開。

<5時間17分にわたり活発な討議>JARL、「第10回JARL定時社員総会」を開催 https://www.hamlife.jp/2021/06/28/jarl-10th-teijisoukai-report/

良記事。必読です。僭越ながら、ジャーナリストである「中の方」の面目躍如だと思います。感謝申し上げます。

後ろ姿で写っている質問者は、たぶん私です(お恥ずかしい)。

JARL Webの速報

2021年6月29日(火)にアップされました。

JARL第10回定時社員総会開催される(速報)
https://www.jarl.org/Japanese/2_Joho/News2021/News%20Frameset.htm


議長の議事進行

今年の議長団は、JA1STY鈴木社員とJA7UQB佐藤社員でしたが、終始、鈴木社員により議事が進行しました。私は、2019年の鈴木社員による議事進行について批判記事を書いたことがあり、昨年は、社員提案による議長解任動議が成立しました。

ところが、今年の鈴木社員による議事進行はとても公平で、安定感がありました。実は、正常化PJ社員の間でも、事前に私から、質問・発言はできるだけ紳士的に行おうと呼びかけ、申し合わせができておりました。相乗効果により、充実した審議ができたと考えています。Hamlife.jpにも、「今回は終始落ち着いた雰囲気で進行したのが印象的だった」との評価を頂きました。

鈴木社員の議事進行に関する2019年の批判記事は、非公開に変更しました。鈴木社員には、大変失礼申し上げましたことをお詫び申し上げます。

写真撮影・SNS・録音→開かれた社員総会へ

JARLの社員総会では、なぜか「採決時の写真撮影」が禁止されてきたのですが、昨年、社員の動議により解禁されました。今年も、採決時の写真撮影は禁止されませんでした。第1号議案に賛成の挙手が上がっている際に、ある社員から「写真撮影をしている人がいるのでやめさせてください」という声が上がりましたが、「今年は禁止されてませんよ」との声も上がり、鈴木議長は明確に「続行してください」と指示されました。

社員たるもの、議題に対する賛否は、堂々と行いたいものです。

また、昨年は会議中のSNSがなぜか禁止されましたが、今年は禁止されませんでした。録音は、従前どおり、何のお咎めもありませんでした。

JARLの社員総会も、このように徐々に開かれつつあるようです。今後はぜひ、インターネットによる議事中継を期待します。今年は、2階に傍聴席が設けられ、8階本会場の様子が中継されたそうですから、技術的な問題は全くないはずです。


第1号議題(決算)に関連した議論

経常費用が①会員事業費、②刊行物事業費、③管理費に3分されている理由

(日野岳専務の一括回答)新法人への移行時、「公益目的支出計画」を作成したときに区分し、内閣府から承認されたもの。会員事業費と刊行物事業費は従来からの区分である。前者はどちらというとアマチュア無線に関するもの、サービス等。後者は法人税法上そこに含まれるものである。管理費はその他。

【山内感想】振り分け基準が文書化されているかについては回答なし。日野岳氏の回答ではまだよくわからないので、もう少し調べます。

”対立するグループ”との意思疎通

(磯社員の準備書面)日アマ第03087号文書に関連して、JARL執行部とそれに異議を唱える団体(JARL正常化プロジェクト等)の「意見交換などの意思疎通」はどの程度行ったのか。

(日野岳専務の一括回答)意思疎通を図りたいと我々も感じているが、裁判所からいきなり通知が届いたり、弁護士同士が代理人となって話しているような状況では、本人同士が意思疎通と言われてもなかなか難しい。

(山内の意見)日野岳専務理事から”対立するグループ”との意見交換をしたいとの話があったが、私からも、ある方を介して髙尾会長に対する面談の申し入れをしており、そこは是非お願いしたい。

(磯社員の質問)日野岳専務も、いろいろな当事者と意思疎通を図りたいが裁判を起こされるようでは、と仰ったが、裁判になるようでは両方とも負けである。そうなるまでに、事前の意思疎通をどれくらい行ったのか。回数や日時等列挙して具体的に説明して欲しい。

(日野岳専務の回答)特別そのために会合を持ったことはない。去年は、理事会の中で意見を頂き、相互の調整を行った、あるいは、いろんな議論も侃々諤々行ったこともある。ということで全く行ってないわけではないが、磯社員が仰るようにある場を設けて会合を行ったことはない。

(磯社員の意見)ぜひ、意思疎通をお願いしたい。会員もそれを望んでいる。

(山内の意見)私は弁護士なので、いろいろな法的手続きを申し立てさせて頂いているが、必ず事前に内容証明をお送りしており、いきなり裁判を申し立てたことはない。また、例えば今年の帳簿開示請求では、昨年末に開示を請求する通知書を送ったところ、オーセンスの弁護士から「開示をしてもいいが、外には出さないという誓約書を出せ」との回答があった。法律上は、開示された帳簿を売ってはいけないが、お金をもらわなければ開示してもいいはず。我々は迷ったが、やむなく誓約書を出すとの回答を送った。コロナのために時間が少し空き、3月になって開示を求めたところ、違う理由で拒否されたので仮処分に至ったという経緯がある。このように、事前に交渉はきちんとしているのが実態。

(日野岳専務の回答)JARLに内容証明郵便が届くことも滅多になく、それだけで驚く。その辺はご理解頂きたい。

(髙尾会長のコメント)山内さんの方から話をしたいという話は、今日初めて聞いた。会計帳簿については、昨年開示させて頂いたが、それがいろんな方々にでて、いろんな苦情を頂いて、その方々を誹謗中傷するようなSNSとかがあり、関係各所に大変なご迷惑を掛けた。そういった点も踏まえて、年末の内容証明郵便に対し専門家とご相談させて頂いて、誓約書を頂戴したいとか、誠実に進めさせていただいていたところである。ところがまた突然、訴えて参りまして、事前にお話をもって、というお話でもあればさせて頂きますけど、唐突に郵便を送りつけて見せろ、話が進んでいるかなと思ったところで突然訴えてくると、そういうところでお話をということをさしていただこうとしても、できるものではございません。そういう意味で、専務がさきほど回答させて頂いている。JARLを良くしたい、存続させたい、会員の皆さんのためにという思いは同じかもしれないが、それをするのに、そういった行動を起こすこと自体、執行部としては、組織を守るため、ということで、理事会も踏まえて、皆さんと協議をして進めているところである。アマチュア無線連盟はアマチュア無線界唯一の団体である。アマチュア無線を皆さんに楽しんで頂く、末永く愛好して頂く、若い人たちにもアマチュア無線を知って頂くために活動している。そういった中で、SNSで誹謗中傷が出ること自体、組織として大きな大きなマイナスになる。そういった中で、お話しをさせて頂くというのも、今日初めて伺ったので、改めて検討させて頂く。しかしながら、過激な行動、SNS上、そういったことはご理解頂きたい。いろいろな方にご迷惑を掛けるような状況に陥っていること、組織としてもゆゆしい問題である。以上。

【山内感想】髙尾会長のコメントは、申し訳ないですが「不適切な旅費飲食等の支出」という、自分が起こしたそもそもの問題の出発点を棚の上に上げて、他人ばかり非難しているように感じました。開示された帳簿がまともであれば、誹謗中傷も起きなかったのです。また、会長たるもの、内容証明ごときにビクビクせずもっと堂々とされてもよいのではないでしょうか(仮処分で誹謗中傷の証拠として提出されたものは、5ちゃんねるでした。)。いずれにせよ、意思疎通の機会を設けて頂けるようですので、楽しみにしております

決算と解任議案の関係

(田原社員の質問)議決権行使書の注意書きが社員総会議事運営規程のひな形と異なっていた件について大阪地裁の裁判例を根拠としたが、その件は、理事会と社員から「相反する議案」が出された場合についてのもの。今回は「相反する議案」は存在しない。

(日野岳専務の回答)理事の解任議案と決算の承認議案は実質的に相反するものと考える。

【山内感想】ということは、今後、決算が承認されなければ、理事の進退問題となる(辞任に値する)ということになります。

ただし書き本部長の臨席

(平田社員の質問)今回、理事を兼ねる本部長は出席しているが、理事を兼ねない「ただし書き本部長」(1、2、3、9エリア)は呼ばれていない。これでは地方のことについて質問をしても回答が得られない。2エリアのただし書き本部長(木村氏)は傍聴を申し込んだが抽選に外れたとのことがこれはおかしい。今後は、ただし書き本部長を社員総会に呼ばれたい。

(日野岳専務の回答)役職名という意味では、本部長もいれば監査長もいる。人を呼び始めると、自分はなぜ呼ばれないかと必ずいわれる。また、今回は特別だが、傍聴を制限するために抽選させて頂いた。ご理解頂きたい。

【山内感想】「社員からの質問に答えられる役職者に待機してもらう」という原点に立てば、呼ぶ範囲は自ずと、理事とただし書き本部長に決まるはずです。ネットで中継し、必要なときに回答してもらえばよいと思います。

(2021-06-30 記)

「会計帳簿等開示請求」対応のための弁護士費用

複数の社員から、多額の弁護士費用の支出を問題視する質問がなされました。たしかに、2020年度だけで、会計帳簿(2019年度分)の開示請求と、昨年9月の社員総会継続会に関する弁護士報酬として合計2,663,230円が支出されています。飲食費・旅費交通費の削減分が、弁護士費用で相殺されてしまった形です。2021年度も、会計帳簿の開示請求を拒否して裁判になりましたし、社員総会にオーセンスの弁護士が立ち会っていましたので、多額の弁護士費用の支出が続くでしょう。

JARLの顧問弁護士は、団体=会員のための弁護士であって、髙尾氏・日野岳氏個人の弁護士ではありません。団体の顧問弁護士は、団体=会員のためを思い、時には、髙尾氏・日野岳氏個人にとっては厳しい助言をしなければならないものです。どうするのが団体=会員にとって適切なのか、大局観を持って、適切な助言をしていただけるよう切に願います。

なお、髙尾会長から、2021年4月の会計帳簿開示請求について、裁判所も当初の請求範囲が適切であるとは認めず、最終的には大幅に縮小した範囲のみ開示命令を出した、顧問弁護士のおかげで当連盟の利益につながったとの説明がありましたが、会長は何か誤解されているようです。2021年4月の開示請求仮処分は、当初、2020年度の会計帳簿に加えて、2016年から2018年までの会計帳簿も対象に含めていましたが、裁判官が、「2018年度以前の会計帳簿は、仮処分(総会に間に合わせるための緊急手続)ではなくて本訴(正式裁判)でやって欲しい」と仰るので、とりあえず対象から外しただけです。「JARLさん、2018年度以前の帳簿は開示しなくて良いよ」と仰ったわけではありません。

(2021-07-09 追記)

その3へつづく

8件のコメント

  1. […] 今回の社員総会で意見が出て、Hamlife.jpの記事も指摘するように、いま、執行部と社員・会員の対話・意思疎通を、との期待感が、この上なく高まっています。私は、仲間を募って、何らかの形で、執行部に対話に向けた申し入れをさせていただこうと考えています。執行部がこれに応じてくださることを、とても楽しみにしています。 […]

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