「アマチュア無線規制緩和2020」に対するパブコメ意見

「アマチュア無線規制緩和2020」についていろいろ考えていたのですが、結局、以下のとおりパブコメ意見を出しました。たとえば、1kWの体験臨時局を4アマ保有者は運用できるのか等、いくつか不明な点について質問しています。

私が法制度について検討するときは、できるだけ「アマチュア無線運用の自由の幅を広げる」方向になるように考えています。今回の質問・意見もその方向です。

今回の規制緩和について、いずれも賛成し、歓迎申し上げます。ありがとうございます。その上で、いくつか意見を申し上げます。

【別添1 無線局免許手続規則】
総通・免許人双方の負担を格段に減らす改正であり全面的に賛成します。なお、さらに双方の負担の軽減を図るため、一括記載コード告示の見直しをご検討下さい(詳細は後述)。

【別添2 軽微事項告示】
・「2 空中線の工事設計」について
軽微な変更とされない場合として、改正前は「型式に変更を来さないこととなる場合」が規定されていたところ、改正案では、「電波の型式に変更を来さないこととなる場合」と文言を追加することが提案されています。これは、条文をわかりやすくするための改正と理解しますが、そうであれば、「電波の型式」ではなく、「空中線の型式」に変更した方がわかりやすいのではないでしょうか。

・「4 送信機の部品等にかかる工事設計」について
「適用の条件」欄の2項に括弧書きが追加され、「空中線電力200ワットを超える送信機の部品の工事設計の変更」、すなわち空中線電力200ワットを超えるブースターの付加について、JARD/TSSによる保証の途が開かれたことを歓迎いたします。

ところで、今回の改正案との比較から、既存の送信機にブースターやトランスバーターを付加するが空中線電力は200ワット以下である場合は、(a)電波の型式、空中線電力、周波数のいずれかの指定が変更されるときは、JARD/TSSによる保証が必要となりますが(第1項)、(b)これらの指定事項のいずれも変更がない場合は、JARD/TSSによる保証がなくても軽微な変更に該当し(第2項)、総通に対する直接の届出で済むことになったことが明確になったと理解しますが、正しいでしょうか。

アマチュア無線界に流布している従前の説明は、上記(a)と(b)を区別していないように思われるため、お尋ねする次第です。
(例)
http://www.jard.or.jp/warranty/kihondata/guidance_01.pdf
http://tsscom.co.jp/tss/73-2/

【別添5 バンドプラン告示】
・今回拡大された周波数帯の電波の型式が「すべての電波の型式」とされたことを、規制緩和の趣旨から大いに歓迎致します。仮に、CWによる通信と音声による通信が混信を来すようであれば、それはアマチュア界の自助努力、自主規制により解決されるべきであって、法的規制として総務省・総通のお手を煩わせるべき事項ではないと考えます。

・「1,800kHzから1,810kHzまで」及び「1,825kHzから1,875kHzまで」について、「全ての電波の型式」とされたことから、このバンドにおけるSSB(J3E)通信が解禁されたと、アマチュア界で歓喜の声が上がっています。ところが、多くのアマチュア局の局免許状に表記されている「3MA」という一括記載コードは、「J3E」を含んでいないため、「J3E」を追加するための変更申請が各総通に殺到することが予想されます。そのような事態を避けるために、一括記載コード告示(無線局免許手続規則第十条の二第十項の規定に基づくアマチュア局において使用する電波の型式を表示する記号)において、「3MA」と「4MA」に、それぞれ「J3E」を追記する改正を、是非、強く、お願いいたします。

・なお、一括記載コード告示は、局免許証の記載事項の変更を減らし、ひいては軽微な変更の範囲を増やす目的で導入されたものと理解しています。その点ではとてもありがたい制度ですが、体系だっておらずわかりにくいことから、アマチュア無線界に十分に理解されていません。誤解に基づき、本来必要な局免許証変更手続を失念したり、不要な変更手続を行ったりしている例が多く発生しているものと思われます。この告示は制定から10年を経ており、その間のアマチュア無線技術の発展を必ずしも反映していないと思われるため、最近よく使われている新たなモードの一括記載コードへの追加を含め、全面的な改正をご検討下さい。

・近年非常に人気があり活発な通信が行われている「FT8」というデジタルモードの通信は世界的に3,574kHz付近で行われているところ、今回の改正案は、「3,535kHzから3,575kHzまで」については「注1」つまり国内局同士の交信を禁止する注を残した上で、「3,575kHzから3,580kHzまで」については、この「注1」は適用しないするものです。そうすると、3,574kHz付近では国内通信が禁止されるのに、わずかに上の周波数である3,575kHz付近では国内通信が可能ということになりますが、この間の境界は極めて曖昧なため、大きな混乱を生じさせることが必至です。そこで、規制緩和の趣旨で、「3,535kHzから3,575kHzまで」について「注1」を削除する改正を、是非、強く、お願い致します。

【別添7 体験臨時局】
・アマチュア無線を一般の方に体験してもらい、無線技術一般に対する理解を深めるという目的に資する、とても意義のある制度と考えます。アマチュア無線界の長年の悲願であり、諸手を挙げて賛成いたします。特に、指揮監督をする無線従事者の資格に制限が加えられなかったこと、体験者に年齢制限が設けられなかったことは、とてもありがたいことです。

・体験臨時局のコールサインについて。アマチュア界では、臨時局のコールサインは「8J/8N」で始まるというイメージが強いのですが、「8J/8N」で始まるコールサインは珍しいため多くの局から呼ばれいわゆる「パイルアップ」という状況になり、これを処理するには一定の技能が必要です。このような状況をアマチュア無線の経験がない人に体験させてしまうと、混乱を招き、時には妨害電波をかぶせられる等、無線技術一般に対する理解を深めるという目的に逆行する事態が生じかねません。このようなパイルアップの事態を回避するために、珍しくない通常の社団局のタイプのコールサインの割当を受ける方が望ましいケースもあると思われます。そこで、開設者の希望により、「8J/8N」で始まる既存の記念局・ARISS記念局のタイプと、通常の社団局のタイプ(サフィックスがYまたはZで始まるもの)のいずれかを選べるようにしていただくことを希望します。

・今回新設される体験臨時局告示は、電波法施行規則第34条の10のさらに根拠法である電波法第39条の13ただし書きに基づくものであり、体験臨時局告示の要件を満たす限り、電波法第39条の13本文「アマチュア無線局の無線設備の操作は、次条の定めるところにより、無線従事者でなければ行つてはならない。」の適用が排除されるものと理解されます。そうであれば、同告示の要件を満たす限り、アマチュア無線技士の資格を一切持たない者がアマチュア局の無線設備の操作を行うことが許されるのはもちろん、電波法第40条第2項、電波法施行令第3条により制限されている運用例、つまり、例えば第4級アマチュア無線技士の資格しか持たない者が第1級アマチュア無線技士でなければ操作できない無線設備の操作(14MHz帯の運用、1kW局の運用等)なども、体験臨時局において第1級アマチュア無線技士の監督下であれば、許されることになると理解しますが、正しいでしょうか。

【別添8 電波法関係審査基準】
・設備共用に関する「社団局同士(無線技術に対する理解と関心を深めるため社団が行事の開催に伴い臨時に開設するアマチュア局は除く)の設備共用・・・は認めない。」は、「社団局(無線技術に対する理解と関心を深めるため社団が行事の開催に伴い臨時に開設するアマチュア局は除く)同士の設備共用・・・は認めない。」の方がより正確ではないでしょうか。

・今回、体験臨時局に限り、社団局同士の設備共用が認められました。ところで、かつて学校や公民館等に存在したものの現在は廃局になっている社団局を復活させることにより、かつてのメンバーと新しいメンバーが再結集してアマチュア無線の活性化に大きな効果を上げている例がありますが、社団局同士の設備共用が全面的に認められれば、廃局された社団局の復活がさらに容易になり、アマチュア無線の活性化に資するものと思われます。そこで、社団局同士の設備共用を全面的に解禁していただけますよう、ご検討をお願いします。

・体験臨時局について、「開設期間は、行事等の開催期間からみて適当なものであること。」における「開催期間」に上限はないものと理解します。行事の開催期間がたとえば1年間であれば、体験臨時局の開設期間を1年間とすることも許されると考えますが、正しいでしょうか。

(2020-02-17 記)

「アマチュア無線規制緩和2020」に対するパブコメ意見」への4件のフィードバック

  1. ピンバック: JARL選挙立候補に当たっての所信(2020年関東社員) | 7K1BIB/AC1AMの業務日誌

  2. ピンバック: 「アマチュア無線規制緩和2020」パブコメ結果公表 | 7K1BIB/AC1AMの業務日誌

  3. ピンバック: アマチュア無線規制緩和2020が施行! | 7K1BIB/AC1AMの業務日誌

  4. ピンバック: 【祝】アマチュア無線規制緩和2020が施行! | 7K1BIB/AC1AMの業務日誌

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