JARL選挙のあり方について(異議申立が4件もなされました)

2020年JARL選挙に関し、選挙管理会に対し、4件もの異議が申し立てられました。これほど多数の異議が申し立てられたこと自体、異例のことと思われます。

JARL選挙規程第30条以下に、選挙に関し、選挙人(有権者)または被選挙人(候補者)は、選挙管理会に対し異議を申し立てられることが定められています。選挙管理会は事実調査等を行い、30日以内に裁定を行います。裁定の内容は、(1)関係者に対する勧告、(2)関係者に対する警告、(3)当選の取消し、(4)選挙の無効とされています。

JE4WWK金子由次氏(中国理事候補者当選者)に対する異議2件

1件目は、中国地方理事選に立候補したJA4DLF綱島俊昭氏が、JE4WWK金子由次氏を相手取って、同氏の当選の取り消しを申し立てているものです(私は綱島氏の代理人に就任しています。)。綱島氏は、金子氏の選挙公報、選挙ハガキ、「JARL会員ファーストの会」名義のウェブサイトにおける記載は、「虚偽の事実」であり、これらは「選挙の公正を妨げる行為」に該当すると主張しています。以下、異議申立書の全文を引用します。

選挙規程第30条に基づく異議申立書

 申立人は、一般社団法人日本アマチュア無線連盟(以下「JARL」といいます。)令和2年通常選挙(以下「本選挙」といいます。)に関し、貴選挙管理会に対し、選挙規程第30条以下に基づき、以下のとおり異議を申し立てますので、裁定をされたくお願い申し上げます。

1 当事者

 申立人 JA4DLF 綱島 俊昭は、本選挙において、中国地方本部区域における理事の候補者に立候補した者である。

 被申立人 JE4WWK 金子由次もまた、本選挙において、中国地方本部区域における理事の候補者に立候補した者である。

 令和2年4月18日に公示された選挙結果によれば、被申立人は、861票を得て、中国地方本部区域における理事の候補者に当選したこととされた。申立人は342票を得て、次点であった。

2 求める処分

 選挙規程第33条(3)に基づき被申立人の当選を取り消す

との処分を求める。

3 異議申立ての事実(理由)

 被申立人は、本選挙の選挙活動期間中に、選挙公報(甲第1号証)、選挙人に対するハガキ(甲第2号証。以下「被申立人選挙ハガキ」という。)、「JARL会員ファーストの会」名義のウェブサイト(甲第3号証。以下「被申立人ウェブサイト」という。)等により、以下のとおり虚偽の事実を流布した。これは、選挙管理会による「選挙運動についてのご注意」で禁じられている「他人の名誉き損」及び「虚偽の事実の公表」に該当する。

(1) 中国地方各支部長の推挙に関する虚偽の事実

 被申立人の選挙公報(甲1)には、「中国5県、岡山・山口・鳥取各県支部長のご推挙をいただき立候補を決断しました。」と記載されており、被申立人選挙ハガキ(甲2)及び被申立人ウェブサイト(甲3)にも、ほぼ同一の記載がある。

 しかし実際には、被申立人を支持していたのは鳥取県の支部長及び山口県の支部長の2名のみであり、岡山支部長であるJH4TYE 平野耕平氏は金子氏を支持していなかった。また、「中国5県、」との文字列には意味がなく、5県の支部すべてから推挙を受けているように見え、誤解を招く記載である。

 よって、被申立人の上記記載は、虚偽である。

(2) 中国地方本部と各県支部の関係

 被申立人の選挙公報(甲1)には、「現在の中国地方本部は各県支部との連携や信頼もない状態で会員を忘れた組織運営と言えます。」と記載されており、被申立人選挙ハガキ(甲2)及び被申立人ウェブサイト(甲3)にも、ほぼ同一の記載がある。

 しかし実際には、中国地方本部長である被申立人が地方本部会議を招集しても、令和元年6月の中国地方本部会議以降、被申立人は山口・鳥取の支部長とともに全く出席をしない状況であり、中国地方本部と各県支部との連携や信頼を壊しているのは被申立人の側である。また、中国地方本部は、令和元年11月8日に開催した「JARL中国地方 ハムの集い」、令和2年3月22日に開催した「第1回オールJA4コンテスト」など、会員のための各種行事を開催しており、「会員を忘れた組織運営」というのは被申立人による根拠のない誹謗中傷にすぎない。

 以上のとおり、被申立人の上記記載は虚偽であり、申立人に対する名誉き損である。

(3) 中国地方本部の資金について

 被申立人の選挙公報(甲1)及び被申立人選挙ハガキ(甲2)には、「今年度の地方本部の資金は多額の繰越金までゼロに近い状況で次年度の事業に大きな影響が出ることが懸念され改革が急務です。」と記載されている。また、被申立人ウェブサイト(甲3)には、「単独の『中国地方ハムの集い』で100万円も使うイベントは、今の中国地方では必要ないと思います。各県支部長に協力しないで良いと申し渡しての、独占して行う余裕は、まだ中国地方にはありません。」と記載されており、被申立人は、中国地方本部が支部との共催ではない形で「JARL中国地方 ハムの集い」を開催したこと、及びその費用を問題としているものと理解される。

 まず、中国地方本部が今年度のハムの集いを支部との共催ではない形で開催したことについては、今年度当初の地方本部会議で決定したことであり、手続上何らの問題もない。地方本部会議の席上、被申立人は、申立人には協力できないと発言したことがあり、「各県支部長に協力しないで良いと申し渡して」との記述は真逆である。申立人が地方本部長に就任してから各支部持ち回りの合同ハムの集いが一巡したこともあり、また、各支部が地方本部と合同でハムの集いを開催するのは負担に感じられる面もあるのだろうと考え、今年度は、支部との共催ではない形でハムの集いを開催した次第である。なお、申立人が、今後、支部との共催による中国地方ハムの集いを開催しないと言ったことは一度もない。

 場所についても、当初は公共施設を使えるよう調整を行ってきたが、どうしても都合が付かなくなったところ、前地方本部長が会員のための行事等を開催せず繰越金が貯まっていたため、それを有効活用しホテルでの開催としたのである。きれいな施設での開催となったことについては、参加された会員各位からお褒めの言葉をいただいており、むしろ、繰越金を会員の利益のために有意に還元することができたのであるから、何の問題もない。中国地方本部の「次年度の事業に大きな影響が出ることが懸念され」ることもない。

 中国地方ハムの集いに関し、使途不明、資金流用等が一切ないのはもちろんのことである。

 なお、各県支部に対する地方本部予算からの分配金は、従前の金額から一切変更はない。よって、各県支部における「次年度の事業に大きな影響が出ることが懸念され」る事態など一切生じていない。

 ハムの集いを巡り、中国地方本部の経理処理が何らかの規則に違反するとでもいうのであれば、被申立人において具体的に明らかにされたい。

 なお、被申立人は、山口県支部長及び鳥取県支部長と連名で、髙尾会長、両副会長、専務理事、両監事を名宛人として、令和2年1月17日付け「JARL定款等に基づく中国地方本部の臨時監査について(要請)」と題する文書を提出している。被申立人は、同文書の中で、「中国地方ハムの集い」の開催費用は「多額の浪費」であるとするほか、申立人に対する数々の誹謗を記載していたが、両監事は、資金流用等の不正経理があったか否かのみを取り上げるとして、調査を継続しており、まもなくその結論が出されるものと思われる。このように、被申立人の主張については、両監事の手に委ねられているのであるから、両監事の調査結果が出る前の選挙活動期間中に、被申立人の一方的な主張のみを、あたかも真実であるかのように公にするのは、申立人に対する誹謗中傷、名誉き損に他ならず、極めて悪質である。

 以上のとおり、被申立人は、選挙活動において「他人の名誉き損」及び「虚偽の事実の公表」という「選挙の公正を妨げる行為」を行い、それによって当選を得たものである。なお、このような「選挙の公正を妨げる行為」が成立してしまうのは、JARL選挙においては、立候補者全員の所信が印刷された紙の選挙公報が投票用紙に同封されず、選挙人が複数の候補者の所信を比較する機会ができるだけ少なくなるような状況が作り出される一方で、一部の候補者が、一方的な主張のみを記載した選挙ハガキを手間とカネを掛けて選挙人に送りつけることが許されているという、ゆがんだ構造があることはいうまでもなく、改善を求めたい。

 貴選挙管理会におかれては、被申立人の当選を取り消していただきたくお願い申し上げる次第である。不明の点があれば、申立人においてさらに追加の主張を行う用意があるので、ご指示いただきたい。

4 証拠資料

甲第1号証     選挙公報
甲第2号証     被申立人の選挙人に対するハガキ
甲第3号証     「JARL会員ファーストの会」名義のウェブサイト

金子氏に対しては、もう1件の異議が申し立てられています。選挙期間中に、広島県福山市在住の会員と岡山市在住の会員に対し、JG1KTC髙尾義則氏と金子氏の連名による選挙ハガキが届いたこと(岡山県在住の会員については、最新のJARL会員局名録に掲載されていない住所に届いたこと)について、JARLの個人情報の保護に関する管理内規に反し、かつ選挙規程第1条で定める「選挙を公明かつ適正に行う」目的も反するため、金子氏の当選を取り消すことを求めるというものです。

JR7JAW槻木澤稔氏(東北社員当選者)に対する異議2件

JR7JAW槻木澤稔氏は、今回の選挙で東北社員に当選していますが、選挙期間中に、JG1KTC髙尾義則氏、JA7AJH尾形和俊氏、JE7JGG佐藤眸氏と槻木氏の連名による選挙ハガキが、最新のJARL会員局名録に掲載されていない住所に届きました。これは、個人情報の不正な取得・利用であり、不公正な選挙にもあたるので、槻木氏の当選を取り消すことを求めるとの異議が、東北社員当選者の方と、ハガキが送られてきた会員ご本人から、それぞれ申し立てられています(合計2件の異議)。

JARL選挙のあり方

言うまでもなくJARLの選挙は公正に行われなければなりませんが、4件もの異議が申し立てられたことそれ自体、選挙の正統性を疑わせるものであり、極めて遺憾なことです。しかも、そのいずれも、現・JARL会長であるJG1KTC髙尾義則氏が支持していた候補者に対するものであることについては、一会員として悲しみを覚えざるを得ません。

JARL現執行部は、正式な選挙公報をJARL選挙の投票用紙に同封することを、理事会で繰り返し求められているにもかかわらず拒否しています。選挙期間中に会員に送付したメールマガジンに、ウェブ公開された選挙公報へのリンクを記載することすら行いません。有権者に、正式な選挙公報をできるだけ見せないようにしているとしか思えません。

他方で、最近のJARLニュースには、髙尾氏が露出するページが急激に増えています。それだけではなく、選挙期間中に突然、JARLニュースの特集ページ部分がJARL Webに一般無料公開されました(過去に理事会ではJARLニュースの一般公開について議論されたことがあり、そのときは、現執行部は公開に消極的であったにもかかわらず、今回、理事会では何の議論もなく、突然の公開だったそうです。)。3000万円以上の予算が投じられ、毎年の赤字の原因のひとつであるJARLニュースは、髙尾氏の個人的な広報誌ではないはずです。挙げ句の果てには、選挙期間中に発売されたJARL監修誌であるCQ誌の2020年4月号には、髙尾氏のインタビューが4ページにわたって掲載されるに至りました。

JARL現執行部(髙尾会長ら)は、紙の選挙公報を投票用紙に同封しないことにより、有権者に対し対立候補者に関する情報をできるだけ与えないようにし、他方で、執行部の立場を最大限利用して髙尾氏の露出を広げたり、一方的・表層的な見解しか記載していない選挙ハガキを、莫大な費用を掛けて有権者に送りつけたりすることにより、結果として、髙尾会長及びその支持者に不当に有利となるような選挙選を展開したのではないでしょうか。このようなカネの掛る選挙は時代錯誤であるばかりか、執行部の立場を利用した選挙活動は不公平であり、クリーンであったとは思えません。

2022年の選挙では、候補者が自分の見解をもっと多く記載でき、有権者の方と意見交換ができるようなプラットフォームをJARLが用意し、選挙活動はオンラインに移行させ、多くの問題が長年指摘されてきた選挙ハガキは一律禁止とすべきと考えます。

選挙管理会のメンバーは、以下の方々です(第43回理事会で決議)。今回申し立てられた異議に対する公明正大なご判断がなされることを期待申し上げたいと思います。

  • JA1HOF 栗原正敏氏 
  • JE1KZG 金刺 衛氏
  • JF1JSP 森 章和氏
  • JH1TID 木村輝美氏
  • JA2AWA 松永 博氏

(2020-05-18 記)

JARL選挙のあり方について(異議申立が4件もなされました)」への5件のフィードバック

  1. ピンバック: JARL選挙の公正は死んだのか | 7K1BIB/AC1AMの業務日誌

  2. ピンバック: 2020年5月理事会詳報 – 2020年JARL社員総会情報(「2020年JARL選挙情報」改め)

  3. ピンバック: JARL選挙の公正は死んだのか(その2) | 7K1BIB/AC1AMの業務日誌

  4. ピンバック: 2020年JARL選挙に関する4件の異議申立て – 2020年JARL社員総会情報(「2020年JARL選挙情報」改め)

  5. ピンバック: 4270万円の赤字予算の承認(JARL第54回理事会の問題点 その2) – JARL正常化プロジェクト

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