「アマチュア無線規制緩和2020」パブコメ結果公表

「アマチュア無線規制緩和2020」パブコメ結果が公表されました。

無線局免許手続規則の一部を改正する省令案等に係る
電波監理審議会からの答申及び意見募集の結果
アマチュア局の免許手続の簡素化、無資格者の利用機会の拡大及び周波数の追加割当て

今回のパブコメの白眉

今回のパブコメの白眉は、アマチュア無線制度を廃止せよ、という2件の意見(No.23及び176)に対する総務省の以下のお答えです。

アマチュア局は電波法令に基づく無線局です。

ただひとこと、ずばり、「アマチュア局は電波法令に基づく無線局です」。簡潔に言い切り。ありがたいではないですか。これは、総務省のアマチュア無線家に対するエール、声援だと私は思いました。電波法令に基づく無線局、紳士的に、しかし堂々と楽しみましょう。

私の意見に対する総務省のご回答

私が提出した意見は、別紙の39頁のNo.122に掲載されていました。以下の成果を獲得しました。

  • 【別添2 軽微事項告示】200W以下のブースター等を増設するときは、局免に変更がなければJARD/TSSの保証は不要との確答を頂きました。JARDもTSSも、200W以下のブースター等は「付属装置」ではなく「付加装置」(???)であってその増設には保証が必要、と読める説明をしていましたが、今後は総通に直接届出で足りることになるはずです。
  • 【別添5 バンドプラン告示】1.8MHz帯の一括記載コードを見直す予定との確答を頂きました。なお、パブコメ意見では、「3MA」と「4MA」に、それぞれ「J3E」を追記する改正をお願いしたいと書いたのですが、他のバンドとのバランスから、「3MA」と「4MA」「J3E」だけでなく、「A3E H3E J3E R3E A3C D3C F3C F3F J3F」の追加をお願いしたいところです(一括記載コードについては別のブログ記事を書く予定(書きたい)。)。
  • 【別添7 体験臨時局】「体験臨時局はアマチュア従免を持たない人のための制度だから、アマチュア従免を取得したとたんに体験臨時局の恩恵は一切受けられない」とされては、おかしなことになります。そこで、「例えば第4級アマチュア無線技士の資格しか持たない者が第1級アマチュア無線技士でなければ操作できない無線設備の操作(14MHz帯の運用、1kW局の運用等)なども、体験臨時局において第1級アマチュア無線技士の監督下であれば、許されることになると理解します」と尋ねたところ、「貴見のとおりです。」との確答を頂きました。よかったです。
  • 【別添7 体験臨時局】体験臨時局の開設期間について、「省令等において具体的に定めておりません。電波の有効かつ安全な利用の観点から行事の開催目的を考慮した開催期間の妥当性やアマチュア無線設備の管理体制等を踏まえ、個別に判断させていただきたい」との確答を得ました。ということは、長期のイベントを設定すれば、それなりに長期の体験臨時局も許されることになる・・かもしれません

他方で「3,574kHz付近では国内通信が禁止されるのに、わずかに上の周波数である3,575kHz付近では国内通信が可能となるのはトラブルの元なので、国内通信禁止の注記を削除して欲しい」という要望は、残念、採用してもらえませんでした。今回変わらないところは一切いじらない、という方針なのでしょう。将来のパンドプラン改正に期待します。

法改正とJARLの役割

以上のように、いち個人であっても、コメントの形でうまく質問すれば、これだけの成果を上げることができました。かたやJARLは、総務省と密に連絡を取って、いち個人よりもさらに多くのことを実現できる立場にあるはずです。JARLは、抽象的な1片の「要望書」を提出して満足していてはならず、法制度の改善に積極的に関与していくべきであり、これこそが、我が国アマチュア無線家の代表団体としての一丁目一番地の責務ではないでしょうか。なのに、今回のJARLが提出した意見(No.2)の中に、このような一節がありました。

(3)今回の追加割当の見直しをいただいている周波数帯については、「全電波型式」での指定ですが、1.8/1.9MHz帯及び3.5/3.8MHz帯の周波数帯については、世界中に電波伝搬が可能な周波数帯であり、電波利用の秩序維持のためにも、これまで同様に詳細な電波型式等の指定を希望いたします。

バンドプラン告示は法令であり、改正は容易ではありません。また、これに違反すると行政処分が科されます。なのに、JARLはなぜ、「詳細な電波型式等の指定を希望」などという、アマチュア無線家の手足を自ら縛るような意見を出してしまうのでしょうか。つい数年前、JAのパンドプラン告示上、世界的に使われているJT65の周波数に出られず、私達JA局はとてももどかしい思いをしたことを、JARLの周波数委員会はもう忘れてしまったのでしょうか。JARLとしては、「全電波型式」として頂いたことに感謝しつつ、アマチュア無線界に対しては、今回拡張された周波数帯が世界でどのように使用されているかを情報提供し、電波利用の秩序維持を啓蒙する役割を自ら買って出ないといけないのではないでしょうか。

JARLのこの意見に対する総務省の答えは、以下のとおりでした。

今般追加する周波数帯域においては、アマチュア局の本旨である無線技術の興味によって自己訓練、通信及び技術的研究を行うことの可能性を制限しないため全ての電波型式とするものです。

総務省の方が、アマチュア無線の「本質」、「可能性」についてよく分かっていらっしゃるではないですか。JARLは、これをとても恥ずかしいことと思わなければなりません。今のJARLは、ひろくアマチュア無線界の意見を聞くことをせず、理事会すら通さず、周波数委員会と執行部(事務局・会長及び専務理事)だけで総務省に提出するパブコメ意見を決めてしまうような独善的な組織だからこそ、こんな的外れな意見を出してしまうのです。

こんなJARLを変えていきたいと決意を新たにしています。

(2020-03-13 記)

「アマチュア無線規制緩和2020」パブコメ結果公表」への4件のフィードバック

  1. こんにちは
    移動局の空中線電力50Wの緩和はバブコメ化検討中でしょうか?実状に鑑みてナンセンス=機器の性能が上がり容易に出力が得られ、多業務通信および放送受信機、受像機に於いても目的外波排除性能の向上、デジタル化等が図られ支障が飛躍的に改善、電界強度による人畜影響についても同様に進化しております

  2. Reコメントありがとうございます。そうなのですかそんな厄介な上位法令があるのですか
    よく読んでみます

  3. ピンバック: アマチュア無線規制緩和2020が施行! | 7K1BIB/AC1AMの業務日誌

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