JARL選挙の公正は死んだのか(その2)

2020年JARL選挙に関し、少なくとも4件もの異議申立てがされたことを、5月18日のブログ記事でご報告し、JR7JAW槻木澤稔氏(東北社員当選者)に対する異議2件に対する裁定については、6月3日のブログ記事でご報告しました。

中国理事当選者・JE4WWK金子由次氏に対する2件の異議(JA4DLF綱島俊昭氏(現中国理事)申立分と、JH4NMT松田佳之氏(現中国社員)申立分)について、選挙管理会は2件とも、令和2年6月9日付けで「棄却」としました。いずれも、驚くべき内容でした。

JARL現執行部は、裁定文をJARL事務局に「こそっと」掲示するだけで、JARL Webに公表するつもりはないようですので、綱島氏、松田氏のご了解を得て公表します。

1件目(「他人の名誉き損」及び「虚偽の事実の公表」)

(理由)
1. 中国地方各支部長の推挙に関古る(ママ)虚偽の事実
異議申立では、被申立人の選挙公報に 「中国 5 県、岡山・山ロ・鳥取各県支部長のご推挙をいただき立候補を決断しました」との記載があるが岡山県支部長は支持しておらず、 「中国 5 県」との表記が 5 県支部すべてから推挙を受けているように見えることが虚偽にあたるとしているが、中国5県は中国地方の県を説明するうえで使用された表現として捉えられる。また、被申立人の釈明では、岡山県、山口県、鳥取県、島根県の4支部長での協議により立候補をすることになったとされ、岡山県支部長も申立人に対して被申立人の推挙を否定していない。したがって、虚偽と断定するまでに至らない。

2. 中国地方本部と各県支部の関係
組織運営上の異議申立は選挙管理会の裁定対象とはならない。

3. 中国地方本部の資金
催事の実施方法や地方本部の経費に関しては選挙管理会の裁定対象とはならない。

いずれも、申立人の問題提起に全く答えていません。

申立人は、選挙期間中に、現職の綱島氏による中国地方本部の運営について、対立候補である金子氏が根拠に基づかない虚偽の事実を流布したことを問題としていたのです。選挙管理会も、さすがに「金子氏の指摘は真実である」とは認定できなかったのでしょう。とはいえ、「組織運営上の異議申立は選挙管理会の裁定対象とはならない」とは、何と軽薄な「論点ずらし」でしょうか。選挙管理会に「組織運営上の異議申立」をするはずなどないじゃないですか!

これでは、「組織運営上の問題」や「地方本部の経費」については、いくら虚偽の事実を撒いても、選挙管理会は一切問題にしないと宣言したも同じです。次回の選挙で、ある候補者が「本部長は地方本部のカネを横領している」と選挙公報に書いたとしても、選挙管理会は、「地方本部の経費に関しては選挙管理会の裁定対象とはならない」と判断するのでしょうか。

2件目(個人情報の不適切な利用)

(理由)
 支部長の職名を使用して選挙運動を行うことについては、選挙規程第17条1項の規程(ママ)が削除されたことから、これを妨げるものではない。また、申立人が主張する2名の選挙人に送付された選挙はがきの送付方法については、被申立人は局名録の使用並びに支援者からの情報としており、申立人から指摘された広島県の会員は局名録に住所の記載があり、岡山県の会員については直近 2 回の局名録には記載はないが、過去の局名録には掲載があることなどから支部の会員情報を使用したとの認定には至らない。したがって、被申立人の選挙活動は連盟の規程に反するものではない。

・会員名簿に住所氏名を載せていない岡山県のある会員が、被申立人金子氏の選挙ハガキを受け取ったのが、事件の発端です。

被申立人金子氏は島根県支部長ですから、確かに、島根県在住の会員の個人情報はJARL事務局から渡されています(もっとも、選挙運動に流用してよいかどうかは別です)。ですが、岡山県在住の会員の個人情報は、事務局から渡されていません。では、どうやって入手したのでしょうか。当然生ずる疑問(疑惑)です。

裁定文は、「局名録の使用並びに支援者からの情報」との金子氏の弁明をたやすく信じ、「過去の局名録に記載がある」ことを指摘するだけで、「金子氏が過去の局名録を利用した」とすら認定しておらず、金子氏の個人情報入手経路を明確に認定していません。入手経路がわからないのに、どうして「問題なし」との結論を出せるのでしょうか。

申立書にも書かれていますが、金子氏の選挙ハガキを受け取った岡山県の会員は、金子氏に対し個人情報の入手先をemailで尋ねたところ、「ローカル局に紹介をしてもらった」との回答を受けたそうです。岡山県の会員は、金子氏に対し、その「ローカル局」のコールサインを知らせるよう再度emailで尋ねましたが、回答はなかったとのことです。(回答がなかったこと自体、理事・本部長候補としての適格性が疑われると思いますが、それはさておき、)なぜ金子氏は、そのとき、「過去の局名録を見ました。」と、返事をしなかったのでしょうか。異議を申し立てられてから考えた後付けの理屈なのでないでしょうか。

・岡山県の会員は、確かに過去の局名録には住所を載せていましたが、最新の局名録には住所氏名の掲載を拒否しています。ということは、その会員は、今はもう、住所氏名を誰にも利用されたくないという意思が明らかです。しかし、金子氏は、その意思を無視して選挙ハガキを送付したのです。裁定は、その是非について何も答えていません。いやしくもJARLの理事になろうという者は、会員の個人情報の取り扱いについては細心の注意を払うべきであり、選挙管理会がその点について少なくとも「勧告」としなかったことは、「勧告」とした東北地方本部の事例と比較しても、明らかに不均衡ではないでしょうか。

そもそも、JARLのプライバシーポリシーは、取得した個人情報を「JARLが行う各種会員サービス業務」に利用するとしていますが、いち選挙候補者による個人的な選挙ハガキの送付が「JARLによる会員サービス業務」に含まれるとは思えません。また、松田氏は、異議申立書で、「地方本部及び支部における個人情報の保護に関する管理内規」の関係条項違反等、きめ細やかな指摘をされていましたが、選挙管理会はこれにも答えていません。

長年、JARLの個人情報の取り扱いはずさんであると指摘されてきましたが、とうとう、選挙管理会がそのずさんさを是認するとは、もはや、取り返しの付かないレベルに入ってきているのではないかと思わざるを得ません。

今回の選挙管理会の4件の裁定は、いずれも論理的につじつまがあっておらず、公平さを欠き、結論を先に決めてから無理矢理論理を構築したような印象を受けます。本当に、中立な立場であるはずの、選挙管理会が書かれたものなのでしょうか。

(2020-06-14 記)

上記、2件目の異議申立人であるJH4NMT松田佳之さんが、詳細をブログ記事に書かれています。申立書原文も掲載されています。

(以上 2020-06-04 19:45 追記)

1件目の異議申立人であるJA4DLF綱島俊昭さんが、今回の裁定についてFacebook上でコメントを公表されましたので、ご本人の許可を得て転載致します。

(一般社団法人)日本アマチュア無線連盟(以下JARL)第5回通常選挙における異議申し立てについて結果が出ました。(R02.06.14)

 昨日、標記の選挙について異議を申し立てた私に対して、6月9日付の「異議の申し立てについて」という文書が届きました。
 これについては、私個人に関することでもあり、コメントは控えておりましたが、私の代理人を務めて頂いた弁護士の山内さん(7K1BIB)が、この文書の中身のなさと法律的な問題点について詳しく解説して下さいましたので、シェアさせて頂きました。
 この選挙管理会の裁定というものには従わなくてはならないという規程があり受け入れざるを得ませんが、およそ裁定とは名ばかりで本当に選挙管理会の皆さんが書いたものかどうか、私には到底信じられません。
 賢明な会員さん、中でも全国の社員さんには、是非、この山内弁護士のブログをご一読頂き、来る社員総会に於ける理事候補者の認否について参考にして頂きたいと思います。
 
https://7k1bib.wordpress.com/…/2020election-opposition-res…/

 なお、このブログにも数日前以来、御報告をしておりますが、現執行部は、これも我々会員の権利である「帳簿開示請求」に応じようとはしません。
 仕方なく、請求者である社員の皆さんが裁判所に帳簿開示命令の発出をお願いし、その命令が出たのですが、それにも応じようとはしていません。
 現在は、執行部の「保全異議」の申し立てに対し、有志の社員さん達が「間接強制」の申し立てを行うという法廷闘争に発展しています。
 しかも、この状況でもJARL執行部は法律違反状態にあるということです。
 このかたくなな態度を我々会員は、どう受け止めたらいいのでしょうか。

 今年の2月には、昨年、私が実施した「中国地方ハムの集い」の経費の使用状況について、一部の中国地方支部長が私を告発をしたと言うことで調査をするから、領収書のコピーまで送れと指示したのに、自分達は一切会計帳簿は見せないという見事なダブルスタンダードです。
 なお、「中国地方ハムの集い」の経費の使用状況については、後日、一切不正がなかったと監事が認めています。

 法律違反を犯してまで開示を拒むというのは、普通に考えれば見せたくないものがあるということでしょう。
 裁判所にまで訴えて執行部の姿勢を正したいという思いは、必ずしも今回立ち上がった社員さん達の本意ではありません。
 本当は穏やかに話し合いで解決したいと、ずっと、思っていました。
 そのため、長年、理事は理事会で、社員は社員総会で、是正を求めてきたのですが、現執行部の皆さんは、我々のいうことには全くと言っていいほど耳を貸しません。

 地方にお住まいの多くの会員さん、社員さんには、こうした現状はなかなか理解出来ないかも知れません。
 ですが、悲しいけれどもこれは事実です。
 どうか、こうした事実に目を背けず、冷静な目でJARLの現状を見て頂きたいのです。

(以上 2020-06-15 追記)

JARL選挙の公正は死んだのか(その2)」への5件のフィードバック

  1. ピンバック: 2020年JARL選挙に関する4件の異議申立て – 2020年JARL社員総会情報(「2020年JARL選挙情報」改め)

  2. 選挙管理会の職務怠慢・問題理解分析能力の欠如には呆れます.
    特に金子氏の虚偽情報流布に関しての「逃げ」ともいえる部分は酷い.
    選挙管理会そのものの裁定能力に疑問があり,不信任としたいものです.

  3. 私は、1件目の裁定書の「会長栗原正     敏」とか「山ロ」というところが、事務能力を表していて、素晴らしいと思いました。とくに、後者は「やまろ」と読むのでしょうか。もとは、手書きなんでしょうね:-)

  4. ピンバック: 会計帳簿と6456票 | 7K1BIB/AC1AMの業務日誌

  5. ピンバック: 4270万円の赤字予算の承認(JARL第54回理事会の問題点 その2) – JARL正常化プロジェクト

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