8J1-7CALL 運用終了

2021年4月22日、7コール発給開始30周年記念局「8J1-7CALL」が、1年間の運用を終えました。8J1-7CALLについてのオフィシャルなアナウンスは7コールアマチュア無線クラブのウェブサイトに譲るとして、ここでは、この記念局に対する7K1BIB個人の経験・思いを述べてみたいと思います。

物語のはじまり

2020年が7コール発給開始30週年にあたることは、2019年9月に発見されたことでした(この時点では私は絡んでいませんでした。)。

この約ひと月後、Twitter上で、後に7コールクラブの会長に就任される7M4VQJ氏からお呼びがかかることになります。

この「BIBさん興味ありませんか?」が魔のお誘い(笑)。VQJ氏からTwitterのDMをいただき、長い長い議論を重ねて記念局企画骨子を作りました。そして、この企画に賛同してくれたTwitter上の7コール仲間が集い、クラブを作って記念局を運用するに至ります。

8J1-7CALLは、それまでお空ですら会ったことない人たちが、ネット上で集まって作った記念局でした。

免許手続き

記念局は、「行事等の開催に伴い臨時かつ一時の目的のために運用するアマチュア局」であり、その行事は「国、地方公共団体又は公益的団体が主催、後援、協賛等をしているものであること」が必要です。VQJ局と議論の末、「7コール発給開始30周年記念事業」を国や地方公共団体や公益的団体にやってもらうのは無理、なので、自分たちが作ったクラブが 「7コール発給開始30周年記念事業」 を自前で行い、この事業を「公益的団体」に「後援」していただければ、記念局の要件を満たすのではないかと考え、「後援」をしていただける「公益的団体」を探すことになりました。ご縁あって、JARDが「後援」をしてくださることになり、8J1-7CALLが実現したのです。JARDには感謝してもしきれません。

無線機については、各メンバーが個人局に登録していない無線機を拠出し、会長の自宅を常置場所とする記念局の無線機として一括登録する方式にしました。各メンバーが個人局に登録していない無線機をいったん会長の自宅に預け、記念局への登録が済んだら各メンバーの自宅に戻してもらうイメージです。これなら「個人局の無線機を使って記念局のコールサインでオンエアしてはいけない」というルールを守りつつ、各メンバーが自宅を含む好きな場所から8J1-7CALLを運用できます。

なお、8J1-7CALLが同時に2カ所以上からオンエアしてしまうことを防ぐため、Googleカレンダーを用意し、各メンバーは必ずそこに予約を入れることにしました(そのカレンダーは7コールクラブのホームページにも公開し、対外的な運用告知を兼ねていました。)。

開局初日

新型コロナ禍による緊急事態宣言下にあった2020年4月22日23時ころ、クラブメンバー各局がZoom上で集まり、開局日である4月23日に日が変わるのを待ちます。23日00時00分、7M4VQJ会長により8J1-7CALLの産声が上がり、続いて、私にとって8J1-7CALLの初運用として、VQJ局に8J1-7CALLとの1st QSOを献上しました。その後、直接波とD-STARを駆使して、メンバーが順番に8J1-7CALLとの初QSOをこなしていきました。

夜が明けて午前10時より、メンバーの持ち回りによる対外運用を開始、私は15時から運用を担当。16時14分には28MHz/FT8で、香港局と「初の海外QSO」が実現しました。

7K1BIB発給30周年

7K1BIBは7コールの頭の方ですので、7コール発給開始30周年のこの年に、7K1BIB自身も発給30周年を迎えました。2020年4月27日、第1送信機であるC450に、久しぶりに火を入れました。

D-STARリフレクタ

4月23日の開局から大型連休までは何度か運用しましたが、その後、本業が忙しくなってしまい、7月末まではなかなか運用できませんでした。

2020年8月9日、8J1-7CALLをD-STARリフレクタ(DCS002Q)に登場させ、JAIGメンバーである在独日本人各局に記念局をサービス。記念局がD-STARリフレクタにアクセスするのは珍しいことだったかもしれません。

1エリア6mAMロールコール

2020年8月23日、記念局で1エリア6mAMロールコールにチェックイン!

アウトドアミーティング in 八王子 2020

コロナ禍が続いてメンバーによる合同運用もままならない中、2020年10月11日、奇跡的に開催されたJARL東京都支部・神奈川県支部合同「アウトドアミーティング in 八王子 2020」にクラブとして出展。8J1-7CALLの姉妹局である体験局「8J1YAB」で、おそらく日本初の「体験運用者同士のQSO」を実現させることができました。この件は、hamlife.jp、CQ誌2020年12月号に掲載されただけでなく、ARRLのニュースレター2020年10月22日号でも取り上げられました。

hamlife.jpのTweet。

バーチャル・ハムフェス2020

2020年11月1日、有志とともに実施した「バーチャル・ハムフェス2020」に、7コールクラブが出展してくれました。

武蔵野市移動

2020年11月23日、電波研クラブさんのご厚意により、
電波3法施行70周年記念局「8J3DENPA」と
7コール発給開始30周年記念局「8J17CALL」
の合同運用が実現。「3と70、7と30」というご縁です。

電波研クラブの方にご指導を頂きながら、「記念局でSSTV」に成功。

6mAM

2020年12月20日、自宅に2エレデルタループを臨時に立て、1エリア6mAMロールコールの「裏番組」として、8J1-7CALLで6mAMにオンエアするも、不調。FT-857DMはAMの変調が浅いことを学びました。

ニューイヤーパーティ

2021年1月3日、今年から6日間に期間が延長されたニューイヤーパーティに8J1-7CALLも参加。私も少しオペレートしました。

オンラインD-STARユーザーズミーティング

2021年2月20日に日本D-STARユーザー会が開催された「オンラインD-STARユーザーズミーティング」に合わせ、8J1-7CALLがD-STARにオンエア。世田谷430で待機していると日本全国から次々と呼ばれ、32局とQSO。

記念局が駅前QRV!

2021年4月1日、東京駅丸の内口にて、おそらく日本初?の「記念局が駅前QRV!」。平地からハンディ機ハンディホイップでパイルを浴びました。

#20日後にQRTする記念局

ゴールのテープが見えてきた2021年4月3日、7M4VQJ会長の発案により、「#20日後にQRTする記念局」キャンペーンが開始。

ハムらde無線フェア

翌日にハムらde無線フェアを控えた2021年4月17日、7K1VKU局と連絡を取りたくも、山に入っていて携帯電話が通じません。珍モード2mAMに出ている8J1-7CALLを見つけ、無事に連絡が取れました。やっててよかったアマチュア無線。

翌2021年4月18日、ハムらde無線フェアに参加。実行委員会のご厚意で会場近くの公園をお借りできたのは本当に感謝。「記念局でD-STAR画像通信」は失敗するも、「記念局で5.8GHzATV」に成功

最終日

2021年4月22日、8J1-7CALLは1年間という長距離ランのゴールを迎えます。

お空のコンディションはいまひとつでしたが、21MHzでフィリピンと交信できました。

そして、閉局の瞬間

1年前、開局の瞬間とおなじように、クラブメンバー各局がZoom上で集まり、4月22日の終わりを待ちます。7M4VQJ会長より、栄誉ある8J1-7CALL最終送信のご指名をいただき、Feld-Hellの準備をしました。

Feld-Hellって何?どうぞこちらをご覧ください。

8J1-7CALL側の送信に使用したソフトはHam Radio Deluxでした。

こうして、2021年7月22日23時59分59秒、7コール発給開始30周年記念局「8J1-7CALL」は、1年間の運用を終えたのでした

個人的運用実績

8J1-7CALLの全QSO数は24,000を超えました。そのうち、私の運用は493QSOでした。あとちょっとで500QSO。数は少ないかもしれませんが、この記念局がなければおそらく挑戦していなかったであろう珍しいモードや珍しい運用に挑戦することができました。

そして「へえ、7コールってもう30年なの?」「7コールってかっこいいですよね。」とたびたび言っていただけたこと。なんとなくニューカマー気分が抜けなかった7コール仲間で、体験局を通じてアマチュア無線の普及に一役買うことができたこと。

7コールアマチュア無線クラブの設立テーマは、「開局当時のワイワイ感をもう一度」、「30年待ったけど7コールでよかった!」です。7コールクラブメンバーの力が結集し、「8J1-7CALL」が「7コール発給開始30周年記念事業」の周知という記念局の使命を十分に果たせたことを、私は誇りに思います。その実現に私が少しでも貢献できたとすれば、これ以上の喜びはありません。

エピローグ

8J1-7CALLがこの世からなくなった3日後、ALL JAコンテストが開催されました。

8J1-7CALLを愛してくださった各局、本当にありがとうございました。

(2021-05-02 記)

4件のコメント

  1. 8j17call記念局運用お疲れさまでした。
    対してお手伝いにはなりませんでしたが、楽しませていただきました。改めて調べたら私も貴局以来30年になるので7K1 – 7N1のコールサインは1年足らずでなくなっていたようです。私のは10月21日発給で、今月再免許申請終了しました。

    • ABVさんも運用お疲れさまでした。あの頃はコールサインの進み方も早かったですよね!私は局免を2回も流してしまいましたが、3回目にして沼にハマりましたので、今後は切らすことはないと思っています(笑)。

  2. […] 2021年4月22日まで、そのちょうど1年前に開局した7コール発給開始30周年記念局「8J1-7CALL」の運用をやり切りました。コロナ禍で、「7コールアマチュア無線クラブ」メンバー個々人による運用が主でしたが、その合間を縫って、一昨年10月11日の「アウトドアミーティング in 八王子 2020」での体験局「8J1YAB/1」運用と、5.6GHzATV等を運用した昨年4月18日の「第2回ハムらde無線フェア」での公開移動運用という2回の屋外合同運用を実現できたのは奇跡でした(JARL東京都支部の皆様には感謝しかありません。)。「#20日後にQRTする記念局」キャンペーンを経て、2021年4月22日最終日のすみだ生涯学習センター(ユートリヤ)での合同運用、そしてその夜、珍モード「Feld-Hell」の送信をもって閉局したのも、7コール組らしい幕引きでした。無線歴がほぼ同世代の「7コールアマチュア無線クラブ」メンバーがネット上で集まって作った記念局を、私は一生忘れることはないでしょう。※「8J1-7CALL」1年間の個人的振り返り記事はこちら。 […]

  3. […] (3) 2020年4月23日から2021年4月22日まで、7コール発給開始30周年記念局「8J1-7CALL」の運用に参画しました。その間、体験局「8J1YAB」の立会人を経験しました。無線歴がほぼ同世代の「7コールアマチュア無線クラブ」メンバーがネット上で集まって作った記念局を、私は一生忘れることはないでしょう。※「8J1-7CALL」1年間の個人的振り返り記事はこちら。 […]

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