2mを航空移動業務にも割り当てるべしというフランスの提案は、2019年8月26日から30日までアンカラで開催されていたCEPTによるWRC-19のための準備会合の段階で、葬り去られたそうです。
「WRC-19の後、航空移動業務に割り当てる新しい周波数帯の検証を始めるべし」との提案は、CEPTからWRC-19に提出されるものの、対象周波数から144MHz-146MHzは除かれたということのようです。
IARUのWeb記事
CEPT CPG finalises its positions for WRC-19
ARRLのWeb記事
144 – 146 MHz Removed from French Proposal for Additional Aeronautical Applications
RSGBの速報ツイート
144 – 146MHz range was successfully withdrawn from French WRC-23 aeronautical proposal. This excellent result for amateur radio occurred in parallel to a number of other proposals being adopted to support aeronautical interests. See more at https://t.co/axCBDk5QRU shortly.#hamr
— RSGB (@theRSGB) August 30, 2019
Save 2 Meter サイトの速報記事
France defeated! Thales and their drones will stay off the 2m band!
https://www.save2m.org/2019/08/france-defeated-thales-and-their-drones-will-stay-off-the-2m-band/
(軍事産業タレスが仕掛けた)今回のフランスの提案を巡って、リージョン1の中では、英国連盟RSGBのボランティアがIARUが提出した反対意見書を作成したのだそうです。ドイツ連盟DARCもドイツ当局に働きかけて、ドイツ国レベルの名義で反対意見を提出しています。Save2Meterサイトによれば、少なくともオーストリア、ベルギー、スペインの連盟も、各国の当局に働きかけ、反対の言質を取っています。
リージョン2では、ARRLがIARUをサポートする立場をいち早く表明し、ウェブサイトを通じてタイムリーに情報を流し続けました。カナダ連盟RACも同調していました。
さて、我らがJARLは情報すら流しませんでしたが、「第3地域のリーダー的役割」を担うというのであれば、これらの連盟の活動を見習わないといけません。
今回の事件を通じて、我々アマチュア無線家は、バンド防衛は簡単ではないことを学ぶべきだと思いました。Save 2 Meterサイトの末尾に、心に残る言葉が書かれていました。意訳します。
「今回は勝ったがこれからも気は抜くべきではない」
「VHF/UHFバンドを使い続けよう、他のアマチュアの活動を非難するのはやめよう、気品のある姿勢で議論をしよう、新人に対してはよき先輩で居続けよう」
「144MHzには、EMEオペレータもCW/SSB/DigitalのDXサーもアマチュア衛星ユーザーもFM/Digitalシンプレクスユーザーもレピーターもいる。これらの活動はみな違うけど、みんなが144MHzの利用者である。」
「使わなければ失う(“use it or lose it”)。」この言葉は、これ以上ない真実である。
https://www.save2m.org/2019/08/france-defeated-thales-and-their-drones-will-stay-off-the-2m-band/
(2019-08-31 記)
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