「社会貢献活動・体験機会拡大」改正案パブコメへの意見(案)

意見案

今話題の下記パブコメ

電波法施行規則の一部を改正する省令案等に係る意見募集-アマチュア無線の社会貢献活動での活用、小中学生のアマチュア無線の体験機会の拡大

の締め切り(2020年11月17日)が近づいてきました。今回は、試みに、総務省に提出する前の案文段階で公開してみます。ご意見をいただけましたら幸いです。

いただいたご意見を踏まえ、再考しました。もし私の意見にご賛同いただける方がいらっしゃいましたら、以下の文章をご参考に(長いので、赤字部分のみ・・、ご意見を総務省にどんどん提出されてください。「mobile_atmark_soumu.go.jp(_atmark_を@に直す)」宛てに、住所・氏名・電話番号を添えてメールで提出するだけです。数は力、どうぞよろしくお願い申し上げます。【2020-11-14 本段落追記】

(意見案ここから)

一 アマチュア無線の社会貢献活動での活用について

下記1ないし3が総務省により遂行されることを条件として賛成する。【「遂行されなければ反対である」とするか検討中(2020-11-10 1400)】

今回提案されている改正のうち、アマチュア無線(家)による社会貢献活動を推進するという趣旨そのものは、アマチュア無線家として歓迎する。しかし、本来業務用無線により行われるべき通信を、アマチュア無線により安易に代替することを認めかねない部分については、「金銭上の利益のためでなく、もっぱら個人的な無線技術の興味によって行う」という、国際的にも歴史的にも確立したアマチュア無線の本質を損ない兼ねないものであり、反対である。

一般社団法人日本アマチュア無線連盟(JARL)及び一般財団法人日本アマチュア無線振興財団(JARD)が令和2年10月5日付けで行った要望も、「ボランティア通信」に限ったものであり、本来業務用無線により行われるべき通信をアマチュア無線により代替することを要請したものではない。

総務省におかれては、アマチュア無線の本質を損なうことのないよう、下記1~3を遂行されたい。【2020-11-14 13:15 以上の3段落追加】

1 総務省が、下記(1)ないし(3)を、関係者(国、地方公共団体その他の公共団体、JARL及びJARD、アマチュア局を開設または運用しようとする者を含むがこの限りではない。以下同じ。)に対し、通達等により周知徹底すること。

(1) 電波法施行規則第3条第1項第15条の「アマチュア業務」の定義は、ITU Radio Regulations の1.56条を受けたものである。条約は法令に優先するから、上記条約に反する電波法施行規則を総務省が制定することはできない(日本国憲法第98条第2項、第99条)。従って、今回の改正は、上記条約における「アマチュア無線」の定義から外れる業務を、我が国の「アマチュア業務」の定義に持ち込むものではないこと。

(2) 別添3の総務省告示案の柱書に、「金銭上の利益のためでなく、もっぱら個人的な無線技術の興味によって行う」と定められているから、同告示で告示される業務は、第1号、第2号ともに、「金銭上の利益のため」であってはならず、かつ「もっぱら個人的な無線技術の興味によって」行われるものでなければならないこと。

(3) アマチュア無線業務は、「もっぱら個人的な無線技術の興味」によって行われなければならないから、「個人的な無線技術の興味がない」場合は、この要件を満たさず、アマチュア無線を用いることはできないこと。

(4) 以上要するに、本来業務用無線により行われるべき通信を、アマチュア無線により安易に代替することは許されないこと。【2020-11-14 13:15 本段落追加】

2 以上の点を関係者に対し周知徹底するために、総務省が、JARL及びJARDに対し、以下を実施するよう指導すること。

(1) アマチュア無線により許される運用と許されない運用の区別を具体的に示し、後者については他の業務無線(消防無線、一般業務無線、簡易無線、特定小電力無線、IP無線など)を用いるべきことを説明したガイドラインを作成し、関係者に対し周知徹底すること。【2020-11-14 13:15 下線部追加】

(2) 当該ガイドラインの作成に当たっては、アマチュア無線家に対するパブリックコメント(アンケート)を実施し、アマチュア無線家の声を広く聞くこと。

(3) アマチュア無線を活用した社会貢献活動の受け皿になる組織をJARL内に設置すること。

3 総務省及び各総合通信局にあっては、アマチュアバンド内(特にV/UHF帯)に蔓延する不適切な運用(アマチュア無線の免許を持たない者による運用、コールサインを送出しない運用、アマチュア業務に該当しない通話等を含むがこれらに限られない。)を排除するため、より一層徹底した電波監視を行うこと。また、JARLに対しては、がいだんす局の頻繁な運用、パンフレット等による啓蒙活動等、不適切な運用を排除するための活動をより一層徹底して行うよう指導すること。

また、以下の点に関する総務省の考えを確認したいので、回答されたい。

4-1 別添1の3頁上段に、「災害ボランティアでの活用」例があげられている。また、別添1の3頁左下に、「ボランティア活動での活用」例として、「マラソン大会・体育大会」、「祭り・地域行事」、「地域の清掃活動」、「地域の観光案内」があげられている。地域のアマチュア無線家がこれらの活動に自ら従事し、またはこれらの活動を支援する場合は、報酬を受けない限り「金銭上の利益のためでなく」の要件を満たすし、かつ「もっぱら個人的な無線技術の興味によって」の要件も満たすので、アマチュア無線を活用することができると考えるが、正しいか。

4-2  前項の活動に、国や公共団体の公務員が従事する場合は、給与(時間外手当等)の支払いを受けるから、「金銭上の利益のためでなく」の要件を満たさず、アマチュア無線を活用することはできないと考えるが、正しいか。

5-1  アマチュア業務は、別添3の総務省告示案が仮に施行されたとしても、「金銭上の利益のため」に行われるものであってはならない点が変更されるわけではない。同告示案第2号の「金銭上の利益を目的とする活動以外の活動のために行う」との要件は、「金銭上の利益のためでなく」の要件を具体化したものと理解するが、正しいか。

5-2 別添1の3頁上段の「災害ボランティア」及び左下の「ボランティア活動」は、別添3の総務省告示案の第1号に該当すると理解される。ところで、「特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)」にいう「非営利」とは、団体(NPO法人)の財産や活動によって得た利益を団体の構成員に配分してはならないという意味であって、同法「第二条第一項に定める特定非営利活動に該当する活動」について、NPO法人が対価を得てはならないことを意味するものではない。したがって、同法「第二条第一項に定める特定非営利活動に該当する活動」の中には、「金銭上の利益を目的とする活動」と「それ以外の活動」が含まれることになる。同様に、「その他の社会貢献活動」にも、「金銭上の利益を目的とする活動」と「それ以外の活動」が含まれる。しかし、アマチュア業務は、「金銭上の利益のため」に行われるものであってはならないから、その点を具体化するために、同告示案の第2号と同様に、「金銭上の利益を目的とする活動以外の活動のために行う」との要件を第1号にも明示的に追加し、第1号は、以下の文言に改めるべきと考えるが、いかがか。

「1 特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)第二条第一項に定める特定非営利活動に該当する活動その他の社会貢献活動であって、金銭上の利益を目的とする活動以外の活動のために行う業務」

6-1 別添3の総務省告示案第2号の「国又は地方公共団体その他の公共団体が実施する事業に係る活動(これらに協力するものを含む。)であって、地域における活動又は当該活動を支援するために行うもの」との文言は理解が困難である。

①「国又は地方公共団体その他の公共団体が実施する事業に係る活動であって地域におけるもの」

を中心として、

② ①に協力する活動
③ ①を支援する活動
④ ①に協力する活動を支援する活動

が含まれると理解してよいか。

6-2 「協力」と「支援」はいかなる関係に立つのか。

6-3 上記文言は、シンプルに、以下のとおりとした方が、国民に理解されやすいと考えるが、いかがか。

「国又は地方公共団体その他の公共団体が実施する事業に係る活動であって地域におけるもの、又は当該活動に協力し若しくはこれを支援するために行うもの」

7  別添3の総務省告示案第2号に関し、国や公共団体の公務員がこれらの活動に従事する場合は、給与(時間外手当等)の支払いを受けるから、「金銭上の利益のためでなく」の要件を満たさず、アマチュア無線を活用することはできないと考えるが、正しいか。

8-1  別添1の3頁左上に「消防団活動の連絡補助」が、別添1の3頁左下に「消防団活動」と「有害鳥獣対策」がそれぞれ例示されている。消防団員は準公務員非常勤特別職の地方公務員であり、実費の補填程度の金銭しか支払われないケースから、実費の補填を超える報酬が支払われるケースまでさまざまである。有害鳥獣対策に従事する猟友会の会員に対する報酬の支払いについても同様である。実費の補填を超える報酬実費の補填程度の金銭しか支払われないケースであると実費の補填を超える報酬が支払われるケースとを問わず(つまり、金額の多少に関わらず)、これらの者に対し金銭が支払われる場合は、「金銭上の利益のためでなく」の要件を満たさないので、アマチュア無線を活用することはできないと考えるが、正しいか。【本項、再検討中(2020-11-10 1400)】【再検討の末、見え消し部分を修正 2020-11-14 13:15】

8-2 前項の例で、消防団員や猟友会会員に対し実費の補填程度の金銭のみが支払われる一切金銭が支払われない場合であって、かつ、地域のアマチュア無線家が消防団活動や有害鳥獣対策に従事するときは、「もっぱら個人的な無線技術の興味によって」の要件を満たすのでアマチュア無線を活用することができると考えるが、正しいか。【本項、再検討中(2020-11-10 1400)】【再検討の末、見え消し部分を修正 2020-11-14 13:15】

8-3 前項の例で、元々アマチュア無線の免許を保有しない消防団員や猟友会会員が、単に消防団活動や有害鳥獣対策に用いることのみを目的としてアマチュア局を開設し運用することは、「もっぱら個人的な無線技術の興味によって」の要件を満たさないので、許されないと考えるが、正しいか。

9 ダンプやトラック、排雪車両等のいわゆる業務用車両にアマチュア無線機が設置され、工事現場の資材搬入・搬出や除雪作業のための業務連絡(配車連絡等)に用いられている例が後を絶たない。アマチュア無線免許を持たずに運用されている例が違法であることは明らかであるが、従事者免許と無線局免許を有している例もある。しかし、これらの作業は「特定非営利活動に該当する活動その他の社会貢献活動」ではないから、別添3の告示案第1号には該当しないし、「地域における活動」ではなく、かつ「金銭上の利益を目的とする活動以外の活動」にも該当しないから、同告示案第2号にも該当しない。そもそも、これらの車両の運転手は工事業者から給与の支払いを受けている以上、「金銭上の利益のためでなく」の要件を満たさない。したがって、上記の例は、今回の法改正後も、アマチュア業務に該当することはないと考えるが、正しいか。

二 小中学生のアマチュア無線の体験機会の拡大

賛成する。なお、以下をご検討いただきたい。

1 別添4の告示案第二項第2号は、「立ち会う無線従事者が開設するもの(社団を除く。(略))」というように、アマチュア局そのものが「社団」であるかのような書きぶりになっているが、正しくは、アマチュア局の「開設主体」が「社団」である(電波法関係審査基準でも、「個人が開設するアマチュア局」及び「社団が開設するアマチュア局」との文言が用いられている。)。また、「立ち会う無線従事者」は「個人」以外にありえないから、「立ち会う無線従事者が開設するもの」は、必然的に「個人が開設するアマチュア局」(いわゆる「個人局」)である。以上を踏まえ、シンプルに、以下の文言に改められることをご検討いただきたい。

「2 当該アマチュア局は、立ち会う無線従事者が開設するもの、または、同一の学校(4(三) に規定するものをいう。)に属する学齢児童生徒及び4(三) に掲げる者を構成員とする社団が開設するものであること。」

2 告示案第二項において、2号と4号各号は紐付けがされていない。したがって、(a)学校の教職員が、当該教職員が開設する個人局の無線設備を、学校の児童生徒に操作させること、(b)学校に開設された社団局の無線設備を学校の児童生徒に操作させる際に、教職員ではなく、当該児童生徒の保護者や三親等内の親族が立ち会うことは、他の要件を充足する限り、いずれも許されると考えるが、正しいか。

(意見案ここまで)

(2020-11-10 1:18 記)

こんなに論点があるのに、JARL・髙尾執行部からは何の説明もありません。ただ、11月5日のJARLメルマガ355号で、

◎おひとりでも多くの皆さまのご賛同をいただきますようお願いします。
◎意見募集は今月17日までおこなわれますので、お知り合いのアマチュア局の皆さまにもQSPをお願いします。

というだけです。脳天気なコメントには、心底がっかりです。

(2020-11-10 14:30追記)

「社会貢献活動・体験機会拡大」改正案パブコメへの意見(案)」への5件のフィードバック

  1. パブコメへの積極的なご応答と公開にいつも感謝しています。このご意見に心から賛同します。

    先日のヴァーチュアル・ハムフェスでのJARDによる発表で思いましたのは、アマチュアが先頭に立って実行できる社会貢献活動は何だろうということでした。所属している三文字クラブが世田谷区役所と協定していることもあって、同所のアマチュア無線クラブと合同非常時訓練をしていますが、それが理由で新規会員になってくれた方は数えるほどです。強制ではなく自ら興味を持ってもらいたいと、小学校で10年以上「プログラミング電子工作教室」を開いているもののまだ一人もハムは生まれていませんし、中学校のコンピュータ部支援員をしながらハムの面白さを語るのですが、受験する子はまだいません。わたしの能力のなさが最大の理由ですが、ハムの魅力のなさが実践を通してわかってきた気がします。ハムが増えない理由のいくつかでも減らせれば、今回の改正は意味があります。

  2. 山内さま、いつも拝見しております。わかりやすい解説をいただきありがとうございます。

    私は地元の非常通信協力会会員で、今年三月まで消防団員を務めておりました。
    その立場から、先日原案賛成、ただし今後の施策展開で以下ご配慮いただきたい、との意見を提出しました。

    1.消防団が利用できる防災・減災のために専用で使える電波資源を十分に配分していただきたい
    消防団員はその活動中の身分は特別職地方公務員であり、災害発生時の通信内容は人命やプライバシーにかかわる事項が含まれる、まさに業務通信そのものである。
    現状では、消防署と同じ署活系無線機やデジタル簡易無線機が配備されているが、前者は公設消防との共同利用であり後者は町内会・自治会などでも防災のため配備するケースが増えており、実発災時に両者とも相当の輻輳と混乱が予想される。
    今回の改正案ではアマチュア業務に消防団活動における通信を包含するという内容になっているが、本来は2.項で述べる消防・警察における業務無線と同様、消防団活動専用の電波資源を充当する、もしくは消防・警察業務に充てる電波資源を増強する中でその一部を充てるべきではないかと考える。

    2.消防・警察の関係者が防災・減災のために専用で使える電波資源を十分に配分していただきたい。
    全国の消防機関が利用できる電波資源は、広域で利用する消防波・救急波(デジタル)が各数波、一消防署管轄内で利用する署活波(アナログ)が一波、しかもこれらが消防署の数だけ存在するわけではなく、同じ周波数をロケーションが離れた複数の消防署が共同利用している状態である。
    大地震などによる同時多発の災害が発生した場合の輻輳や混乱は必至である。
    このような人命にかかわる防災・減災活動に対して十分な電波資源を配分していただきたい。

    3.アマチュア無線周波数帯における業務外通信の取り締まりを強化していただきたい。
    週日日中のアマチュア無線周波数帯、特に145MHz帯・435MHz帯においては、ダンプトラック等の運送業者による配車連絡など現行のアマチュア無線業務の定義、改正後の「新」アマチュア業務の定義の双方に照らし合わせても完全に業務外通信と判断される内容の通信が横行している。
    しかも、その多くは高速道路を含む道路工事などの公共事業に携わるものである。
    総合通信局と警察機関による合同取り締まりを強化していただくとともに、併せて公共事業の事業主体である国や地方公共団体、旧道路公団各社等に対して、このような違法行為を行う業者を公共事業から排除するよう求めていただきたい。

  3. 「社会貢献活動」の名のもとにアマチュア無線のバンドを「業務無線」に明け渡すことになります。アマチュア無線のバンドはアマチュア業務に!
    「社会貢献活動」は他の機器で行った方が利便性が高い。いまなぜ唐突にこの要件が出てきたのか理解できない。

  4. ピンバック: 「社会貢献活動・体験機会拡大」改正案パブコメへの意見提出 | 7K1BIB/AC1AMの業務日誌

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