「周波数再編アクションプラン(令和2年度改定版)」パブコメ結果の公表

標記パブコメの結果が2020年5月16日に公表されました。

https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban09_02000351.html

私の意見は、別紙2の末尾、「60-1」から「60-5」に記載されています。

5.6GHz帯

5650-5850MHzのアマチュア業務への二次業務としての割当てについて、現時点での特段の変更は予定しておりません。」との言質を再度獲得しました。

もっとも、ダイナミック周波数共用の対象から完全に外れたわけではないようです。5.6GHz帯は、ATVやドローン等で最近注目されている周波数であり、バンド防衛の観点から、継続して監視する必要があります。JARLも頑張っていただきたい。

ワイヤレス電力伝送システム

アマチュアバンドでは、2.4GHz帯と5.6GHz帯が影響を受ける可能性があります。「構内における空間伝送型ワイヤレス電力伝送システム」に関する報告書案が不十分であると感じたので、以下のとおり、同じ疑問をぶつけていました。

アマチュア無線周波数帯との共用検討結果をみると、2400MHz 帯についても(報告書案 181 頁)5600MHz 帯についても(同 202 頁)、空間伝送型ワイヤレス電力伝送システムのビームの方向とアマチュア無線の空中線の指向方向が一致する場合の検討結果しか示されていない。しかし、アマチュア無線の空中線は固定ではなく 360°各方向に回転させて使用することが通例であるから、相互のビーム方向が一致する場合だけでなく、アマチュア側の空中線の指向方向をどの程度外せば共用が可能かについての検討も必要なはずである。 もし、そのような検討が行われているのであれば、その結果を報告書に盛り込むか、別の形で示していただきたい。もし検討が行われていないのであれば、共用検討が不十分であり政策を先に進めることはできないと考えられる。 なお、これらのアマチュア無線周波数帯で現実に用いられている空中線は指向性アンテナ(パラボラまたは八木)が一般的であるから、上記検討を、無指向性で利得も低いホイップアンテナを用いた検討で代替することはできないと考える。

総務省からの答えは以下のとおりです。

ワイヤレス電力伝送システムのビームは横方向だけでなく、縦方向にも短い時間で切り替わります。アマチュア無線の空中線の高さの差やチルト角等にも大きく依存するため、日本アマチュア無線連盟の方とも意見交換を行いつつ、最悪の場合について検討を行い、その結果を記載しております。また、報告では実際の指向性減衰量を用いた離隔距離の算出も可能としており、これにより共用の検討が可能です。さらに、検討においては指向性アンテナ(八木アンテナ)を用いた検討も行っています。

他の無線通信システムとの共用の検討に当たっては、使用環境や設置方法等も含めて検討を行い、技術的条件を取りまとめているところ、空間伝送型ワイヤレス電力伝送システムの利用を想定している工場、倉庫などからの影響としては限定的であると想定されます。また、干渉等の影響の回避・軽減を考慮し、既存の無線システムとの運用調整のための仕組みづくりが今後検討されていくことになると思います。

「日本アマチュア無線連盟の方」と相談したから、という形で、私の疑問には正面から答えていただけませんでした。

総務省との検討に参加していたのは、「日野岳 充 一般社団法人日本アマチュア無線連盟 専務理事」と「髙井 正興 (一社)日本アマチュア無線連盟 電磁環境委員会 委員長」です。なぜ、会員に対し報告がないのでしょうか。どのような検討を経て、総務省の報告書は「最悪の場合」を想定した検討であり、報告書の条件で心配ないことをきちんと説明すべきではないでしょうか。おふたりは、「影響ないから大丈夫」と保証できるのでしょうか。

なお、例えば22番の国立天文台は、各種電波利用の拡大が電波天文業務に与える悪影響を強く懸念する意見を多く出しています。このような方とアマチュア無線界が連携することも考えられます。バンド防衛の手段は、まだまだ尽くされていないと思います。

ローバンド拡大について

昨年の「周波数再編アクションプラン」にはあった、「②アマチュア局が動作することを許される周波数帯(バンドプラン)のうちMF帯について、既存の業務用無線の動向等を踏まえ、バンドプラン等の見直しの可能性について、令和元年度に検討を開始する。」との文言がなくなってしまっていました。私は、5MHz帯も含め、引き続きの検討を要請しました。4番、34番、55番、56番の方も同様の意見を述べられていますが、昨年に比べ、とても少なくなってしまいました。

この点に関する総務省の回答は以下のとおりです。

アマチュア無線の MF 帯の利用拡大については、令和2年4月に現状割当可能な周波数を追加で割り当てる制度整備を行ったことから、記載を削除したところです。 今後の周波数割当については、アマチュア局の開設・運用状況をはじめ、既存無線局の利用状況を考慮しながら、引き続き検討してまいります。

絶対に追加開放はしないとの答えではなかったことが救いですが、「アマチュア局の開設・運用状況を考慮する」との言葉の重みを、我々はかみしめる必要があります。要するに、「拡大したとして、アマチュア界はちゃんと使うのか?」と逆に問われているのです。当然の問いかけです。それならば、JARLあたりが率先して、

  • 1.8MHz帯/3.5MHz帯拡張部分の解放記念QSOパーティやアワードを実施する
  • JA1RLほかのJARL局を拡張部分で記念運用する
  • 拡張部分にFT8の国内QSO推奨周波数を設定することを含め、紳士的なバンドプランを取りまとめる
  • 開放直後の運用状況を総務省に報告して、「拡張して下さってありがとうございます。」の一言を申し上げる

等、総務省が、「バンド拡大してあげてよかった」と思ってもらえるような「答礼」をすべきだと思うのです。

ネット上では、拡張部分パンドプランの私案がいくつか公表されています。JARLはこれらの動きに感度よく反応する必要があるはずですが、とくに動きは見られません。

それどころか、今回のパブコメに、JARLは意見すら出していないのです。今回のパブコメは、ちょうど選挙期間中に行われていました。JARLの現執行部は、自分の保身のために躍起になって、JARLの役割の一丁目一番地、本来もっともしなければならないことを忘れているのではないでしょうか。

V-High帯域[207.5~222MHz]について

アナログ地上波の跡地の活用です。「i-dio」が破綻したように、有効利用に苦戦しているようにみえます。私は、

デジタル簡易無線またはアマチュア無線の帯域として割り当てることをご検討いただきたい

との意見を出しました。JARLだって、フリラのことも考えた意見を出してもよいと思います。総務省の答えは、

頂いたご意見については、今後の施策の検討の際に参考とさせていただきます。 なお、V-High帯域については、令和2年度末までを目処に実証試験等を推進し、その結果を踏まえた上で、周波数の利用ニーズ等も勘案しつつ、周波数の割当方針等を策定することとしています。

「参考」として頭の片隅に置いていただければ、ひょっとすると瓢箪から駒が出るかも知れません。期待してお待ちしたいと思います。

(2020-05-16 記)

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