各国アマチュア無線連盟の新型コロナ対応をみる

遺憾ながら、新型コロナウイルス(COVID-19)が世界各地で猛威を振るっています。この困難に対し、各国のアマチュア無線連盟がどう対応しているかをまとめてみました。

IARU

3月19日に、ITU、各リージョンでの対応をまとめた記事を公表。第3地域で初めて予定されていたタイでのYOTAイベントのキャンセルにも触れている。他方で、4月18日の世界アマチュア無線の日に触れ、「アマチュア無線はソーシャルディスタンスの実行に最適!」と盛り上げることも忘れていない。(https://www.iaru.org/2020/how-is-iaru-adjusting-to-covid-19/

4月8日には、IARU会長Tim Ellam氏の世界アマチュア無線の日に関する声明を掲載。概要以下のとおり。

この困難の中でも、アマチュア無線は人々をつなぎ、サポートが必要な人を助けることについて鍵となる役割を担うであろう。海外から帰国し14日間の自宅待機の期間中、無線家の誰かが家から出られない自分を助けてくれた。アマチュア無線家の援助はお空に限られないことに感銘を受けている。アマチュアは真のボランティアであり、皆さん、できる範囲でコミュニティを支える活動を担っていただきたくお願いする。

https://www.iaru.org/2020/statement-by-iaru-president-about-world-amateur-radio-day/

IARUリージョン1(欧州・アフリカ)(2020-04-15 朝 追記)

管内各国のCOVID-19対応の取り組みを紹介。RSGBの「HOPE QSO Party」、REF(フランス)、URE(スペイン)、SARL(南アフリカ)が機関誌のオンライン無料閲覧を始めたこと、クエート他の「STAYHOME」局。(https://www.iaru-r1.org/2020/covid19-special-initiatives/

ARA(アルジェリア)とARAT(チュニジア)が、会員及び一般向けのオンラインセッションを開始。(https://www.iaru-r1.org/2020/on-line-knowledge-sharing/

IARUリージョン2(南北アメリカ)(2020-04-15 朝 追記)

3月22日付けリージョン2会長・XE1KK Ramón Santoyo氏のメッセージ。アメリカ州のアマチュア無線家はCOVID-19の深刻な蔓延に関する人々の心配を共有する、とした上で、アマチュア無線は、物理的には離れていても社会的なコンタクトを確保できるユニークな方法を与えてくれると指摘、他方で、クラブミーティングやマルチオペコンテストはソーシャルディスタンスを確保するには難しいので、リージョン2の執行委員会は、全てのIARU加盟団体及びアマチュア無線家に対し、人々が集まって行う活動については変更または中止を呼びかける、としている。(https://www.iaru-r2.org/en/iaru-r2-covid-19-response/

4月7日付けIARU R2 EMCORのメッセージ。管内のVoIPネットワークの状況(Winlink及びDMR)、HFネットの状況等を紹介した上で、COVID-19パンデミックは我々の家庭・コミュニティー・国家に様々な影響を与えているが、同時に、アマチュア無線家がコミュニティー・近隣諸国・政府・NGOに対し様々な手段を通じて提供できる「連帯と支援(solidarity and support)」を再び燃え上がらせている、と結論。(https://www.iaru-r2.org/en/covid-19-and-radio-amateurs-in-iaru-r2/

IARUリージョン3(アジア・オセアニア)(2020-04-15 朝 追記)

リージョン3初のYOTAキャンプ(10月にタイで予定)が中止。(https://www.iaru-r3.org/2020/cancellation-of-1st-iaru-region-3-yota-camp/

2020年4月号のニュースレター。R3会長のメッセージを掲載。YOTAキャンプの中止は残念であるとした上で、コンテスト、フィールドデー、ARDF、ハムフェアといったマルチオペ活動への参加を検討するに際しては、世界的なCOVID-19パンデミックを考慮に入れなければならない、リージョン3は、全てのIARU加盟団体及びアマチュア無線家に対し、人々が集まって行う活動については変更または中止を呼びかける、としている。(https://www.iaru-r3.org/2020/r3-newsletter-q1-2020/

RSGB(英国)

コロナウイルスに関する特設ページ(https://rsgb.org/main/news/coronavirus-updates/)を開設している。

4月25日に予定されていた年次総会は、物理的な集合はキャンセルしオンラインに移行(https://rsgb.org/main/blog/news/rsgb-notices/2020/03/19/changes-to-the-agm-arrangements/)。なお、役員選挙はもともとオンライン投票。

本部は閉鎖する。16人のスタッフはリモートで働くが、とても前向きな連帯感(very positive team spirit)をもって新しい環境に対応している、電話とオンライン対応は通常通り、とのアナウンス。(https://rsgb.org/main/blog/news/rsgb-notices/2020/03/20/message-from-rsgb-general-manager-steve-thomas-m1acb/

3月27日には、会長と理事会議長の声明を公表。この困難な時期に、アマチュア無線家は他の無線家と話ができる幸運な地位にあるとした上で、会長と議長の皆さんへのお願いとして、ローカルの仲間と、お空でなくても、ビデオコールやシンプルな電話でもよいので、話をして欲しい、特に、以前からの知り合い、一人でいる人、あるいは様々な理由で弱い立場にいる人に意を尽くして欲しい、と呼びかけ。(https://rsgb.org/main/blog/news/rsgb-notices/2020/03/27/rsgb-president-and-board-chairs-message-to-radio-amateurs/

4月6日からは、6週間の「希望QSOパーティ(Hope QSO Party)」を開催。これは、会員アンケートで、QSOパーティ形式の平日コンテストを期待する声が高かったことに応じたもの。(https://rsgb.org/main/blog/news/rsgb-notices/2020/04/01/rsgb-contest-committees-launch-hope-qso-party/

ARI(イタリア)

4月1日からQSOイベント「私は家にいます(IO RESTO A CASA)」を実施。(https://www.webhamradio.com/2020/03/io-resto-casa.html

ARRLのサイトを引いて、各国のイタリアのアマチュア無線家に対する連帯について感謝を述べると同時に、「代わりに」として、COVID-19を退けようと闘っている医師、医療関係者、ボランティア、法執行官(公務員)への謝辞を述べている。(http://www.ari.it/en/component/content/article/57-inbacheca/6217-noisiamoari-anche-contro-covid-19.html

会員向けオンラインマガジンを、非会員にも特別に開放。(http://www.ari.it/en/component/content/article/57-inbacheca/6230-radiorivista-online-per-tutti.html

IARUリージョン1では、「フィールドデーコンテスト」と「マルチオペコンテスト」は中止が推奨されていることを報じている。(http://www.ari.it/en/component/content/article/57-inbacheca/6239-covid-19-la-iaru-invita-ad-annullare-field-day-e-multi-operators-contest.html

VERON(オランダ)

会長の声明を掲載。アマチュア無線は家からできる。皆さんは、よい時間の使い方を知っている、と。(https://www.veron.nl/nieuws/reactie-op-coronavirus-pa0agf/

URE(スペイン)

UREの当局への要請の結果、国家非常事態宣言下の自宅待機中に、免許を持たない人が有資格者の監督下でアマチュア無線を運用できる暫定許可が認められる(https://translate.google.com/translate?sl=auto&tl=en&u=https%3A%2F%2Fwww.ure.es%2Fautorizacion-especial-mientras-dure-la-vigencia-del-estado-de-alarma%2F)。日本でも報じられました。(https://www.hamlife.jp/2020/04/03/ea-individuals-special-permission/

ARRL(米国)

コロナウイルスに関する特設ページ(http://www.arrl.org/arrl-news-coronavirus-covid-19)を開設している。

3月19日に公表されたボランティアメンバーへのメッセージは、ボランティアに対する「感謝(thank you)」を表すると同時に、「ハムがオンエアすることに理由は要らない(We certainly don’t need a reason to get on the air, after all, that’s what hams do.)」と述べて、オンエアを呼びかけている。アマチュア無線クラブに対しては、「今の困難を、メンバーに対してオンエアすることを推奨する機会と考えて欲しい」「いろいろなバンドやモードを試して欲しい」「新しいアマチュア無線家が実運用体験を得る助けにもなる」と呼びかけている。(http://www.arrl.org/read-a-message-for-member-volunteers

VECによるアマチュア無線試験については、「ビデオで監視されたオンライン試験(Video-Supervised Online Exam Sessions)」を試験的に実施ししている模様。試行錯誤中なので、「皆さん辛抱して」と呼びかけ。(http://www.arrl.org/news/arrl-vec-issues-statement-on-video-supervised-online-exam-sessions

サフィックスを「STAYHOME」とする特別局については、米国FCCルールでは3文字を超えるサフィックスは認められていないが、各自がコールサインの前後に「/」で区切って特定の文字を付けることは許されていることを指摘、さらに、ARRLとしてはコンテストを実施する計画はないが、「自宅にいようイベント(stay-at-home activity)」は歓迎と表明。(http://www.arrl.org/news/use-of-special-call-sign-suffixes-in-the-us-during-covid-19-pandemic)(2020-04-15 朝 追記)

RAC(カナダ)

会長からのメッセージを掲載(https://www.rac.ca/amateur-radio-during-the-current-global-pandemic/

特別局「VC2STAYHOM」他、各国の「STAYHOME」局を紹介(https://www.rac.ca/special-event-vc2stayhom-now-active/

WIA(オーストラリア)

総会は延期(https://www.wia.org.au/newsevents/news/2020/20200319-1/index.php

本部は閉鎖。Excecutive OfficerのBruce氏は質問対応のためオフィスに詰める、QSLビューローは一時閉鎖(https://www.wia.org.au/newsevents/news/2020/20200324-1/index.php

「STAYHOME」または「STAYHOM」サフィックスの特別局

各国からオンエア

JARL東京支部

JG1DKJ澤田倉吉支部長のメッセージを掲載。(https://jarl-tokyo.org/wp2/top-page/

HAMは昔より相手の状況を思いやり、信号の強さや設備・場所、正しい情報を伝え、電波でしか会えない、HAMの仲間と偶然につながる楽しみなどがあり、様々なリアルドラマがあると思います。

社会が新型コロナウィルス影響で不安なときこそ、HAM仲間を思い、会話を増やし、知り合いをたくさん作るのはいかがでしょうか。

ぜひ、集会等で会うのではなく電波で会い、楽しい会話・交信をしていただき、我々しかできない素晴らしい電波による人間的コミュニケーション交流を進め、外出自粛であっても、いつでもつながっていられるハムライフを楽しみましょう。

さて、JARL本部は?

トップページ(https://www.jarl.org/)上部に、「事務局においては特別体制により業務を致しております。」等々の記載はあるが、事務局メンバーの健康・安全確保のためどのような体制を組んでいるのかは不明。

中止イベントの一覧ページを開設したのはよかった(https://www.jarl.org/Japanese/2_Joho/News2020/event_info.htm)が、4月13日までひと月以上アップデートされず。しかも、中止されたイベントリストに大幅な漏れがあり、hamlife.jpに補完される始末(https://www.hamlife.jp/2020/04/12/jarl-event-cancel-202004/)。

関東総通の「緊急事態宣言期間中の各種申請等をお控えいただくとともに、免許可事務においては、通常よりもお時間をいただく場合があることをご理解願います。」「各種申請等の処理状況に関するお問い合わせは、極力お控えくださるようお願いします。」とのお願い(https://www.soumu.go.jp/soutsu/kanto/info/2020/covid-19.html)、電波利用料支払猶予の措置(https://www.soumu.go.jp/menu_kyotsuu/important/kinkyu02_000405.html)のアナウンスもなし。(2020-04-15 朝 追記)

髙尾会長の挨拶文(https://www.jarl.org/Japanese/4_jarl/4-1_Soshiki/jg1ktc_Kaichou_aisatu.html)に、新型コロナウイルスの感染拡大によるイベント中止に関する言及はあるが、各国連盟の長や澤田支部長のような、コロナ禍におけるアマチュア無線の特性を踏まえた、アマチュア無線家の心、コミュニティに訴えかける呼びかけはなし。

IARU各リージョンが呼びかけている「マルチオペコンテストの中止」については検討しているのだろうか。IARU R3のウェブサイトの編集者は「Shizuo Endo, JE1MUI」氏(JARLの国際問題検討委員会委員長・遠藤静夫氏)なのだから(https://www.iaru-r3.org/author/je1mui/)、この呼びかけがJARL執行部に伝わっていないわけがないと思われるのだが・・(2020-04-15 朝 追記)

コンテスト委員会は、マルチオペ運用の際の注意を発表したが、注意では不十分で、やはり思い切って中止すべきではなかろうか。(2020-04-16 追記)

また、特にマルチオペ運用の際には、次のことに注意してください。

 〇オペレータの席は2m以上の間隔をあけて設営してください。
 〇共有するマイクやキーボードは、運用者が交替する都度に
  消毒など除菌処理を行ってください。
 〇食事・休憩の際にも時間をずらし、多くのオペレータが集まること
  を避けてください。
 〇運用を開始する際ならびに運用者の交替時には、各自丁寧な手洗い
  をしてください。

 「密閉・密集・密接」の3つの密を避けて、新型コロナウイルスの
 感染拡大とならないよう注意してください。

チコちゃんに怒られそう。

(2020-04-14 深夜 記)

(2020-04-15 朝 IARU各リージョンに関する情報と、JARLに関するコメントなどを追記)

(2020-04-16 DX-Worldの「STAYHOME」局リストを追記)

(2020-04-16 コンテスト委員会の「注意」に関するコメントを追記)

各国アマチュア無線連盟の新型コロナ対応をみる」への2件のフィードバック

  1. ピンバック: 7K1BIBの選挙活動まとめ | 7K1BIB/AC1AMの業務日誌

  2. ピンバック: 謹賀新年(2021年) | 7K1BIB/AC1AMの業務日誌

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