一括記載コードの改正私案

「アマチュア無線規制緩和2020」に関連して、総務省から、「一括記載コードへの意見については、関係の規程について今後検討して参ります。」との回答がありました(https://www.soumu.go.jp/main_content/000675199.pdf の、例えば122番の私の意見に対する回答))。

一括記載コードとは、アマチュア局の無線局免許状に記載される、電波型式(でんぱかたしき)をまとめて表示する記号のことで、「無線局免許手続規則第十条の二第十項の規定に基づくアマチュア局において使用する電波の型式を表示する記号」という長ーい名前の総務省告示(以下「一括記載コード告示」といいます。)で定められています。

一括記載コードは、局免許状の記載を省略するだけでなく、アマチュア無線家にとって重要な意味があります。というのは、無線機や付属装置を増設/変更したことにより、局免許状の指定事項に変更がある場合は「変更申請」が必要ですが、局免許状の指定事項に変更がない場合は、「遅滞なく届出」で済む場合があるからです。似たようなもの?いえいえ、「変更申請」の場合は、総通の審査終了を待たないと運用を開始できませんが、「遅滞なく届出」であれば、総通の審査終了を待たずに運用を開始できます。

ということは、一括記載コードの範囲が広ければ広いほど(一括記載コードに含まれる電波型式が多ければ多いほど)、一括記載コードの変更が不要なケースが増える→局免の指定事項の変更がない場合が増える→単に届出でよく、無線家はイライラせずに済む(総通も審査をせかされない)、ということになるのです。

このような重要な意味を持つ一括記載コードですが、また、直感的でなく、ほんとわかりにくいんですよね。そこで、試みに、一覧表に整理してみました。

一番上の行に、JARL作成の対照表を参考にして、「CW」等、実際にアマチュア界で用いられている通信方式を記載してみました。アバウトですのであくまで参考程度とご理解下さい。

「3MA」「4MA」の改正案

今回、1.8MHz帯の拡張部分が「全電波型式」とされ、Phoneが解禁されましたが、今の「3MA」「4MA」には「A3J」が含まれていないため、「A3J」を追加する変更申請が総通に殺到することが予想されます。そこで、そのような事態を避けるために、私は、一括記載コード「3MA」「4MA」に「A3J」を加えてほしいとのパブコメを総務省に提出しました。

ですが、この整理した表を見て、他のバンド(3.5M/7M/21M/24MHz帯)と揃うように、「A3J」だけではなく「A3E H3E J3E R3E A3C D3C F3C F3F J3F」を追加してもらわなければならないことに気づきました。実際、1.8MHz帯で(AMはさておき)FaxやSSTVをやりたいと思う方は多数いらっしゃるのではないでしょうか。

「3MA」「4MA」に「A3J」を追加する改正だけでは、「F3C」や「F3F」を追加してほしいとの変更申請が総通に殺到することを避けられません。ぜひ、総務省におかれましては、「3MA」「4MA」に「A3E H3E J3E R3E A3C D3C F3C F3F J3F」を追加することをご検討頂きたいと思います。

一括記載コードの抜本的改正案

さて、上記の一括記載コード分析表を眺めていると、さらに以下のことが見えてきます。

  • ① 緑色で塗った範囲(24MHz帯以下のHF帯のうち4アマでも出られるバンド)には、「3」で始まる上級者用のコードと「4」で始まる4アマ用のコードが定められているが、「A1A」が含まれているか否かが違うだけで、あとは全く同じである。
  • ② 黄色で塗った範囲(HF帯のうち3アマ以上でないと出られないバンド)には、コードが一つしか定められていない。
  • ③ オレンジで塗った範囲(28MHz帯以上のバンド)には、上級者用のコードが2種類、4アマ用のコードが2種類定められている。上級者用コードと4アマ用のコードは、①と同様に、「A1A」が含まれているか否かが違うだけである。
  • ④ オレンジで塗った範囲(28MHz帯以上のバンド)で定められている2種類のコードのうち、末尾が「F」であるコード(3VF/4VF/3SF/4SF)は、要するにFM系の電波型式のみを含むものであり、末尾が「A」であるコード(3VA/4VA/3SA/4SA)は、FM系に加え、AM/SSB系とデジタル音声系の電波型式も含むものである。

一括記載コードが直感的でない原因の第1は、本来は「電波型式」を記載するためのコードであるにもかかわらず、1文字目として「3」または「4」という「資格を示す文字」が含められてしまっている(「電波型式」と異なる対立軸が紛れ込んでしまっている)ことにあると考えます。しかも、「3」で始まるコードと「4」で始まるコードの違いは、上記①と③でみたように、「A1A」つまりCWが含められているか否かにすぎません。ということは、「A1A」を一括記載コードからあえて外せば、資格にかかわらず同じコードをつかうことができるようになります(1文字目が要らなくなります。)。

アマチュア無線家にとっても、「上級資格をとれば、『A1A』を局免に追加する変更申請をすべし!」ということで、とてもわかりやすくなります(上級資格を取得するモチベーションも上がるかもしれません。)。

次に、一括記載コードが直感的でない原因の第2は、2文字目として、「L/M/H/V/S」という、「周波数帯を(中途半端に)示す文字」が含められてしまっていることにあると考えます。一括記載コードは、無線局免許状の上では必ず周波数帯との組み合わせで記載されますので、「周波数帯を(中途半端に)示す文字」など要らないのではないでしょうか。よくみると、例えば、135kHz帯の「3LA」と、475kHz/1.9MHz帯の「3MA」と、10MHz帯の「2HC」は、含まれている電波型式は同じなのに、「周波数帯を(中途半端に)示す文字」(さらには「資格を示す文字」)をわざわざ含めるために、別の一括記載コードが定められているのです。局免の記載を簡素化するという一括記載コードの目的からは、本末転倒なように思われます。いっそ「周波数帯を(中途半端に)示す文字」をやめればよいと考えます。

さらに、上記④の点、つまり、FM系の電波型式のみを示す末尾が「F」のコードと、AM/SSB系とデジタル音声系も含む末尾が「A」であるコードが用意されている理由は、想像するに、一括記載コードの導入が総務省で検討されていた当時、FMハンディ機のみの局が多かったからではないでしょうか(なお、末尾が「F」のコードに、デジタル系の電波型式のうちなぜか「F1D」だけが含められているのは、懐かしのパケット通信ブームの名残であると思われます。)。

しかし、昨今普及しているD-STARやWIRES-Xといったデジタルモードの電波型式は「F7W」ですから、最近では、多くの局が、「F7W」を含む「A」であるコードの割当を受けているのではないでしょうか。もしそうであれば、いっそのこと、末尾が「F」のコードは廃止し、末尾が「A」のコードに一本化してしまってはいかがでしょうか。その方が、変更「申請」の件数が減り、総通の業務効率化にも資すると思われます。

以上の理由から、私は、現行の一括記載コードに代わるものとして、一括記載コード「DIGI」「PHONE」「ALL」を導入する改正私案を提唱したいと思います。

一括記載コード改正試案

私案では、一括記載コードは3種類、「DIGI」「PHONE」「ALL」に整理されました。ほら、直感的に、分かりやすくなったのではないでしょうか?

現行の一括記載コードとの比較は以下のとおりです。黒字の部分は、例えば「3LA」を「A1A, DIGI」と「読み替える」ことを意味しており、赤字の部分の部分は、「3MA」との記載は「A1A, ALL」と記載されていると「見なす」ことを意味しています。いずれも、変更や再免許により局免許状を発行しなおすときに書き換えていけば、5年以内にすべての局の免許状が、私の私案の一括記載コードに書き換わることになります。

現行コードと一括記載コード私案の対照表

このような経過規定まで考えましたので、総務省のご担当の方、ぜひ、私案の採用をご検討いただけませんでしょうか(笑)。

(2020-03-28 記)

一括記載コードの改正私案」への2件のフィードバック

  1. 一票入れておきました
    悪いですがこんな細かい話よりもJARLをどう変えたいのかもっと高所からの議論を期待しています

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