電波有効利用成長戦略懇談会追加提言(案)へのパブコメ

総務省の懇談会である「電波有効利用成長戦略懇談会」の「令和元年度フォローアップ会合」が作成した「追加提言(案)」へのパブコメが、2019年11月29日まで募集されています。
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban09_02000328.html

そして、この提言が、IoT人材の育成の文脈でアマチュア無線について触れていることが話題になっています。

IoT人材の裾野の拡大に関しては、社会全体のリテラシー向上や日本の技術力を死守するため、子どもを対象とすべき。例えば、小中学生に対し無線技術者の入口として、災害時等に非常通信としても使えるアマチュア無線に触れる機会を組織的・定期的に実施する仕組みを作り、小中学生の知的好奇心を引き出すことが重要。また、家庭で少しでも無線やワイヤレスを身近に感じる場として、実際に製品に触れてみる、製品をつくってみるなど、子どもの教育等を通して人材育成をすることも試みる価値がある。(13頁)

効果的に人材の育成を進めるためには、例えば、アマチュア無線の資格を持たない青少年等が有資格者の下でアマチュア無線を一時的に体験できるようにするといったことなどにより、ワイヤレスIoT人材の裾野を広げていく取組についても進めることが適当である。(16頁)

この追加提言を作成した「電波有効利用成長戦略懇談会 令和元年度フォローアップ会合」の議事録・資料はここに公開されています。第1回の議事録8頁をみると、一般財団法人マルチメディア振興センター電波利用調査部研究主幹の飯塚留美さんが、以下のように発言されていることがわかります。

飯塚構成員)「人材を創る」という観点については、リテラシー向上のために小学生の子供なども対象にして取り組んではどうかと提案したい。実は、先週末に開催されたアマチュア無線の祭典ハムフェアに、クラブ局のメンバーとして出展し、終日参加させていただいたが、22歳未満は入場料が無料にもかかわらず、来場者全体に占める小中学生の割合がとても低いのがとても気になった。日本では全体的に理科離れや理系離れが進んでいると言われているが、それを少しでも食いとめるため、小中学生に対し無線技術者の入口として、アマチュア無線を体験してもらう機会を組織的、あるいは定期的に実施する仕組みを作り、小中学生の知的好奇心を引き出すことも重要ではないか。個人的には、技術立国日本をアマチュア無線が取り戻すぐらいの勢いを持って、1人でも多く小中学生をアマチュア無線の世界にいざない、技術者の卵を社会全体で育てていくことが日本の技術力を死守していく上で重要だと思う。

この飯塚さんのご発言がもととなって、「追加提言」にアマチュア無線に関する文言が含まれることになったわけですね。飯塚さんは実はCQ誌の女子無線部『ケセランパサラン』のメンバーでもあります。アマチュア無線界としては、飯塚さんのこの大ホームランに、表彰状を差し上げないといけませんね。

JARLも、小学生を集めて大人が遊んでもらう費用対効果の見えないイベントなんかではなく、中身のあるイベントを開催してほしいものです。目標は「IoT人材」なんですから、中高生にPi-StarやSDRやドローンを触らせるイベントを開催しましょうよ。

私は、この追加提言の「3.ワイヤレスIoT人材の育成」部分について、以下のパブコメを提出しました。

3.ワイヤレスIoT人材の育成

ワイヤレスIoT人材の育成は我が国にとって重要な課題であり、そのために種々の施策をとることに大賛成である。アマチュア無線界としても全面的に協力したい。

まず、「小中学生に対し無線技術者の入口として、・・・アマチュア無線に触れる機会を組織的・定期的に実施する仕組み」については、ハムフェア等の一過性のイベントも重要であるが、かつて博物館や青少年センター、児童館等にあったアマチュア無線室・クラブの復活を是非推進・助成していただきたい。また、小中高校におけるアマチュア無線部の復活・活性化を促す施策を講じていただきたい。

「アマチュア無線の資格を持たない青少年等が有資格者の下でアマチュア無線を一時的に体験できるようにする」ことも大歓迎である。平成14年総務省告示第154号の条件を緩和し、国際宇宙ステーションとの交信のために開設された臨時局に限定せずあらゆるアマチュア局(社団局であると個人局であるとを問わない。)に拡大し、かつ、青少年に限らず成年もPTT操作をできる対象に含めるようにしていただきたい。

さらに、青少年が限られた小遣いの中からやりくりして、アマチュア無線を利用したワイヤレス分野の経験を積むためには、免許制度における過度の負担(軽微な変更についての過度な届出義務、同一アマチュア局に属する無線機同士の通信は許されないとの解釈を前提とした、複数アマチュア局の免許取得の強要など)をできるだけ軽減し、免許制度を簡素化することをご検討いただきたい。

「追加提言」の中で次に気になるのは、「2.技術基準不適合機器の流通の抑止」の項目です。アマチュア無線機は技適機種ばかりではありません。私は、以下の意見を提出しました。

2.技術基準不適合機器の流通の抑止

(無線機器の認証段階)
基本的に賛成であるが、アマチュア無線機については以下の点についてご配慮いただきたい。海外から輸入されるアマチュア無線機をみると、現状、欧州や米国できちんと技適相当の認証を受けた高品質の機種と、技適を一切受けていない低品質の機種が混在している。アマチュア無線機についてもMRA(相互承認協定)を導入し、欧州や米国できちんと技適相当の認証を受けた高品質の機種は日本の技適相当として承認していただければ、アマチュア無線家は両者を容易に区別できるようになるので、是非ご検討いただきたい。技適を一切受けていない低品質のアマチュア無線機器は、モラルの低い業者によって安価に売られ、アマチュアバンド内に無免許の不法局が蔓延する一因となっているが、高品質の機種と明確に区別されれば、低品質の機種の販売数は減少し、いずれは市場から駆逐されていくと考えられる。

(無線機器の流通段階)
媒介等業者に対して、技術基準不適合機器の流通の抑止に向けた努力義務を課すことについて、基本的に賛成である。ただし、アマチュア無線機については、技適を取得していなくても、一般財団法人日本アマチュア無線振興協会(JARD)またはTSS株式会社の保証を得ることにより適法に使用できる途が用意されている。媒介等業者がこの制度を知らない場合、保証を得ることによって適法に使用できるはずの中古のアマチュア無線機や海外製の高品質な機種について、単に技適を取得していないから違法であると誤解し、誤ってその流通を抑止してしまう恐れがある。そこで、策定が予定されているガイドラインの中で、媒介等業者に対し、アマチュア無線機に関する保証制度について十分に啓蒙していただくとともに、販売が適当かどうか判断に迷うときは、JARD等に問い合わせを行うよう促していただきたい。

また、電波法に定義されている「重要無線通信」以外の無線通信に対する妨害についても、電波法102条の11に定める是正措置を講じられるようにすることについても賛成である。同時に、同条による勧告・命令について経済産業大臣の同意を要求している第5項は削除すべきである。同条による勧告・命令は電波法と無線技術に関する高度で専門的な知識と判断が必要であり、総務省(総務大臣)がその単独の責任においてなすべきものである。総務大臣がその専門的な知識に基づき是正措置をなすべきと判断した状況において、それらの知識を有しない経産省(経産大臣)が是正措置を講ずべきではないとして不同意とすることは考えられないし、そのような不同意は適切ではないと考える。

最後の点は、パンドラの箱かも?(笑)

さらに、残りの2項目についても、以下の意見を出しました。

1.ダイナミック周波数共用システムについて

ここで当面検討されるシステムは、ある周波数をすでに利用している既存の無線局を一次利用者とし、当該一次利用者の運用計画をデータベースに登録させることにより、空いている時間にその周波数を他の無線局が利用できるようにするシステム(「データベース活用方式」)と理解した。業務局同士であれば実現可能かも知れないが、アマチュア局に関しては、多数存在するアマチュア局に運用計画をいちいち登録させることは非現実的であり、実用にならないことは確実である。よって、アマチュア業務及びアマチュア衛星業務が割り当てられている周波数帯にダイナミック周波数共用システムを導入することについては反対であり、検討の対象からアマチュアバンドは除外していただきたい。

4.新たな電波システムの海外展開への対応

日本のアマチュア無線機メーカーは、今なお世界的に高い評価とシェアを確保しているが、昨今は中国等の安価なメーカーに押され気味である。特に、SDR等のデジタル最新技術への対応に後れがあるように感じられる。また、かつて日本アマチュア無線連盟(JARL)主導で策定されたアマチュアのデジタル通信方式「D-Star」は、一時は世界中に普及したが、昨今、海外では、DMR等の業務規格を応用した無線システムに置き換わりつつある。そこで、日本のアマチュア無線機メーカーの栄光を維持するために、デジタル系の開発費の補助・助成といったテコ入れ策をご検討いただきたい。

さあ、アマチュア無線の出番です!私の意見はコピペ修正自由とします。みんなで総務省に意見を出しましょう。

(以上、2019-11-09記)

電波有効利用成長戦略懇談会追加提言(案)へのパブコメ」への5件のフィードバック

  1. ピンバック: 電波有効利用成長戦略懇談会追加提言パブコメの結果公表 | 7K1BIB/AC1AMの業務日誌

  2. ピンバック: 【祝】アマチュア無線規制緩和2020 | 7K1BIB/AC1AMの業務日誌

  3. ピンバック: JARL選挙立候補に当たっての所信(2020年関東社員) | 7K1BIB/AC1AMの業務日誌

  4. ピンバック: 違法無線機のインターネットでの販売抑止(一歩前進・一歩後退) | 7K1BIB/AC1AMの業務日誌

  5. ピンバック: 「適正な運用の確保が必要な無線局」に関するパブコメ意見提出 | 7K1BIB/AC1AMの業務日誌

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