2mを航空移動業務にも割り当てるべしというフランスの提案について

2019年10月にエジプトで世界無線通信会議(WRC-19)が開催されますが、その次のWRC-23の議題として、フランス政府が”aeronautical mobile service”(航空移動業務=たぶんドローン等)のために新しい周波数帯を割り当てることを提案しています。新しい周波数帯の候補の中に144-146MHz帯が入っており、海外では大騒ぎになっています。

この件が初めてネットに上がったのは、おそらく2019年6月10日のIARU Region 1によるこの記事と思われます。
https://www.iaru-r1.org/index.php/88-news/1864-wrc-23-agenda-items

(概要・仮訳)
WRC-23の議題として欧州で議論されている議題の中で、アマチュア無線の周波数に重大な影響を与えるものは以下の2件。

・フランスが”aeronautical mobile service”(航空移動業務=たぶんドローン等)のために新しい周波数帯を割り当てることを提案しており、その中に144-146MHz帯が入っている件

→144-146MHz帯はアマチュア業務及びアマチュア衛星業務用として世界各国で割り当てられ広く使われているため、IARUはこの提案に「強い懸念(grave concern)」を持っている。この周波数帯が一次業務としてアマチュア業務に割り当てられ続けるよう、各地域の電気通信機関(Regional Telecommunications Organisations)とITUにおいて強く表明する所存。

・Galileo navigation systemに対する数多くの混信が報告されていることから、 1240-1300 MHz (“23cm”) バンドへのアマチュア業務の割り当てを「検討する(study)」との提案

→IARUは混信問題を認識している。すべてのケースにおいて、関係するアマチュア局の全面的な協力により解決されてきている。IARUはアマチュア業務がGalileoシステムに影響することを一切望んでおらず、当該システムの真の脆弱性に関する共同研究が進んでいるのだから、この問題をWRC-23に提案するのはまだ性急である(premature)。

IARUは、メンバー各団体に対し以下のことを要請する。(1)この情報に対し、各団体の構成員の注目を引くようにしむけること、同時に、(2)規制に関する議論がさらに進展するまで、現時点では、この事態に対するいい加減な(speculative)公式見解を示すのは避けること。

(私はこの件を、Southgate Amateur Radio Newsの2019年6月12日の記事で知りました。)

本件を受けて、お膝元のフランスの連盟はさっそく2019年6月11日付けでIARUの立場への支持を表明、英国の連盟(RSGB)はWRC-19及び23に関する特設サイトを開設していますが、フランスの提案について6月14日付けで速報を流しています。

RSGBのサイトに、フランスの提案の原文が掲載されていました。概要、

過去20年間のセンサー付き有人・無人航空機の発展を受けて高速データ通信の要請が高まっており、周波数帯の拡張が必要なので、144-146 MHzを含む各周波数帯の割り当て変更の可能性についてWRC-23までに検討を進めることを、WRC-19で決議することを提案する。

という内容のようです。独特の外交文書スタイルで読みにくいのですが、第1地域のバンドプランに限った提案ではないと思われます。

ARRLもさっそくウェブサイトに続々と記事を投稿しています。

6月14日の記事:提案されたWRC-23の議題が懸念を引き起こしている(Proposed WRC-23 Agenda Items Causing Concern)

http://www.arrl.org/news/proposed-wrc-23-agenda-items-causing-concern

6月25日の記事:CEPTの会合で、144-146MHz帯再割り当て提案に強い異議なし(No Strong Opposition to 144 – 146 MHz Reallocation Proposal at CEPT Meeting)

http://www.arrl.org/news/no-strong-opposition-to-144-146-mhz-reallocation-proposal-at-cept-meeting

7月2日の記事:2m帯再割り当て提案に対する反応は自制を(Restraint Urged in Response to 2-Meter Reallocation Proposal)

http://www.arrl.org/news/restraint-urged-in-response-to-2-meter-reallocation-proposal

ARRLの7月2日の記事がよくまとまっています。Google和訳で、ところどころ変ですが概要は掴めます。2019年8月に開催されるCEPTのさらに上位の準備会合で、少なくとも10カ国が賛成し、反対が6カ国未満だと、CEPTの決議に進み、さらにWRC-19と23の議題に上がる可能性が高まるとのことです。

カナダの連盟も記事を出しました。

フランスの提案の実現可能性、影響があるリージョンの範囲等々、まだまだ情報が錯綜していますが、日本のアマチュア無線界としても、動向に注目し、IARUと連携しつつ、適切なタイミングで日本の当局にも働きかける必要がありそうです。

 

2mを航空移動業務にも割り当てるべしというフランスの提案について」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: 【続報】「2m航空移動業務割り当て」問題についてIARUが意見書 | 7K1BIB/AC1AMの業務日誌

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