「QSOパーティ」期間延長案のゆくえ

正月にJARL主催で行われるQSOパーティには例年参加していますが、昨2018年のQSOパーティに参加した後に、このような意見をこのブログ記事(NYP参加(1月2日夜))に書きました。

ところで毎年思うのですが、私は毎年2日の日中は実家に帰り、3日は旅行に出かけてしまうので、NYPに参加するチャンスは2日夜しかありません。それでも東京ならなんとか20局こなせますが、大都市以外ではかなり厳しいのではないでしょうか。

そこで、NYP改革試案:
期間を延長。せめて1月1日0時から3日24時までに。松の内の7日24時までというのもありかも。
②(略)

この意見をいろいろな方に具申していましたところ、2018年6月24日の第7回定時社員総会で、2名の社員の方が、QSOパーティに関する要望を出してくださいました。以下、第7回定時社員総会速記録(JARL会員のみ閲覧可)から引用します。

JA1RTS日下社員の事前質問要旨(速記録26頁)
・ニューイヤーパーティについて
 近年アマチュア局が減少して、交信局数をクリアするのに敷居が高くなっている。そこで、必要交信局数半減を要望する。

JJ1WTL本林社員の事前質問要旨(速記録33頁)
・『QSOパーティ』の期間延長について
局数減が進み、また今後もそれが見込まれる中、「20局達成」のための開催期間の再延長を議論すべき頃合いではないか。
理由
 「2日9時~3日21時」だと、夜が一日しか使えない
 (局数を競う)コンテストではない

これらのご意見に対し、総会において、JARL玉眞専務理事が以下のとおり回答されていました。

JA1RTS日下社員からの質問です。(中略)ニューイヤーパーティは、20局以上と規約で決まっている訳ですけれども、なかなか難しくなっているのかなというのはわかります。ただ、ルールを変更することはなかなか難しいと思いますけれども、コンテスト委員会にご検討をお願いしたいということです。(速記録43頁)

JJ1WTL本林社員からの質問です。(中略)QSOパーティの期間延長ということで、先ほど日下社員からも提案がありましたので、コンテスト委員会で検討していただこうと考えております。(速記録46頁~47頁)

「コンテスト委員会にご検討をお願いしたいということです。」というように、伝聞形式になっているのは誰の発言を伝聞式に伝えているのか気になりますが、それはともかく、コンテスト委員会で検討されると明言されていたのですね。

続いて、総会から約ひと月後の2018年7月21日・22日に開催された第41回理事会報告(JARL会員のみ閲覧可)に、以下の記載があります。

2.第7回定時社員総会で出された要望・意見等について

第7回定時社員総会で、社員から出された様々な要望・意見が出されているが、今回の理事会では、主に以下について議論された

(1) QSOパーティの交信局数、期間等について
QSOパーティについて、近年のアマチュア局減少からステッカー発行の要件となっている交信局数の半減、あるいは期間の延長を望む意見が複数あった。
これに対して「期間は、以前より延びているのではないか。」、「HFなら苦労しないが、都市部でもVHFは人が減っている。」、「交信局数を減らすと、局が出てこなくなる。」、「QSOパーティをどう活性化するか考えるべき。」などの議論がなされたが、QSOパーティの件はコンテスト委員会で検討することとした。

「HFなら苦労しないが、都市部でもVHFは人が減っている。」というご意見は、現状を正確に把握された的確なものであり共感できます。「必要交信局数半減を要望」という社員意見に対する「交信局数を減らすと、局が出てこなくなる。」とのご意見は、私もなるほどと思いました。20局という要件を例えば10局に減らせば、10局で満足してやめてしまう局が続出し、QSOパーティの活性化に逆行するかもしれません。

他方で、「期間は、以前より延びているのではないか。」というご意見には、正直、脱力しました。QSOパーティが1日から2日に延びた年はまだ調べ切れていませんが、JARLウェブサイトによれば、少なくとも20年前の1998年(第51回)の時点ですでに、開催期間は2日間でした。先の発言をされた理事は、いつの時代の話をしているのでしょうか。昔は1日だったからといって、今も適切かどうか、何の保証にもならないのではないでしょうか。

1997年末のアマチュア局の局数は1,219,907局で、2017年末の局数427,070局の実に2.86倍もの局がいたのです(Wikipedia)。20年前と比べても、今や局数は3分の1近くに減っているのですから、同じ20局を達成するのは明らかに困難になっているはずです。現に、1998年のログ提出局数は25,245局であったのに対し、2018年のログ提出局数は 7,432局。その比は29.4パーセントで、局数全体の減少率よりも高い率で減少しています。

QSOパーティは局数を競い合うコンテストではないので、期間を延長することについては、何の障害もないはずです。局数が減少している現状を直視すれば、期間の延長は、十分に検討してよい課題と考えます。他方で、あまりに長期になると出る局が拡散して却って20局達成しにくくなるという面もあります。ではどの程度の延長がよいか、時間帯は夜伸ばすのがよいか朝がよいか・・、という議論がJARLでなされることを期待しました。この問題はコンテスト委員会で検討されるということでしたので、私は、その検討結果を、楽しみに待っていました。

ところが・・・

2018年11月、2019年のQSOパーティの規約が発表になりました。開催期間は「1月2日09時~3日21時まで」と、何事もなかったかのように書かれているではないですか・・・。何の注意書きも説明もなしです。がっかりです。

後から調べてみると、2018年11月10日にコンテスト委員会が開催されており(委員会開催状況)、主な審議事項として「フィールドデーコンテスト開催日時など」が挙げられています(議事録は公開されていません。)。また、11月17日・18日の第42回理事会報告(JARL会員のみ閲覧可)にも、「フィールドデーコンテスト開始時間変更について」との議題が議論されたことが記録されています。つまり、FDの件は議論されたようですが、QSOパーティの件は?コンテスト委員会で何らかの議論がされて、現状維持の結論が出たのならともかく、どこに行ってしまったのでしょうか???

これが、「会員皆様ファースト」を標榜するJARLの、総会における会員からの要望に対する答えなのでしょうか。

この一件は、さまざまな問題を含んでいるように思います。

(1) JARL理事会としては、コンテスト委員会にQSOパーティの件を諮問した以上、その報告を受けるべき、報告がなければ、委員会に問いただすべき、というJARLのガバナンスの問題

(2) 局数減少という現状を正視し、アマチュア無線の活性化に向けて対策を進めることができるのか、というJARLの姿勢の問題

(3) JARL会員の代表者であるJARL社員からの要望に対する組織としての議論が十分に公開されないというJARLの情報開示の問題

なお、独りよがりの意見はよくないと思い、2019年のQSOパーティ直後に、Twitterでアンケートを採ってみました。結果はこちらです。47人の方がアンケートに参加してくださいました。

現状のままでよいというご意見も多いのですが、延長を希望される方のほうが多数でした。現状のままでよいとのご意見の方は、どんな設備をお持ちなのか気になりました。まだハンディ機1台に付属のホイップしか持っていない開局したてのビギナーの方にも、どうにかがんばって20局やれとおっしゃるのでしょうか。また、以下のようなご意見を聞いても、なお、現状でよいと思われるのでしょうか。

これはとっても貴重なご意見だと思います。2日は個人の移動運用、3日はJARL中央局の運用に参加と大活躍のJG1KTC高尾会長はいいでしょうが、女性ハムを増やしたいのなら、こういうご意見にも耳を傾けるべきではないでしょうか。

延長するとした場合の期間について、私は控えめに、夜が2回使えればいいなと思っていました。ところがTwitterアンケートでは、松の内である7日までの延長を支持される方が多数いらっしゃいました。確かにこれだけ長ければ、正月休みに旅行に出かけたときもQSOパーティに参加できますね。地方でのQRVの活性化にも寄与するでしょう。

さらに、開始時刻について、このようなご意見をいただきました。

このご意見にははっとしました。1日21時から始めれば、スタートダッシュでたくさんの局がでてくるでしょうね。

今からでも、JARLには、QSOパーティの期間延長について、ぜひ建設的な議論をお願いできればと思います。

(以上、2019-03-02 記)

 

QSOパーティの期間延長問題については、2019年6月のJARL社員総会に有志社員から提出された髙尾会長・日野岳専務理事の解任提案の中でも、以下のように触れられていました。

昨年の総会で、ある社員から、お正月のQSOパーティの開催期間の延長が提案されました。理事会からコンテスト委員会に諮問されたはずですが、いつの間にか有耶無耶になりました。多くのアマチュア局が参加しやすいようにQSOパーティの期間を延長することすら、現執行部は実現できないのでしょうか。

(2019年5月10日提出「社員提案権行使書」より)

これに髙尾会長側が危機感を持ったのかどうかはわかりませんが、2019年6月23日の社員総会当日の午前中に開催された理事会に、「QSOパーティでシールがもらえるためのQSOの条件を20局から10局に減らす」との提案が突如提案されましたが、理事の反対により継続協議になっていました。

QSOパーティの期間延長問題について、社員総会の場で、「午前中の理事会でコンテスト委員会から提案があったが、議論の上、差し戻しになった」との答弁がありました。実際には、コンテスト委員会からの提案は、「シールがもらえるためのQSOの条件を20局から10局に減らす」というものであり、髙尾会長及び尾形理事はこれを理事会で承認するよう強く求めたものの、他の理事らの反対により継続協議になったとのことです。

(2019年度JARL総会情報「【重要】第8回JARL定時社員総会の総括」より)

そして、2019年10月1日より、コンテスト委員会による「JARLコンテストの実施時期についての意見募集」が行われたという次第です。JARLが会員から意見募集を行うことは久しく行われていなかったことであり、こうした試みは今後も続けていってほしいところです。

さて、QSOパーティの期間延長問題は、どうなるでしょうか。

(以上、2019年10月27日 追記)

「QSOパーティ」期間延長案のゆくえ」への4件のフィードバック

  1. ピンバック: JARLコンテストの実施時期について意見を提出 | 7K1BIB/AC1AMの業務日誌

  2. ピンバック: 2020年QSOパーティによせて | 7K1BIB/AC1AMの業務日誌

  3. ピンバック: 7K1BIBの選挙活動まとめ | 7K1BIB/AC1AMの業務日誌

  4. ピンバック: フィールドデーコンテストの実施時期について意見募集(付:JARL正常化運動の原点) | 7K1BIB/AC1AMの業務日誌

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