北朝鮮とのQSOの適法性

P5/3Z9DXの試験運用が始まったようですね。

ところで、日本のアマチュア局が北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)のアマチュア局とQSOすることが、法令上、厳密にはどう取り扱われるのかを調べてみました(あくまで厳密には、です)。

国際電気通信連合(ITU)・無線通信規則25.1は、「異なる国のアマチュア局による無線通信は、一方の国の当局がアマチュア無線による通信に異議を述べる(object)ことを通告(notify)している場合でない限りは、許される」(私訳)と定めています。

25.1   § 1.      Radiocommunication between amateur stations of different countries shall be permitted unless the administration of one of the countries concerned has notified that it objects to such radiocommunications.

http://life.itu.int/radioclub/rr/art25.htm

ITUによる出版物「STATUS OF RADIOCOMMUNICATIONS BETWEEN AMATEUR STATIONS OF DIFFERENT COUNTRIES」2014年7月版には、異なる国のアマチュア局による無線通信を禁じている国として、北朝鮮が記載されています。これは、北朝鮮がITUにそのように通告していることを受けてのものと思われます。

https://www.itu.int/dms_pub/itu-t/opb/sp/T-SP-RR.25.1-2014-PDF-E.pdf

以上を前提とすると、今回のP5/3Z9DXは、北朝鮮当局から運用許可を得ているようですから、北朝鮮は、「異なる国のアマチュア局による無線通信の禁止」を解除したといえます。なので、ITU無線通信規則25.1による禁止も解けた、ともいえそうです。北朝鮮当局が「異なる国のアマチュア局による無線通信の禁止」を解除したことをITUに通告(notify)していれば、ITU無線通信規則上も完全にシロです。

もし北朝鮮がそのような通告をしなかった場合は、・・・微妙です。ITU無線通信規則上25.1による禁止は厳密には解けておらず、P5/3Z9DXとのQSOはITU無線通信規則25.1違反(日本のアマチュア局に限らず、全世界のアマチュア局が違反)ということになりかねません。北朝鮮当局がどう行動するか、また今回の運用がDXCC上どのように扱われるか、興味深いところです。

私はどうするか・・そもそもパイルに勝てないだろうな(笑)。

なお、「自国のアマチュア局と他国のアマチュア局との無線通信を禁止している国等」という平成14年08月16日総務省告示第479号があり、北朝鮮がリストされています。

http://www.tele.soumu.go.jp/horei/reiki_honbun/a000047701.html

一般に、告示は上位規範(法律なり規則なり)との関係が明記されているものなのですが、この告示は、どの上位規範を受けて制定されたものか書かれておらず、位置付けがはっきりしません。上記ITUのリストによれば、この異議を通告している国はもうひとつあって、エリトリアです。ですので、本来であれば、上記総務省告示は、エリトリアも載せるべきだと思いますが、なぜ載っていないかは謎です。

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