JARL第11回定時社員総会ご報告(その2)

社員総会報告その1はこちら。

報告その2では、第1号議題(決算の承認)に関する私の質問(事前質問の全文はこちら)と執行部の回答を記録します。

今年も会員数が「288名」増加?

(山内の事前質問要旨)「局免許が確認できない正員」の調査の確定した数字は?

(日野岳専務理事)本年3月末時点で以下のとおり。

対象者:5,914名
准員へ移行4,508名
免許を受けた807名
コールサイン変更51名
退会548名

(日野岳専務理事)准員の中には、返事がもらえない方、郵便が届かない方が多い。これ以上の追いかけ調査は難しい。なるべくきめの細かい台帳整備は心がけたい。548名の退会者がいたにもかかわらず288名の増加だから、しっかりとした会員数の増加と考える。局免調査は費用もかかり、2年に1度というわけにはいかないかもしれないが定期的に行っていきたい。

【山内感想】局免が確認できない「幽霊正員」の「歩留り率」は約18%(=807/4508)。低いですね。さみしいですが、こういう現実は直視しないといけないと思います。

今の執行部は、「2年連続会員増!」を盛んにアピールしていますが、全会員66,076名の中には准員が10,737名(実に16%)もいて、その中には連絡が取れなくなってしまっている「幽霊准員」が含まれていることが今回判明しました。昔の准員は、これから免許を取ろうと張り切っている正員予備軍でしたが、今の准員は、アマチュア無線にもう興味関心はないものの、毎月の会費が要らないライフメンバーで、まあ退会するまでもないかと一応残っている方が大多数ということなのでしょう。

正員の数字だけを見れば、2020年から2021年にかけて、56,837名から52,794名と大幅に減少しており、こちらの方が、JARL会員の実態を反映した数字といわざるを得ないと思います。お祝い気分に水を差すのは恐縮ですが、マスコミの方が「なんだよ水増しかよ・・」「おかしくない?」と思う前に、会員増の大々的なアピールは控えた方が良いように思います。

今年は収支均衡?(「当期経常増減額は▲4百万円」)

(山内の事前質問要旨)令和3年度の経費を、コロナ前の令和元年度と比較すると、総会費、理事会費、地方本部費、旅費交通費、諸委員会費、国際協力費が大きく減っており、その減少額は1800万円を超えている。これらの費目は、コロナ禍が収束すれば復活してくる費目である 。つまり、今年の赤字額が400万円に押さえられたのは、たまたまコロナ禍があったからにすぎず、コロナが収束するとともに赤字はまた増えていくことが予想されるが、会長及び専務理事のご見解を伺いたい。

(日野岳専務理事)令和2年度と比較しても著しい改善になっている。今後も、コロナ禍で培った会議のやり方(Zoom会議)等は踏襲していきたい。

(山内の当日質問)コロナ禍がすぎれば、1800万円の経費が復活してくることに加え、「雑費」に計上されている260万(多くが法律事務所オーセンスへの報酬)が乗っかってくる。専務理事は、今年で収支均衡が達成できたかのように述べたが、今後、コロナが収束するとともに経費は増えていく。実際にも、今年の予算は2354万の赤字予算になっており、専務理事・理事会自身が、今年はまた赤字になることを認めているではないか。

(日野岳専務理事)今後は、これまでのような支出がないよう、テレビ会議等を活用し経費節減に努め、このままそっくり元に戻ることはないよう努力したい。会費収入が増加しており、これもさらに増加していく。今年の予算は赤字だが、去年のように収支均衡になるよう努力して参りたい。

【山内感想】「努力したい」「努力して参りたい」との答えでした。日野岳専務、今年の2354万の赤字予算を立てておきながら、「令和3年度で収支均衡を達成」とはさすがに言い過ぎでしたね。今年は2350万円の赤字で済むかどうか、注視が必要です。

JARLは黒字を出してはいけない?

(山内の当日発言)JARLは黒字を出してはいけない、という日野岳専務理事の説明があった。たしかに、公益社団法人・公益財団法人は内閣府の監督下にあり、黒字を出すと出すなと言われるが、JARLは一般社団法人で、監督官庁はないので、内閣府からそのような指導があることは考えられない。

(日野岳専務理事)法的にはおっしゃるとおり。ただ、一般社団法人であっても、黒字を続けていいかというとそうではなく、黒字が出れば会員に還元するというのが社団のあるべき姿勢と考える。

【山内感想】日野岳専務が言いたかったのは、黒字を出すと法人税がかかってくるので、収支均衡がよいのだということでしょう。是非、黒字が出るような組織運営をして、全会員のために還元しましょう(返金という意味ではなく、何か新しい事業をやりましょう。)。一部の会員(役員)が経費使い放題など、もうやめましょう。

JARLの監査法人は?

(山内の当日質問)JARLの会計を監査していた愛媛の監査法人は降りたはずだが、後任の監査法人は?

(日野岳専務理事)後任の監査法人は今のところいない。

(山内の当日発言)日野岳専務理事から、ある会員から以前の監査法人にお手紙が行ったという話があったが、それを送ったのは私。仲間と相談して問い合わせの手紙を送った。何故かというと、過去の社員総会で、お金の使い方についての質問に対し、監査法人の承認を頂いているとの答弁がされる例が多かった。ところが、帳簿を見ると、監査法人への報酬は30万だか50万(注:正確には40万円)という少ない金額で、監査期間も2日間。これで、帳簿の整合性については確認できても、ひとつひとつの支出、例えば4万円のスナック代がJARLとして適切かどうかまで監査法人が監査しているとは思えなかったので、監査法人に質問をした。すると、そこまで見ることはできませんとの回答があり、その後、JARLの監査を降りられたという経緯である。

【山内感想】監査法人も、自分のせいにされてはたまらないということでしょう。後任の監査法人は探したのか、受けてもらえなかったのか。いずれにせよ、今後は監査法人に頼ることはできません(税理士事務所が見ている、という説明がありましたが、税理士事務所も支出の適切性までは見ないと思われます。)。その意味で、2名の監事の責任は重大です。

紙JARLニュースについて(経費削減策その1)

(山内の事前質問要旨)環境保護の観点からも、紙の削減に取り組み、浮いた経費を若者に対するアマチュア無線振興策に振り替えるといった施策を採るべきでは。ページ数を減らし、かつ希望者にはPDFでの送信に切り替えれば、JARLニュース発行回数を増やすこともできると思われるが、いかがか。

(日野岳専務理事)電子JARL Newsもあるが読んでもらえない。年配の方を中心に紙がいいという声があり、紙のニュースは継続していきたい。

(山内の当日追加質問)JARLニュースを薄くすれば、発行回数を年6回とか8回とかに増やせるかもしれない、また、浮いた経費を若者支援にも回せるかもしれない。専務理事は、そういうアイデアを出して理事会に諮るのが役目だと思うがいかがか?

(日野岳専務理事)紙ニュースを長年、やはり楽しみにしている方もいらっしゃる。現実ホントにいらっしゃる。紙を発行すると反応も出てくる。これは大切にしたい。事務局内でも、地方だよりの記事を地方にお願いして削減してもらったり、カラーページを削減したりといった経費節減を行っている。なるべく少ない経費で発行できるよう努力したい。

【山内感想】JARLニュースの経費3500万のうち、コンテンツ作成には500万だけ。印刷・発送に実に3000万も費やしています。私は「紙ニュースを一切なくせ」と言っているのではなく、どうしても紙ニュースを受け取りたいという方はそれで対応すべきと思います。個人会員と社団会員、家族会員等で何冊も紙ニュースを受け取っている人も多い中、電子版をもっと読みやすくし、紙ニュースを受け取らない方には何らかのインセンティブを用意し、浮いた印刷・発送費用を他の事業に回した方がよいのでは?と言っているのですが、どうしても話がかみ合いません。現執行部は、要するに単に変えたくないということなのでしょう。

QSL費について(経費削減策その2)

(山内の事前質問要旨)令和3年度のビューローへの到着枚数は?

(日野岳専務理事)
令和2年度は1063万3000枚(前年比 約17%増)
令和3年度は1114万7000枚(前年比 約 5%増)

(山内の事前質問要旨)ビューローから会員へのカード発送の区分と枚数は?

(日野岳専務理事)郵便が9区分(山内注:8区分?)、佐川急便が2区分。年間集計を個々に寄せることはビューローの負担にもなり正確な数字は申し上げられないが、ざっくりとした数字は以下のとおり(注:料金は山内しらべ。ボリュームディスカウントは考慮せず)。

郵便通数料金
(山内追記)
~25g30,00084円
~50g20,00094円
~100g20,000140円
~150g10,000210円
~250g10,000250円
~500g10,000390円
~1kg数千通580円
~2kg数千通1040円
佐川信書便件数料金
(山内追記)
~4kg800件1045~1925円
4kg~100件1386~2266円

(山内の事前質問要旨)保管状態は大丈夫か。倉庫は足りているか?

(日野岳専務理事)倉庫を増やして対応。管理に問題なし。

(山内の事前質問)ビューローでのカード受け入れ時の”FROMチェック”(JARL会員であることのチェック)は、カードがビューローに届いてから何日くらいで行われているのか。”FROMチェック”が遅れると、カードがビューローに届いたときは会員だったのに、”FROMチェック”の次点では会員期間切れと判断され転送が拒否されるといった不合理な事態が生じかねないため、お尋ねする。

(日野岳専務理事)”FROMチェック”という言葉はみなさんわからないかもしれないが、JARL会員か非会員かのチェックのこと。非会員になっても一定期間はビューローで保管する。その後再度チェックし、なお非会員であるとJARL事務局に戻る。事務局は入会の案内をする(大多数は転送費用を振り込んでいないライフメンバー)。そのまま捨ててしまうということはない。

(山内の事前質問)ビューローの処理枚数を増やすために、人員の追加などの対策は検討していないのか。

(日野岳専務理事)コロナ禍であり作業スペースを増やしている。スタッフ募集また人材派遣会社に声がけするもなかなか厳しい。本部としてもビューローと協議しながら、抜本的・・(言い換えて)短期的な対策を検討中。

(山内の事前質問)このままでは、いずれ転送期間は1年を超え、せっかく入会してくれた会員が1回もQSLカードを手にしないまま退会するといった悲惨な事態にもなりかねないが、髙尾会長及び日野岳専務理事はどのような対策を考えているか。例えば、「カードの送付を一時的に3ヶ月くらい待って欲しい」といった呼びかけをし、その間に滞留したカードを処理することは考えられないのか。

(日野岳専務理事の回答なし・・)

(山内の当日追加質問)せめて「カードの送付を一時的に3ヶ月くらい待って欲しい」といった呼びかけはできないか、お答えを頂いていないが・・?

(日野岳専務理事)これはやはり、止めろというとかなり混乱が起きるのではないかと思う。それよりも、今あるQSLカードの在庫を掃かすのが最優先と思う。ビューローと相談して具体策を検討中、理事会でも検討中。

(山内の事前質問)昨年の社員総会で、執行部として、万が一、今の受託会社から契約の更新を断られた場合のバックアッププランは用意していないとのことであったが、その後、バックアッププランの検討は行ったか。

(日野岳専務理事)現在のところ考えていない。引き続き受託会社と連携を密にして、円滑な転送業務に努めることに致したい。

(山内の事前要望)今後は、ビューローへの月ごとの到着枚数と、ビューローで滞留しているカードの枚数、ビューローから発送される料金後納郵便と宅配便(信書便)の区分ごとの人数の公表を検討されたい。

(日野岳専務理事)ビューローの負担になるので避けたい。ご要望として承る。

【山内感想】ビューローへの到着枚数が引き続き増え、倉庫の増設までしたようですが、その費用はいくらで誰が負担したのかが気になります(追加質問はできませんでした)。

”FROMチェック”に関する質問は、ある会員から頼まれたものです。”FROMチェック”という言葉は私も知らなかったのですが、一部で知られている言葉なのかもしれません。

ビューローへの到着枚数を減らす会員への呼びかけを、現執行部は頑なに拒否しています。今回の私の提案は「一時的に数ヶ月遅らせる呼びかけ」という最も柔らかい案のつもりだったですが、これでもダメです。「混乱」というのは、事務局の電話が鳴り続けてしまうということでしょうか。そんなに会員が「怖い」のでしょうか。JARL本部からのお願いの説明次第で、多くの会員は納得してくれるのではないでしょうか。

ビューローから会員向けの発送区分と件数に、大きな「差」があることが明らかになりました。会員からビューローに送られてくる枚数も、ゼロから箱で送ってくる会員まで、大きな「差」があるのでしょう。このままでよいのか、不平等でないのか、引き続き考えてみたいと思います。

地方本部費・支部費の削減について

(山内の当日質問)今年の予算で、地方本部費・支部費が削減された。理事会の議事録には、地方の意見を聞いたとあるが、実際に意見を聞かれていない地方がある。本当のところ、どのエリアの意見は聞いたのかお答えいただきたい。

(日野岳専務理事)理事会の中で、本部長が出席した所、そのエリアの中で話をされていて、長時間にわたって審議をした結果、出た結論である。

【山内感想】2年前の社員総会で、1、2、3エリアの理事が否決され、その後9エリアの理事が亡くなられた結果、理事会に出席している理事兼本部長は、4、5、6、7、8、0エリアだけでした。多くの会員を抱えるエリアから地方本部長が出席していないという異常事態でした。

地方本部費の削減が議論された第57回理事会(2021年11月)の議事録は、全地方本部の意見を聞いたかのように読めます。ですが、実際には、一部のエリアの意見しか聞いていなかったことを、日野岳専務は事実上認めました。理事会への地方本部長(ただし書き本部長)の出席を拒否しておきながら、こういう不公平はあってはならないと思います。

第57回理事会報告より

(2022-07-02 記)

「2023年世界無線通信会議(WRC-23)に向けた我が国の考え方(案)」についてパブコメ意見提出

来年のWRC-23で、1200MHz帯におけるアマチュア業務の見直しが議論されます。日本政府の「考え方」の案がパブコメにかかりました。

私は、以下の意見を提出しました。

「1,240-1,300MHz帯に二次分配されているアマチュア業務及びアマチュア衛星業務から無線航行衛星業務(RNSS)(宇宙から地球)の局(受信機)を保護するための技術的及び運用上の検討」に際し、アマチュア局がRNSSに対し与える影響の評価基準として、単に電波の強度や電波型式だけではなく、連続送信時間も加えるよう、日本政府として提案されるよう要望する。

RNSSは、衛星から発せられる電波を連続して受信しなければ機能しないものではないから、仮にアマチュア局が電波を短時間(例えば15秒間)発信し、一時的にRNSS衛星からの電波を受信できなくなったとしても、アマチュア局の送信が終了すれば、RNSS衛星からの電波を受信できるようになり、実務上支障は生じないと思われる。したがって、アマチュア局に対し、出力や電波型式だけでなく、送信時間に上限を設ければ、アマチュア局のRNSSに対する影響を抑えることができると考えられるため、以上の提案を行う。


なお、この件については、IARU(特に第1地域)が尽力してくださっています。私の2022年6月25日の連続ツイートをご覧下さい。

IARUとしては、アマチュア側からの提案として、以下の3つの案のいずれかを検討中のようです。

第1案:
バンド端1298-1300MHzは100WまでOK
1250-1254でデジタルATVを100WまでOK
1260-1262でサテライトを20WまでOK
そのほかは5mWまで

第2案:
Galileoに重なる帯域のATVは削除
1293MHzあたりにFM音声のローパワー帯を新設

第3案:
全帯域の出力(EIRP)を1Wに制限

JAとしては、第2案が比較的ましでしょうか。第1案の5mW制限は相当厳しいですし、第3案ではビームアンテナが使えなくなってしまいます。もっとも、1200MHz帯のアマチュア業務は2次業務ですので限界があります。JARLは動いているのでしょうか。とても心配です。

(2022-07-01 記)

JARL第11回定時社員総会ご報告(その1・速報)

2022年6月26日に開催されたJARL第11回定時社員総会に、社員として参加しました。

第1号議題 令和3年度決算

日野岳専務理事は、「令和3年度の赤字は400万円まで減り、ほぼ収支均衡を達成できた」と説明していましたが、令和4年度の予算としてすでに2350万円の赤字予算を組んでいるのですから説得力がありません。

賛成/反対/保留及び棄権の順に挙手による採決が行われたのですが、集計に3度、4度と手間取って30分くらい要した上に、休憩前に公表された数字が休憩後に訂正されました。今後は、挙手による採決はやめて紙による投票にしてほしいところです。

第2号議題 役員選任の件

日野岳充候補が理事として否認される、という大波乱がありました。他の理事・監事はすべて承認されました。挙手による賛成票だけを数え、反対票と棄権・保留票は挙手も行わないという採決方法は、違法ではないまでも妥当ではなかったと思います。

詳細な票数はJH2DFJ岩田さんのツイートを引用させて頂きます。

2年前は、髙尾氏が全国の社員に働きかけて特定の社員に大量の委任状を集めた結果、理事候補5人が否決されるというとんでもないことが起きました。「こんなはずではなかった」と思った社員も多かったと聞きます。今年は出席率が高く、日野岳氏の答弁を直接聞き、ご自身の判断で直接投票した社員が多かったのですから、今年の方が、社員の意見がより正確に反映した結果であると考えます。

社員からは(私も)、役員をひとりひとり選任するのだから、専務理事による一括答弁ではなく、JARLが抱えるさまざまな課題について、候補者ひとりひとりの意見を聞きたいとの声が高かったのですが、結局、候補者が個別に発言する機会は与えられませんでした。現職理事の中にも、例えばQSLカードの転送遅延問題について、財政問題について、電波法令問題について、本当は様々なお考えがあると思うのですが、髙尾・日野岳執行部は、現職理事らに頑なに答弁させませんでした。いったい、何を恐れているのでしょうか。

現職専務理事である日野岳候補の否認は、髙尾・日野岳執行部の組織運営に社員から「ノー」が突きつけられたに等しく、日野岳充氏を推薦し、社員総会でも持ち上げていた髙尾氏の推薦責任は重いと考えます。また、社員による髙尾氏への賛成票も決して多くはありません。常識的には、髙尾氏の会長続投はありえないと思いますが、社員総会後の理事会では、現職理事らの賛成により、髙尾氏はまた会長に選任されたとのことです。

(2022-06-26 記)

東京都の「太陽光発電パネル義務づけ」の動きについてパブコメ意見提出

東京都が、太陽光発電パネルの設置をハウスメーカーに条例で義務づける案を公表し、パブコメにかけています。

パブリックコメント(東京都環境基本計画のあり方について(中間のまとめ))

太陽光発電パネル等のインバータノイズに悩まされている方々は多いと思います。私もそうです。以下の意見を提出しました。


 「東京都環境基本計画のあり方について(中間のまとめ)」の44頁16行目以下「(4)家庭部門における対策」において、新築マンション及び中小規模新築建物(住宅等)について、再エネ設備の設置を義務付けることが提案されている。ここでいう「再エネ設備」は、主に太陽光発電設備を念頭においていると理解される(33頁)。

 何より環境問題の解決は人類にとって重大な課題であることは十分認識している。一方で、太陽光発電設備が有する安全性、製造から廃棄までのライフサイクルまで視野に入れたときの環境負荷等のさまざまな問題が指摘されているが、他の意見に委ねる。私は弁護士であり、かつアマチュア無線家(第1級アマチュア無線技士)として、電波法との関係について以下の意見を述べる。

 太陽電池が発電する電気は直流であるため、太陽光発電設備には、これを交流に変換するためのインバータが含まれているところ、このインバータが、強力なノイズを広大な周波数に渡って大量にまき散らしている現実がある。従来から、中波帯~短波帯(中波ラジオ放送、短波ラジオ放送、漁業無線、自衛隊無線、アマチュア無線など)にノイズをまき散らしていることが認識されていたが、最近は、超短波帯(VHF:航空無線、消防無線、アマチュア無線など)から極超短波帯(UHF:警察無線、各種簡易無線、アマチュア無線など)にもノイズが広がっていることが確認されており、これらの無線通信に支障を与えている例が増加している。

 私が所有するラジオ放送受信機、アマチュア無線設備も例外ではない。近隣の家に設置された太陽光発電設備のインバータが発生する大量のノイズの我が家での受信状況を別紙資料にまとめた。インバータが発生するノイズは、広大な周波数にわたって等間隔に発生するのが特徴である。我が家の貧弱な受信設備(アンテナ)でも、近隣家屋に設置された太陽光発電設備等が発生するノイズがこれだけ多く受信できてしまっている。

 電波法第101条は、電波法82条を準用し、「無線設備以外の設備」が副次的に発する電波若しくは高周波電流が、他の「無線設備」の機能に継続的かつ重大な障害を与えるときは、総務大臣は、その設備の所有者又は占有者に対し、その障害を除去するために必要な措置をとるべきことを命ずることができると定めている。同条は、前提として、「無線設備以外の設備」が副次的に発する電波又は高周波電流が無線設備の機能に継続的且つ重大な障害を与えることを禁止していると解される。

 太陽光発電設備も、当然に「無線設備以外の設備」に該当し、これが副次的に発する電波又は高周波電流が「無線設備」(近隣のラジオ受信機や無線機)の機能に継続的かつ重大な障害を与えることは、電波法第101条、同第82条違反であり、本来許されないはずであるが、現実には、上述のとおりの惨状である。

 そもそも、インバータノイズによる無線通信への障害に気づいたとしても、どの家屋に設置された太陽光発電設備から発生しているのか、その発生源を特定することは容易ではない。仮に発生源を特定できたとしても、建物の所有者(一般人)はもちろん、ハウスメーカー、太陽光発電設備等の設置業者やメーカーは、遺憾ながら電波法の規制に無理解・無頓着であり、無視するか、真面目に対応しないことが多い。中には、対策を試みるハウスメーカー等もあるが、実際にノイズの除去を行おうとしても、無線工学に関する知識・経験に乏しく、ノイズの除去技術・ノウハウが確立していないため、不十分な対応に終わってしまうことが多い。電波法第101条は、総務大臣(各地の総合通信局等)に監督権限を与えているが、ノイズ被害が大量に発生していて、すでに対応し切れていない状況である。

 このような惨状を放置したまま、一般居住用家屋への太陽光発電設備の設置を推進すれば、東京都はインバータノイズで充満し、中短波放送やアマチュア無線にとどまらず、人の生命や安全に関わる各種業務無線にも必ずや支障を与え、取り返しの付かないことになることは必至である。

そこで、以下の対策と修正を求める。

・条例制定前に、太陽光発電設備の設置を推進した場合の各種無線通信に与える影響について、専門的見地からのアセスメントを実施されたい。

・アセスメントの結果、太陽光発電設備の各種無線通信に与える悪影響が甚大で、看過できないと判断されたときは、設置の義務づけ案を撤回されたい。仮に、原案どおり太陽光発電設備の設置をハウスメーカー等に義務づけるとしても、総量は無理のない最小限度に抑えられたい。

・「中間まとめ」については、33頁22行目~24行目を以下のとおり改められたい(変更箇所に下線を引いた)。

「太陽光発電設備の設置の標準化に当たっては、太陽光発電設備を安全、安心して利用できるように、導入に関する留意点・進め方、適切な維持管理、関連法令(建築基準法令、電波法令)の遵守などを、都民、太陽光発電設備のメーカー、設置業者、住宅供給業者等の事業者等にわかりやすく普及啓発していくべきである。また、太陽光発電設備のメーカー、設置業者、住宅供給業者等の事業者団体に対し、導入に関する留意点・進め方、適切な維持管理、関連法令(建築基準法令、電波法令など)の遵守などに関する啓発とノウハウ等の情報共有を行うよう求めるとともに、都としても、これらに関する啓発とノウハウ等の情報共有や、太陽光発電設備の設置により悪影響を受けた者による苦情を受け付ける専門部署を設けるべきである。」

以下は、太陽光発電設備の設置を義務づけるか否かに関わらず、早急に検討されたい。

・建築前の標識(看板)に、太陽光発電設備を設置する場合はその旨を公示するよう義務づけられたい。

・ハウスメーカー、太陽光発電設備等の設置業者やメーカーに、太陽光発電設備に関する苦情処理窓口を設けるよう義務づけられたい。

・東京都も、太陽光発電設備に関する苦情処理窓口を自ら設置されたい。 ・ハウスメーカー、太陽光発電設備等の設置業者やメーカーには、周辺の無線設備に太陽光発電設備からのノイズが支障を与えているとき、また与える可能性があるとの通告を受けたときは、ノイズを除去することを条例で義務づけられたい(電波法の規制の上書き)。


近隣の家に設置された太陽光発電設備のインバータが発生する大量のノイズの我が家での受信状況

受信日時: 2022年6月23日(木)午前9時頃 薄曇り
受信場所: 東京都杉並区
受信設備: ICOM社製アマチュア無線機(IC-7300, IC-705)。モービルホイップアンテナ

これらの受信設備は、ウォーターフォール表示機能(受信している特定の周波数だけでなく、その前後の周波数において受信されている電波を視覚的に表示できる機能)を有している。太陽光発電設備のインバータノイズは、等間隔に発生するのが特徴である。

●中波放送帯

1100kHzを中心に、約550kHz~1450kHzの範囲を表示させている。0.6付近(NHK第1)、0.7付近(NHK第2)、0.8付近(AFN)、0.95付近(TBS)、1.1付近(文化放送)、1.25付近(ニッポン放送)、1.45付近(RFラジオ日本)に現れている太い線は正規の中波ラジオ放送であるが、それ以外の縦線は近隣の太陽光発電設備等からのインバータノイズと推測される。とくに1.1、1.2付近のノイズは強力である。

●3.8MHz付近

アマチュア無線帯である。ノイズ(縦の白い線)が等間隔に発生していることがよくわかる。

●7.5MHz付近

短波放送(海外放送)帯である。ノイズ(縦の白い線)が等間隔に発生している。

●9.5MHz付近

短波放送(海外放送)帯である。やはり、ノイズ(縦の白い線)が等間隔に発生している。

●11.73MHz付近

短波放送(海外放送)帯である。放送波に混じって、ノイズ(縦の白い線)が等間隔に発生していることが認識される。

●14.09MHz付近

アマチュア無線帯である。ノイズ(縦の白い線)が等間隔に発生している。

●21.68MHz帯付近

短波放送(海外放送)帯である。ノイズ(縦の白い線)が等間隔に発生している。かなりひどい。

●27.52MHz帯付近

漁業無線帯である。ノイズ(縦の白い線)が等間隔に発生している。

●50.5MHz付近

アマチュア無線帯である。ノイズ(縦の白い線)が等間隔に発生している。

●126MHz付近

航空無線帯である。やはり、ノイズ(縦の白い線)が等間隔に発生している。

●144.22MHz付近

アマチュア無線帯である。ノイズ(縦の白い線)が等間隔に発生している。なお、この受信機では受信できないが、この前後には消防無線や警察無線といった人の生命に関わる周波数帯があり、やはりノイズが発生していると推測される。

●433.02MHz付近

アマチュア無線帯であり、都内では最も盛んに使われている周波数帯であるが、残念ながら最近は、このバンドにも近隣の太陽光発電設備が発生していると思われるノイズが確認できる。

(2022-06-23 記)

準備書面を提出しました(第11回JARL定時社員総会)

2022年6月26日に開催される第11回JARL定時社員総会に向けて、「準備書面」(事前質問書)を提出しました。

(社員総会議事運営規程第14条第1項 社員総会で質問しようとする社員は、予め社員総会の 7 日前までに準備書面をもって質問を会長あてに提出すれば優先して回答を受けることができる。)

今のJARLが抱える問題点はおおむね網羅したつもりですが、もし不足があればお知らせ下さい(当日、できる範囲で質問します)。


第11回定時社員総会準備書面

I.  第1号議題(決算の承認)に関する質問

1. 冒頭の「前年同様今年も会員数が増加し」との点について

(1) 今年1月に局免許が確認できない正員5,914名を対象に調査が行われ、免許を受けた方が約800名、准員に移行させた方が約4,100名と発表されたが、合計しても約4900人にしかならず数字が合わない。その後の継続調査も踏まえ確定した数字を明らかにされたい。

令和3年度事業報告の会員数増減グラフ

(2) 今年の会員増加数「288名」には、准員も含まれているが、今年1月の調査の結果、正員から准員に4000名以上も移行している。准員の中には、すでに逝去された方や行方不明の方、会費が必要がないので名前だけ残っている方も含まれていると思われる。准員を対象とした生存確認・会員継続意思を確認する調査は行っていないと理解してよいか。

(3) 増加したという「288名」は、今年1月の調査で再開局すると回答しながら実際には再開局していない「いまだ幽霊正員」や、生存不明な准員の数により水増しされた数字であり、実際には、「288名」も植えておらず、むしろ減少しているのではないか。これでは「2年連続会員増!」と豪語できるものではないのではないか。髙尾会長及び日野岳専務理事のご見解を伺いたい。

(4) (要望)今後、正員の局免調査は、選挙が行われる年の前年に定期的に行われたい。また、合わせて、准員についても、会員継続意思を確認し、確認できない准員については、「会友」等、会員外の新たなカテゴリーに移すことをご検討頂きたい。

2. 「当期経常増減額は▲4百万円と収支均衡となり」との点について

(1) 令和3年度は、令和2年度に引き続きコロナ禍で活動が制約されていたのだから、令和2年度と比較して赤字額が減ったとしても意味がない。そこで、経常費用につき、コロナ前の令和元年度と比較する。

赤で塗った総会費、理事会費、地方本部費、旅費交通費、諸委員会費、国際協力費が大きく減っており、その減少額は1800万円を超えている。これらの費目が減ったのは、コロナ禍で活動が制約されたからにすぎず、コロナ禍が収束すれば復活してくる費目である 。

(広告活動費が大幅に減少しているのはハムフェアが開催できなかったからである。ハムフェアが復活すると広告宣伝費は増加するが、入場料収入(雑収益)で回収できると考えられるので、ここではひとまず問題にしない。)

つまり、今年の赤字額が400万円に押さえられたのは、たまたまコロナ禍があったからにすぎず、コロナが収束するとともに赤字はまた増えていくことが予想されるが、会長及び専務理事のご見解を伺いたい。それとも、髙尾会長の支部訪問は、経費節減のため今後も控えられると理解して良いか。

3. 紙JARLニュースについて

(1) 赤字財政を抜本的に解決するためには、大口の支出である紙JARLニュースとビューロー費(黄色で塗った項目)に手を付ける必要があることは明らかである。環境保護の観点からも、紙の削減に取り組み、浮いた経費を若者に対するアマチュア無線振興策に振り替えるといった施策を採るべきと考えるが、髙尾会長及び日野岳専務理事のご見解を伺いたい。
(2) 例えば、JARL Webに掲載される情報はJARLニュースに載せるのをやめてページ数を減らし、かつ希望者にはPDFでの送信に切り替えれば、年4回のJARLニュース発行回数を増やすこともできると思われる。その方が会員にとってもメリットになり、新入会員のつなぎ止め策にもなると思うが、いかがか。

4. QSL費について

(1) 第54回理事会報告によれば、令和2年度のQSLカードのビューローへの到着枚数は前年比117%と大幅増加したとのことであったが、令和3年度のビューローへの到着枚数は、前年と比較して何%増加したのか。

(2) ビューローから会員へのカード発送は、料金後納郵便と宅配便(信書便)で行われているが、全部でそれぞれ何区分あるのか。また、区分ごとの発送数(人数)を開示されたい。実際には、会員の利用枚数には偏りがあり、少数の会員のために多額の送付料が費やされているようにも思われるのでお尋ねする。

(3) QSLカードの転送にかかる期間は、コロナ前は3ヶ月ほどであったが、最近は8ヶ月から9ヶ月かかっているというのが多くの会員の体感である。大量のQSLカードがビューローに滞留しているのではないか。保管状態は大丈夫か。倉庫は足りているのか。

(4) ビューローでのカード受け入れ時の”FROMチェック”(JARL会員であることのチェック)は、カードがビューローに届いてから何日くらいで行われているのか。”FROMチェック”が遅れると、カードがビューローに届いたときは会員だったのに、”FROMチェック”の次点では会員期間切れと判断され転送が拒否されるといった不合理な事態が生じかねないため、お尋ねする。

(5) ビューローの処理枚数を増やすために、人員の追加などの対策は検討していないのか。

(6) このままでは、いずれ転送期間は1年を超え、せっかく入会してくれた会員が1回もQSLカードを手にしないまま退会するといった悲惨な事態にもなりかねないが、髙尾会長及び日野岳専務理事はどのような対策を考えているか。例えば、「カードの送付を一時的に3ヶ月くらい待って欲しい」といった呼びかけをし、その間に滞留したカードを処理することは考えられないのか。

(7) 昨年の社員総会で、執行部として、万が一、今の受託会社から契約の更新を断られた場合のバックアッププランは用意していないとのことであったが、その後、バックアッププランの検討は行ったか。

(8) (要望)今後は、ビューローへの月ごとの到着枚数と、ビューローで滞留しているカードの枚数、ビューローから発送される料金後納郵便と宅配便(信書便)の区分ごとの人数の公表を検討されたい。

II.  第2号議題(役員の選任)に関する質問

1. 「課題解決に向けての議論のご提案」について

(1) 今年1月、JH4PHW坂井社員、JJ1WTL本林社員、私の3名は、JARLが今すぐに取り組むべき緊急の課題を、①カード転送の安定化、②法制度・バンドプラン改善対応、③財政健全化の3点と考え、髙尾会長に対し「課題解決に向けての議論のご提案」をお送りした。これに対し、髙尾会長から、私たちが指摘した課題について、しっかり協議を行い、会員の皆様、アマチュア無線の発展に向けて取り組んで行くので、今後共、ご協力の程、よろしくお願いしたい、との回答を受け取った。そこで、具体的にどのような協議をおこなったのかについて、髙尾候補のご説明を伺いたい。

(2) その後、17名の理事・監事候補者のみなさまに、3点の緊急の課題についてご意見を伺うアンケートを行ったが、お返事をいただけた候補者は、

JA2HDE 木村 時政氏 元
JG2GFX 種村 一郎氏 元
JH3GXF 安孫子 達氏 元
JR3QHQ 田中  透氏 元
JH4NMT 松田 佳之氏 新人
JA9PPC 森田 喜邦氏 新人

の6名のみで、他の候補者からは一切返事がなかった。特に、現職の理事・監事からはひとりも返事がなかったことに驚いている。理事や監事になられようという方々であるから、まさか意見がないということはないと思いたい。そこで、社員総会の場で、返事をされなかった11名の皆さんひとりひとりから、上記の3つの課題について、ご意見を伺いたい。

(3) 1月に提案文書を送った後、○○氏及び○○氏からは、重要な問題なので理事会で議論したいとのお返事を頂いていたのだが、その後はお返事がなくなってしまった。どなたかが、両氏を含む現職役員の皆さんに、「山内らのメールには回答するな」と止めたとしか思えないが、髙尾候補のご見解を伺いたい。

2. 日野岳候補に対するご質問

(1) 知床遊覧船
知床における事故をきっかけに、遊覧船でのアマチュア無線機の不法・違法運用が明るみになったが、当初から無線免許の有無に焦点を当てた報道はなく、多くのアマチュア無線家がもどかしく思っていた。JARLとして、早期の段階で報道機関を集めてアマチュア無線制度に関する解説(レク)を行ったり、アマチュア無線機の不法・違法運用について断固反対する声明を出したりすることができたと思うが、JARLの業務を預かる専務理事として何も動かなかったのはなぜか。

(2) 東京都太陽光パネル義務化条例
東京都が、個人住宅にも太陽光発電パネルの設置を義務づける条例の制定に動いている。これが実現してしまうと、インバーターノイズが、HF帯はもとより、144MHz帯~430MHzまで悪影響を与えることが必至であるが、JARLの業務を預かる専務理事として、どのような行動を起こすのか。政治家には働きかけたか。戸建て建設業界団体とは連携したか。

(3) 7MHz/FT8国内周波数問題
a. 昨年9月、IARUからJARLに対し、7.041MHzのFT8国内周波数の移転を検討し、12月末までに回答するよう要請があったが、IARUにおけるバンドプランの改定作業は一昨年から始まっていた話であった。バンドプランはすべてのアマチュア無線家に関係する極めて重要な事項であり、JARLの業務を預かる専務理事として、早い段階から会員に情報を周知し、議論を深めておくといった対応を取らなかったのは何故か?

b. 昨年9月のIARUからの要請から12月末の回答に至る過程で、周波数委員会やコンテスト委員会の意見を聞かなかったのはなぜか。特に、コンテスト委員会には全く知らされておらず、同委員会委員長からの異議申立書が提出されたが、どのように回答したのか。

c. 12月末に、IARUにはJARLとして何と回答したのか。それから6ヶ月経ったが、IARUにおける議論は現状どうなっているのか。

d. 今後、我々アマチュア無線家は、どう運用すればいいのか。7030-7040kHzの間に移転せよというJARLの要請は撤回されたとみて良いのか。それとも、いずれの段階で移転をさらに強く要請するのか。

e. そもそもこの問題は、告示で定められた日本のバンドプラン上、7074kHzで国内通信が行えないことに起因する。総務省にバンドプラン告示の改正は求めないのか。JARLの業務を預かる専務理事として、JARLが国際基準に合わせて柔軟に改訂できるようにするために、HFは告示から外してもらうことは考えないのか。

(4) 社会貢献活動ガイドラインについて
a. ガイドラインを、社会貢献活動に関する法令の改正と同時に公表できなかったことに責任を感じているか。JARLの業務を預かる専務理事としての認識をお尋ねしたい。

b. 日野岳候補は、昨年の社員総会で、「有識者」の協力を得てガイドラインを作成していきたいと答えたが、有識者とは誰か。総務省の担当者のことか。

(5) 555万5000円の退職金について
昨年の社員総会で、「事務局職員退職一時金支給規定」による算定額よりも多いのではないかと考え、算定根拠を質問したが、明確な回答がなかった。555万という多額の、説明できない退職金を受け取っていることは大きな問題であるが、日野岳候補は、退職金を返金する意思はあるか。

(6) 社員総会速記録の代わりとなる録画録音の公開について
昨年の社員総会で、社員総会の録画録音を公開するよう要望があり、日野岳候補は「検討する」と明言したが、どのような検討を行ったのか。検討結果が理事会報告に記載されていないのはなぜか。

(7) 個人情報保護法
a. 今年4月1日付けで個人情報保護法の改正法が施行され、各社・各団体は対応に追われたが、JARLは何か対応したか。JARLの業務を預かる専務理事としての認識をお尋ねしたい。

b. 今年3月7日のメールで、最新の局名録がヤフオクに出品されていることを日野岳候補と総務部に情報提供したが、何の対応もせず、結局、7,000円という高額で落札されてしまった。JARLとしてYahooに対し違反通報を行う等できたと思われるが、対応しなかったのはなぜか。

(8) ワイヤレス電力伝送
2.4GHz帯と5.7GHz帯に影響すると思われる「空間伝送型ワイヤレス電力伝送システム」が、今年、とうとう認められてしまった日野岳候補は、このシステムについて議論した「情報通信審議会 情報通信技術分科会 陸上無線通信委員会」のメンバーであったが、アマチュア無線に与える悪影響を排除するため、委員会でどのように行動したのか。もし何らかの行動をしたのであれば、それを会員にアピールしなかったのはなぜか。

(9) ハムフェアのパンフレットへの出展者の住所・電話番号の記載
a. ハムフェアの出展代表者は、パンフレットにおいて住所・電話番号を公開させられるが、これを嫌って出展を断念した団体もある。いまどき、不特定多数の入場者に住所・電話番号を晒す理由を、ハムフェア実行委員長である日野岳候補にご説明頂きたい。

b. 参加者にとっては、住所・電話番号よりも、むしろ、団体のホームページや代表者のメールアドレスを記載した方が役に立つのではないか。この点について、ハムフェア実行委員会で議論があったと聞くが、どのような議論が行われどのように結論付けられたのか。

(10) 専務理事の役割
日野岳候補は、専務理事の役割を何と心得ているか。例年どおりの事業を例年どおり漫然と繰り返すだけであれば事務局長以下で十分である。専務理事の役割を果たしていないとの批判にどう答えるか。

3. 髙尾候補に対する質問

(1) JARL Webやラジオ番組で取り上げるトピック
a. 髙尾候補が関与した行事に極端に偏っているが、誰がトピック選定し、記事を用意しているのか。髙尾候補が自分で選んでいると理解してよいか。

b. 昨年のボーイスカウト連盟による「JOTA 2021」の記事の中で、関東のみを取り上げ、東海や関西については一切触れられなかったのはなぜか。

(2) 東京都太陽光パネル義務化条例
今年4月5日に泉田衆議院議員がJARLを来訪された際に、髙尾候補は、「太陽光発電システムのアマチュア無線局への影響についても意見を交わしアドバイスも頂戴した」とのことであるが、どのような助言を頂き、それを今後どのように生かすつもりなのか。

(3) ワイヤレス人材育成のためのアマチュア無線アドバイザリーボード
a. 1月26日の第1回会合で髙尾候補が行った意見書は、JARL Newsの2022年春号に掲載されている。これは、誰が作成したのか。

b. 「アマチュア無線界を代表して」意見を述べたとあるが、会員から意見を公募したことはない。その結果、C4FMレピーターの解禁、D-STARやWires-Xのホットスポットに別の免許が必要とされる問題、バンドプランの柔軟化、外国人による開局手続の簡素化等、会員の要望が高い事項が含まれていない。意見を公募しなかったために、このような重大事項が欠落してしまったとの認識はないか。

c. この意見書について、hamlife.jpが4月1日の記事で報道したにも関わらず、直後に削除させたのは何故か。

d. アドバイザリーボードは、1回目が開催されてから半年が過ぎようとしているが、2回目以降が全く開催されていない。今後はどのように進んでいくのか。

(4) 不明朗な支出
一昨年に指摘された不明朗な支出について、JARLに返金・補填する意思はあるか。その一部(例えば、髙尾氏の義兄の葬儀香典代、「会員ファーストの会」メンバーによる福岡県での飲食費等)だけでも、返金・補填する意思はないか。

4. 志村監事候補(新人)に対する質問

(1) 志村監事候補は、現在は山梨県支部長・社員であり、昨年の社員総会において全国の社員から約20枚の委任状を受け、髙尾会長・日野岳専務理事・佐藤監事の解任議案の否決に大きく貢献した方である。そのような方が、現執行部に対する監査を公明正大に行えるのか。

III. 報告事項

1. 昨年の社員総会で、支部役員を当該支部の居住者に限っている地方本部組織運営規程第6条第4項(支部役員)の要件を緩和する方向での改正を提案したが、どのように検討されたのかお答え頂きたい。

2. 今年も多数の準備書面が提出されているのは、執行部と社員の対話の機会が年1回の社員総会の場しかないからではないか。例えば、半年に1回、Zoomによる「社員集会」のような対話の場を設けたらどうか

以上

知床遊覧船による「アマチュア無線」の使用はどこがダメなのか。

2022年5月9日に、知床遊覧船による「アマチュア無線」の使用が問題であると正面から取り上げた記事を毎日新聞が公表しました。

知床遊覧船、業務にアマチュア無線 節約で常用か、関係者証言(毎日新聞 2022/5/9 20:06(最終更新 5/9 20:06) )

『アマチュア無線は「金銭上の利益」を目的として業務で活用することが電波法で禁じられている。違反すれば、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される。だが、複数の関係者によると、知床遊覧船は今シーズン以前も運航する船同士や事務所との通信を主にアマチュア無線で行っていた。・・』
『別の関係者は「アマチュア無線を業務で使うのが違法だということは知っていた。本来ならば衛星電話をメインに使い、使えなくなった緊急時にアマチュア無線を使うのが普通」との認識があったが、「実際は日常的にアマチュア無線の使用を続けていた」と証言した。』

5月11日には、北海道総合通信局の職員が現地入り。12日には、事故を起こした知床遊覧船社にも調査を行うと報じられています。

【任意調査】観光船の無線使用を調査開始 北海道・知床沖沈没事故 政府の対策検討委も議論スタート(STVニュース)

『(北海道総合通信局 山田誠哉さん)「目的外で使ってはいけないので、常態化しているのであれば違反ということになりますので、見極めて必要な措置をとっていく」』

電波法令に照らして整理してみます。

アマチュア無線局の免許を受けていないとしたら・・

まずもって、アマチュア無線局は、試験又は講習を受けて合格し「アマチュア無線技士」の資格を取得した人が、総務省から「アマチュア局」の免許を受けなければ、開設してはいけません。

電波法第4条第1項 無線局を開設しようとする者は、総務大臣の免許を受けなければならない。(以下略)

電波法第39条の13 アマチュア無線局の無線設備の操作は、次条の定めるところにより、無線従事者でなければ行つてはならない。(以下略)

もし、知床遊覧船社を含むあの海域の遊覧船業者が、「アマチュア局」の免許を受けずに遊覧船に「アマチュア無線機」を設置していたとすれば、電波法第4条違反として、行政処分の対象となりえ、さらに1年以下の懲役または100万円以下の罰金という刑事罰が課される可能性もあります(電波法第110条第1項)。

用語法としては、「無免許」で設置された無線機も、いちおう「無線局」(電波法第2条第5号)には該当しますが、「違法不法に設置された無線局」です。報道は、「アマチュア無線」という言葉をカジュアルに使っていますが、正規の免許を受けていなければ「違法局不法局」であり、「アマチュア局」「アマチュア無線」と表現するべきではありません。私は、「違法局不法局」に使われた「アマチュア無線機」がかわいそうでなりません。

(2022-05-14追記 一般法律用語としては「違法」と「不法」はほぼ同義語だと思うのですが、総務省・各総合通信局は、「違法局」=「正規な免許を持っている無線局が、違反をした場合」、「不法局」=「免許を受けないで無線機器を使用する場合」と区別しており(関東総合通信局の「監視FAQ」参照)、NHKも、「不法」には「法律に違反していることのほかに、反社会的な行為を含む」としている、とのご指摘を頂きました。修正致します。)

いちおうアマチュア無線局の免許を受けていたとしても・・・

もっとも、今日5月11日の時点で、このような報道もあります。遊覧船業者は、アマチュア無線局の免許は一応持っているのかもしれません。 →ゴジラ岩観光社ではアマチュア局の免許が切れており、また、知床観光船社でも、3台のアマチュア無線機のうち2台について、アマチュア局の免許が確認できなかったとのこと。下の(2022-05-12追記)参照。

『北海道総合通信局山田誠哉無線通信部長:「無線局の免許だけでは確認できないので直接話を聞き、そういった事実があれば適切な措置を講じていきたい」』(FNNプライムオンライン 北海道文化放送 2022年5月11日 水曜 午後0:15『知床観光船 “電波法違反”の可能性 アマチュア無線を日常的に使用か 国が聞き取り調査へ』

『担当者によりますと、11日に聞き取りを行った2社では違反などは確認されなかったということです。』(NHK北海道 NEWS WEB 『観光船の無線利用実態 北海道総合通信局が聞き取りを開始』

では、「アマチュア局」の免許を受けていれば無罪放免なのでしょうか。

アマチュア無線局には「個人局」と「社団局」があります。そこで、遊覧船業者の従業員が「個人局」を開設し、遊覧船に備え付けていたパターンが考えられます。ですが、複数の「個人局」で同じ無線機を使うことはできません(設備共用の原則禁止。電波法関係審査基準別紙1 無線局の局種別審査基準 第15 アマチュア局 19 設備共用)。遊覧船に、従業員の人数分の無線機を設置していた様子はないので、まずその点が問題になりそうです。

また、遊覧船業者の従業員が集まって「社団局」を作り、遊覧船に備え付けていた、というパターンも考えられます。この場合、設備共用の問題は生じません。もっとも、現地(北海道斜里郡斜里町)にある社団局は「知床ハムクラブ」のみです。遊覧船とは関係なさそうです。

https://www.tele.soumu.go.jp/musen/SearchServlet?IT=J&HC=01&HV=545&HZ=3&SelectID=1&SelectOW=01&DC=100&SK=2&pageID=3&SC=101&CONFIRM=1#result

いずれにせよ、アマチュア無線局の免許を正式に受けていれば、電波法第4条違反にはなりません。ですが、報道もされているように、「アマチュア無線を業務に使うことは禁じられています」。正確には、「金銭上の利益のため」にアマチュア無線を使ってはいけないことになっています。

無線局の免許には、「無線局の目的」「通信事項」「通信の相手方」「移動範囲」「周波数」等の制限がかかっています(「指定事項」)。「アマチュア局」の場合、その「目的」は「アマチュア業務」に限られ、「通信事項」は「アマチュア業務に関する事項」に限られています。「アマチュア業務」とは、「金銭上の利益のためでなく、もつぱら個人的な無線技術の興味によつて行う自己訓練、通信及び技術的研究その他総務大臣が別に告示する業務を行う無線通信業務をいう。」と定義されています(電波法施行規則第3条第1項第15号)。

遊覧船業者は、遊覧船を運航することによりお客さんから料金を得る事業、つまり、「金銭上の利益のため」の事業を行っています。その事業の中でアマチュア無線を使えば、免許で指定された「目的」「通信事項」を逸脱して、アマチュア無線を使ったことになります。

報道によれば、知床遊覧船社では、「日常的にアマチュア無線の使用を続けていた」とのことです。「日常的に」というのは、出港や現在位置、帰港予定の連絡にアマチュア無線を使っていたということでしょう。もしそれが事実であれば、

「金銭上の利益のため」にアマチュア無線を使用していた
→アマチュア無線局の「目的」・「通信事項」を逸脱した使用をしていた
→電波法第52条1項柱書本文違反

ということになるでしょう。

第五十二条 無線局は、免許状に記載された目的又は通信の相手方若しくは通信事項(特定地上基幹放送局については放送事項)の範囲を超えて運用してはならない。(以下略)

行政処分の対象になりうるほか、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられる可能性があります(電波法第110条第5号)。この罰則は、無免許の場合と同じレベルです。

なお、タクシーがアマチュア無線機を載せているケースがあります。タクシー業務の連絡にアマチュア無線を使っていれば「金銭上の利益のため」の運用でアウトですが、空車の時に他のアマチュア局と遠距離交信チャレンジや雑談をするための運用であれば、「金銭上の利益のため」とは言えずセーフです。もっとも、遊覧船が「空車」で海に出ることは考えられないので、「他のアマチュア局と雑談するために無線機を載せてました」という言い訳は通用しないでしょう。

アマチュア無線による非常通信

さて、今回の痛ましい事故の直前に、遭難した「KAZU I」の船長と近隣の遊覧船事業者との間で、「アマチュア無線」による連絡がなされたと報道されています。

【証言】あの日何があったのか 無線で「KAZUⅠ」と連絡を取った同業者が語る緊迫の事態 北海道・知床沖観光船不明(STV News 2022年4月29日)

『(ゴジラ岩観光の関係者)「当社のアマチュア無線なら連絡がつくかもしれないので、自社に戻ってアマチュア無線の電源を入れた。電源を入れて2から3回、『KAZUⅠ豊田さん』と呼びかけた。こちらから呼びかけても返答がないのが数十秒続いて、向こうから声が聞こえた。今どこですかと聞くと、ちょっと見渡したような感じで、カシュニという声が聞こえている。カシュニなので、戻るのにかなり時間がかかるという会話をした。緊迫した様子はなかった」』 →以下「交信1」

『(ゴジラ岩観光の関係者)「無線で問いかける前に、向こうから救命胴衣渡せみたいな指示が聞こえた。現場から緊迫した状況が聞こえた。豊田船長の声。無線を取って『KAZUⅠ豊田さん、どうしました』とエンジンが停止して、船の前の方が沈んでいるということで動けない状況」』 →以下「交信2」

「交信1」の時点では、「KAZU I」は難にあっているようには見えず、単なる現在位置の連絡にアマチュア無線を使っています。もし、知床遊覧船社とゴジラ岩観光社がきちんと無線局の免許を受けていたとしても、「金銭上の利益のため」にアマチュア無線を使っていますので、アマチュア無線局の「目的」「通信事項」を逸脱した使用をしており、同法52条1項柱書本文違反、ということになるはずです。

加えて、アマチュア無線局に割り当てられる「コールサイン」(呼出符号)ではなく「KAZUⅠ豊田さん」という呼びかけをしてしまっていますので、無線局運用規則第18条が準用する同第20条第1項違反にも該当しそうです。

無線局運用規則第20条 呼出しは、順次送信する次に掲げる事項(以下「呼出事項」という。)によつて行うものとする。
一 相手局の呼出符号 三回以下(海上移動業務にあつては二回以下)
二 DE 一回
三 自局の呼出符号 三回以下(海上移動業務にあつては二回以下)

では、「交信2」はどうでしょうか。

(目的外使用の禁止等)
第五十二条 無線局は、免許状に記載された目的又は通信の相手方若しくは通信事項(特定地上基幹放送局については放送事項)の範囲を超えて運用してはならない。ただし、次に掲げる通信については、この限りでない。
 遭難通信(船舶又は航空機が重大かつ急迫の危険に陥つた場合に遭難信号を前置する方法その他総務省令で定める方法により行う無線通信をいう。以下同じ。)
 緊急通信(船舶又は航空機が重大かつ急迫の危険に陥るおそれがある場合その他緊急の事態が発生した場合に緊急信号を前置する方法その他総務省令で定める方法により行う無線通信をいう。以下同じ。)
 安全通信(船舶又は航空機の航行に対する重大な危険を予防するために安全信号を前置する方法その他総務省令で定める方法により行う無線通信をいう。以下同じ。)
 非常通信(地震、台風、洪水、津波、雪害、火災、暴動その他非常の事態が発生し、又は発生するおそれがある場合において、有線通信を利用することができないか又はこれを利用することが著しく困難であるときに人命の救助、災害の救援、交通通信の確保又は秩序の維持のために行われる無線通信をいう。以下同じ。)
 放送の受信
 その他総務省令で定める通信

「エンジンが停止して、船の前の方が沈んでいて動けない状況」は、電波法第52条第1号の「船舶又は航空機が重大かつ急迫の危険に陥つた場合」に該当し、その場合の通信は「遭難通信」に該当するでしょう。この場合、同条ただし書きにより、無線局の「目的」「通信事項」の制限が外れます。そこで、アマチュア局でも「金銭上の利益のため」に通信を行ってよいことになります。

もし、ゴジラ岩観光社(の従業員)と知床遊覧船社(の船長)がアマチュア無線局の免許をきちんと受けていれば、「交信2」それ自体は適法ということになりそうです。ちなみに、アマチュア局は通常アマチュア局としか交信できないのですが、遭難通信の場合、無線局の「通信の相手方」の制限も外れるので、例えば海上保安庁や警察の無線局との交信もできることになります(周波数や電波型式等の条件が合えば、ですが・・)。

ただし、先に指摘したように、遊覧船が「空車」で海に出ることは考えられず、実際には、遊覧船に乗せたアマチュア機で適法な「アマチュア業務」を行うケースはほとんど考えられないでしょう。遊覧船業者の本音としては、最初から遊覧船事業のため(「金銭上の利益のため」)だけに使うつもりでアマチュア局の開局申請を行い開局したものとして、「不正な手段により免許を受けた」として免許の取消し(電波法第79条)等の行政処分や、刑事処分としては、公正証書原本不実記載罪(刑法157条)、詐欺罪(刑法246条)等が考えられるかもしれません。

北海道総通には、できるだけ踏み込んで頂きたいものです。

なお細かい点ですが、『KAZUⅠ豊田さん、どうしました』という呼びかけは、無線局運用規則に定める手順を守っていない、という問題もあります。

(遭難呼出し)
第七十六条 遭難呼出しは、無線電話により、次の各号の区別に従い、それぞれに掲げる事項を順次送信して行うものとする。
 メーデー(又は「遭難」) 三回
 こちらは 一回
 遭難している船舶の船舶局(以下「遭難船舶局」という。)の呼出符号又は呼出名称 三回
 遭難呼出しは、特定の無線局にあててはならない。

(遭難通報)
第七十七条 遭難呼出しを行なつた無線局は、できる限りすみやかにその遭難呼出しに続いて、遭難通報を送信しなければならない。
 遭難通報は、無線電話により次の事項を順次送信して行うものとする。
 「メーデー」又は「遭難」
 遭難した船舶又は航空機の名称又は識別
 遭難した船舶又は航空機の位置、遭難の種類及び状況並びに必要とする救助の種類その他救助のため必要な事項
 前項第三号の位置は、原則として経度及び緯度をもつて表わすものとする。但し、著名な地理上の地点からの真方位及び海里で示す距離によつて表わすことができる。

では、ゴジラ岩観光社(の従業員)と知床遊覧船社(の船長)がアマチュア無線局の免許を受けていなかったらどうでしょうか。電波法第52条の主語である「無線局」は、あくまで「免許を受けた適法な無線局」を指すと考えられます。『船が沈みかけてるんだから細かいこと言うな!』というのは現実論ですが、電波法第52条は、免許を受けていない「違法局不法局」による遭難通信までOKとするものではなく、電波法第4条違反は免れないように思われます。

「無免許でも緊急避難としてOK」という荒っぽい議論をする人もいますが、電波法第52条が、遭難通信等の場合にOKになる範囲を厳密に定めている以上、それを超えて拡大解釈するのは難しいのではないでしょうか。遭難したときのために、免許がないのにアマチュア無線機を持って山に登ったりする人がいますが、電波法第52条第4号の「非常通信」にあたると認めてもらうのは難しいように思われます。

(本記事は、現時点までに公表・報道されている限られた情報をベースに書いたものです。今後明らかになる事実に基づき、訂正等することもあり得ます。またあくまで一般論を述べたものであって、法的助言ではありません。)

(以上、2022-05-11(水) 記)
(以下、2022-05-12(木) 追記)

2022年5月12日の各社報道から、いくつかの事実を拾ってみます。

【同業1社 免許期限切れ】
北海道総合通信局は、「知床遊覧船」以外に斜里町ウトロで観光船を運航している同業の観光船の運航会社からも聞き取りを行っていて、このうち1社でアマチュア無線局の免許の有効期限が切れたまま無線が使われていた疑いがあるということです。
この運航会社は、事故の当日、沈没した観光船から救助を求める無線連絡を受け海上保安庁に通報していたということです。

NHK NEWS WEB 札幌放送局『沈没した観光船の運航会社 アマチュア無線を業務で使用の疑い』

同通信局は斜里町のウトロ地区で観光船を運航する同業他社も訪問し、船との連絡体制を確認した。その結果、一部の業者が無線局開設の免許が失効した状態でアマチュア無線の通信を行っていた可能性があることも判明した。

毎日新聞『北海道総合通信局が観光船運航会社を調査 アマチュア無線使用の疑い』2022/5/12 21:13(最終更新 5/12 23:01)

アマチュア局の免許の有効期間は5年です。免許が切れたままの無線局の運用も、電波法第4条違反になります。「11日に聞き取りを行った2社では違反などは確認されなかった」との報道がありましたが、知床観光船社とゴジラ岩観光社には、北海道総通は、11日ではなく12日に調査に入ったようです。

北海道・知床半島沖の観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」沈没事故で、総務省北海道総合通信局の職員2人が12日午後、斜里町にある運航会社「知床遊覧船」の事務所で、無線の運用状況を調査した。同社の事務員から、船と事務所の定点連絡にアマチュア無線を使っていたとの説明を受けた。電波法に違反したアマ無線の業務使用が常態化していた疑いがあるとして、今後さらに詳しく調べる。

日本経済新聞『知床沈没事故、定点連絡にアマ無線 電波法違反の疑い』2022年5月12日17:14 19:03更新

これは、アマチュア無線局の「目的」「通信事項」を逸脱していた電波法第52条1項柱書本文違反の疑いがかけられている、という意味と思われます。

調査後、職員2人は報道陣の取材に応じ、無線の免許証が事務所内で見つからず、機器が誰のどのような免許に基づいて使われていたか確認できなかったと説明した。

日本経済新聞『知床沈没事故、定点連絡にアマ無線 電波法違反の疑い』2022年5月12日17:14 19:03更新

また、事務所などに計3台のアマ無線機器があったが、うち2台は無線局の許可を得ているか確認できなかったという。調査後、山田部長は「今後、桂田社長や運航に携わった元社員から事情を聴き、実態解明を進める」と述べた。

北海道新聞『定点連絡でのアマチュア無線常用認める カズワン運航会社 電波法違反の疑い』2022/05/12 22:48 更新

北海道総通の担当者は、知床観光船社の事務所だけでなく、遊覧船も調査に入ったことが写真からわかります。遊覧船も含め3台のアマチュア機が見つかったということでしょう。

アマチュア無線機は、1台1台、誰かの「アマチュア局」免許に紐付けて登録する必要があります(アマチュア無線の免許状にはその対応は書かれていませんが、総通には、免許人が申請時に提出した資料(工事設計書)が保管されているはずです。)。誰の「アマチュア局」免許に紐付いているか確認できた1台については、電波法第4条違反の問題は生じないということになりそうです。

残りの2台については、誰の「アマチュア局」免許に紐付いているか、知床観光船社の事務員がきちんと説明できなかったということでしょう。この場合、可能性としては、(a)この2台についてアマチュア局の免許を一切受けたことがない、(b)1度免許を受けたが有効期限が切れている、(c)無線局免許状が見つからないだけで有効な免許はある(自動車運転免許で言えば「免許証不携帯」)などが考えられるところです。北海道総通の担当者は、記者に対し「免許がなかった」と断定することなく、「免許が確認できなかった」という慎重な言い回しをしているものと思われます。

もっとも、このまま現物の無線機と無線局免許の対応関係を知床観光船社の側が説明できなければ、北海道総通は、2台についてはアマチュア無線の免許を受けていないと認定し、電波法第4条違反を問う意向なのかもしれません。電波法第4条違反の行政処分は、2台の無線機を(無免許で)「設置」した人に課されますが、その責任者を特定するために、さらに社長に対する事情聴取を行うということでしょうか。

また破損して発信や受信に支障が出ていた屋根のアンテナはアマ無線用だったとみられることも判明。

日本経済新聞『知床沈没事故、定点連絡にアマ無線 電波法違反の疑い』2022年5月12日17:14 19:03更新

アマチュア無線家の間では、あれはアマチュア用のアンテナだと噂されていました。やはり、というところでしょうか。

(以上、2022-05-12(木) 追記)
(以下、2022-05-13(金) 追記)

昨日に続き、各社の報道から拾います。まず読売新聞の続報です。

『一方、今回の調査にあたり、同局は、同社の住所で個人が使用許可を取ったアマチュア無線機の記録を持参。利用実態を調べようとしたが、事務所にあった無線機は、記録にないものだった。カズスリーにあった2台の無線機のうち1台が記録と同じモデルということが確認できたのみ。誰が使用許可を得ているのか不明な無線機について、社員は「元社員のものではないか」と説明したが、無線の免許に関する資料も見当たらず、実態は分からなかったという。』

『アマチュア無線を使っていたと証言する社員、調査担当者「無線をよく分かっていなかったのでは」』(2022/05/13 07:28)

昨日、「総通には、免許人が申請時に提出した資料(工事設計書)が保管されているはず」と書きましたが、予想どおり、北海道総通の担当者は、その「アマチュア無線機の記録」を持参して調査されていたようです。

STVと北海道新聞の動画で、北海道総通担当者の肉声を聞くことができました。

【アマチュア無線】業務用との違いは?機材費や安定性も 知床遊覧船が日常業務に使用の疑い(5/12(木)「どさんこワイド179」  5/12(木)18:48更新

「禁止のアマチュア無線常用認める カズワン運航会社 電波法違反の疑い(05/13 00:58 更新)」 
どうしん電子版 https://www.hokkaido-np.co.jp/article/680092/
YouTube版 https://youtu.be/I5WZISXftco?t=38

  • (本社の調査後)「滝を通過したとかですね、報告のポイントがあるそうですので、そのポイントを通過した時点で、その旨の報告をするという連絡をされていました、と」
  • 「アマチュア無線の部分につきましてですね、違反の疑いがあるというところはある程度やりとりできたんですけれども、お話しした方が社員さんでございまして、代表権のある方ではございませんでしたので、代表権のある社長様の方から正式な報告を改めて確認させていただいた上で、適正な措置を行うと・・・」
  • 「事務室にアマチュア無線機があったんですが、その無線機がどなたが設置してどなたが使っていたかというのが、明確にならなかった」
  • (KAZU Ⅲの調査後)「1台は我々の方で確認していたデータと一致した。もう1台付いてまして、そちらの1台が、未確認の1台だったということでございます。あと簡易無線局もあるかどうかというところを確認したかったんですけれども、確認はできませんでした。」

知床観光船社には3台のアマチュア無線機があったと報じられていましたが、内訳は、本社に1台、KAZU Ⅲに2台設置されていたこと、そのうちアマチュア局の免許が確認できたのはKAZU Ⅲに設置されていたことがわかります。そして、北海道総通の担当者は、そのアマチュア無線機の所有者・設置者が誰だったのか(=誰を対象に処分をするのか)を慎重に見極めようとされていることがうかがわれます。

北海道総通は、「不法局」だけでなく「違法局」(違法運用)に対しても積極的に行政処分を課された実績があります。

アマチュア無線は人類共有の公共財である電波を使い、電波工学の技術を駆使して世界中の仲間と交信実験を行う趣味であり、我々無線家は、電波法その他のルールを遵守し、誇りを持って電波を出しているつもりです。なのに、業務用無線よりも安いからと安直にアマチュア無線機を買ってきて仕事に使う人たちが、跡を絶ちません。

私はここ数日、趣味を汚された怒り、悲しみを、この記事にぶつけてきました。当局におかれまして、慎重かつ積極的な措置を執られることを期待申し上げています。

(以上、2022-05-13(金) 追記)

「杉並区アマチュア無線クラブ」合同運用

7K1BIBの常置場所がある東京都杉並区(JCC100115)は、今年で区制施行90周年を迎えます。

杉並区区制施行90周年(杉並区のウェブサイト)

アマチュア無線界としてもこの慶事をお祝いし宣伝したく、JN1VVR局が中心となって「杉並区区制施行90周年記念局」を(体験局付きで)をやりたい!というプロジェクトが始まりました。まずはその母体を作ろうと、「杉並区アマチュア無線クラブ」の社団局を申請中です。

さて、2022年5月5日(祝)、杉並区内の数少ない高台、大宮夕日が丘広場に、発起メンバー数名が集まりました。

いつもは自宅から夕日が丘広場まで散歩がてら歩いて行くのですが、今日は機材が多いのでバスを使いました。いい天気。遠足みたいにワクワクしています。

12時少し前に現地到着。他の皆さんはもう始めていました。これは「ハンディホイップもラジアルを付けると飛びが良くなる」というイケナイこと(ってことはないですが)を、大の大人がよってたかってFUI高校生君に教えている図。

さて、今日は、試してみたいことが3つありました。

試したかったこと:その1

ダイヤモンドアンテナのRHM12を立てるのにちょうどよさそうな三脚をAliExpressで調達できたので、試してみること。

風もゆるやかで、しっかりと立ちました。基台はコメットの万能基台CST-20です。

ただ、ラジアル線5本引いてみても、29MHzでSWRが2以下に下がりません。ラジアル線を伸ばしてもくしゃくしゃに丸めてもダメ。三脚を伸ばしてみてもダメ・・・天を仰ぐと、そこには木陰を作っている大木が。ひょっとして生木の下ではダメか?と思い、試みに木の下から抜け出してみると・・・バッチリ1.5以下に下がりました!地面の状態は変わらなかったので、おそらくこの木の影響と思われます。こんなことは初めての経験でした。

で、29MHz/FM帯を聞いてみると、8エリア北海道が大オープンしています。VVR局は、今話題の10mハンディ機「QTY28」4Wで江別市とQSOに成功し、至極ご満悦^^。私もRHM12+IC-705/5Wで小樽とつながりました。

試したかったこと:その2

しばらく前に調達した持ち運びできるクロス八木でFMサテライトに挑戦。14時過ぎのPO-101はダウンリンクを受信できたものの、訳がわからずQSOならず。14時40分過ぎのSO-50を狙います。

今回は、430MHzダウンリンクのワッチはFUI局にお願いし、私は144の送信に集中。パスの後半、九州局が私のコールサインを呼ぶ声をFUI局が見事にキャッチしてくれて、QSOに成功!これが、私にとって初のサテライト交信になりました!

試したかったこと:その3

こどもの日の今日は、南極の8J1RLと日本の子供たちとのスケジュールQSOが予定されていました。17時過ぎ、南大塚のJA1RLだけでも聞こえたらいいかなとワッチ開始。

なんと、RHM12とIC-705の組み合わせで、JA1RL側だけでなく、8J1RLも51で受信できてしまいました。去年は大阪池田市の1kW関ハム記念局8N3Qですら南極からの信号を受信できなかったのです。サイクル25が進んで、コンディションは確実に上がっていますね!杉並区クラブのメンバーと喜びを分かち合いました。

どうもいろいろくっちゃべってしまってQSOはあまりしませんでしたが、爽やかな初夏の陽気のもと行われた「杉並区アマチュア無線クラブ」の合同移動運用、中身の濃い1日となりました。

(2022-05-05 記)

ご支援ありがとうございました(2022年JARL選挙・社員当選)

2022年4月17日(土)夕刻、2022年JARL選挙の開票結果が公表されました。465票(関東地方本部区域で2位)というたくさんの皆様のご支持をいただき、関東地方本部区域の社員に当選することができました。ご支援ありがとうございました。

令和4年4月16日付け選挙結果告示より

JARL選挙は候補者情報が少ない、そもそもどういう視点で選んだらよいのかわからないと言われます。今回も、私の所信表明だけでなく、

JARL選挙は何を選ぶのか(2022年版)
2022年JARL選挙の候補者情報

という記事を書きました。特に候補者情報の記事の閲覧数は1500回以上に達し、少しでも皆様のお役に立てたのでははないかとうれしく思っています。

また、私が一緒に社員として働きたいと思っている方が、今回もたくさん当選されました。特に、関東のJI1RKA板橋直樹さんと、東海のJN2OFP山田剛士さんという若きお二人が当選されたことを、自分のことのように喜んでいます。私は、今のJARL会員の中心世代ある70~60代の皆様からJARLとアマチュア無線を受け継ぎ、活性化させ、このお2人を含む次の世代に引き継いでいかなければならないと、改めて心に刻んでいます。

さて、社員としての次の仕事は、6月26日(日)に予定されている社員総会です。今年は、2021年度決算の承認に加え、理事の選任があります。緊急の課題を3つ挙げ、JH4PHW坂井志郎社員、JJ1WTL本林良太社員と連名でJARL髙尾義則会長にお送りした「課題解決に向けての議論のご提案」は、執行部に無視されたままですが、この事実は、現職理事である候補者の方々に、JARLの課題を解決する意思と能力があるのかを判断する重要な材料になると考えています。JARL会員の皆様から託された社員総会での投票権をどのように行使するか、社員総会当日まで2ヶ月、じっくり考えたいと思います。皆様のご意見をお寄せ下さい。

(2022-04-18 記)


2022年JARL選挙の候補者情報

そろそろ、投票用紙が送られてくる時期になりました。

何より大事なこと

JARL選挙は、私たちアマチュア無線家の代表組織の運命を誰に託すのかを決める選挙です。アマチュア無線家の人気投票ではありません。どうか、「コールサインを知っているか」だけで決めないで下さい。この記事などを参考にしていただき、どうか棄権だけはされないようにお願い申し上げます。

JARL公式選挙公報

JARL Webに掲載されています。個人的な活動の説明ではなく、今後JARLをどうしていきたいのか、具体的にビジョンを示している方には好感が持てます。そして、若い方にもっともっと活躍して頂きたいと思います。

選挙ハガキ・選挙メール

一部の地域で、会長や理事が社員を推薦?する選挙ハガキや選挙メールが送られているようですが、おかしいと思いませんか?逆です。社員が、社員総会で理事を選任するのです。JARL資金の個人的な流用など、理事や会長がおかしなことをしていれば、会員の代表として、きちんと物申せる人が社員にならなければいけません。会長の推薦をうけた社員は、会長や理事には何も言えないのではないでしょうか。

どこから入手したか不明な住所録を使い、どこから出ているかわからない資金で、ふわっとした文言が並ぶ選挙ハガキやメールが有権者に送りつけられる。他方で、全候補者が掲載されている選挙公報はわざわざダウンロードしなければ読むことができず、公聴会のような機会もなく、まともな政策論争が行われない。こんな不公平な選挙で、JARLが良くなっていっているのならいいのですが、果たしてそうなのでしょうか?

理事・社員一覧表

JJ1WTL本林さん渾身の一覧表です。候補者の過去の経歴が一目でわかります。長く務めているからといって良い方とは限らないと思いますが、重要な参考資料です。

同じく本林さん作成の「社員総会でのアクティビティのまとめ」もご覧下さい。選挙公報ではよさそうなことを言っていても、実際に社員総会で「社員」としての役割を果たしている候補者なのか、その判断材料になると思います。(2022-03-29追記)

候補者情報一覧表

前回は僭越ながら私が一覧表を作成しましたが、今回は、JI1ARIとしみちさんが作成してくださいました。ブログやTwitterなど、各候補者が発信されている情報にアクセスできる必見の資料です。感謝申し上げます。

Noteの記事「JARL選挙2022」 https://note.com/ji1ari/n/n747f93afb1b1

Twitterの投稿

以下、各エリア別に私が知っている情報を書いていきます。

1エリア社員

定員20名に対し29名が立候補する激戦となりました。7K1BIB山内に清き1票をお与えください。私の所信はこちらです→ JARL選挙立候補に当たっての所信(2022年関東社員)

または、若きプログラマー、JI1RKA板橋直樹さんに1票をお願い致します。彼は前回惜しくも落選でしたが、準備書面を作成して社員に質問を依頼する等、「現職社員並み」の働きぶりでした。バーチャル・ハムフェス2021で彼のリモート運用とFaxについての講演を聴いた方も多いのではないでしょうか。即戦力として働くと仰っています。板橋さんのブログはこちら。ソフトもダウンロードできます→ http://senkyo.ji1rka.radio/ http://blog.ji1rka.radio/ )。

髙尾会長と極めて近い候補者の選挙公報には「共通点」があるのにお気づきでしょうか。1行目にオレンジ色の標語が書かれている伊藤広信氏、渡辺氏(電子QSL委員)、比嘉氏(会員増強組織強化委員会委員)、仙石氏、鈴木氏(社員総会議長)の5名が該当します(板橋さんは違いますよw)。JA1MUY仙石氏は、2020年の社員総会で2・3エリアの理事全員の否認、2021年の社員総会でも髙尾会長・日野岳専務理事の解任議案否決に大きく貢献された方であり、当落が注目されます。

2エリア社員・3エリア社員

どちらも、今の執行部の問題点を鋭く指摘されている方々が多い選挙区です。このエリアでは、どなたに投票しても間違いはないと思いますが、個人的に、古くからの友人である若手候補、JN2OFP山田剛士さんを、どうぞよろしくお願い申し上げます。

秋田氏については、髙尾会長の推薦ハガキが送られているとの情報がありました。選挙公報の所信欄をよく見ると、1行目がオレンジ色、1エリアの5名と同じパターンでした。(2022-03-29追記)

4エリア

今回の最注目選挙区です。

中国本部長・理事選は、現職のJE4WWK金子氏と、元中国社員のJH4NMT松田氏が対立する構図です。金子氏は髙尾会長の全面的な支援を受けています。前回の選挙で、髙尾会長と連名で送付した選挙ハガキが局名録に掲載されていない会員住所に届いて問題となり、異議が2件も申し立てられましたが、理由らしい理由も示されず却下されるというとんでもない事件が起きました(JARL選挙の公正は死んだのか(その2))。松田氏は社員としてのご経験が豊富で、JARLの現状に対する問題意識の非常に高い方です(松田氏のブログ→ http://4nmt.seesaa.net/)。

4エリア社員は、定数8名に対し10名が立候補。試みに県別に見てみると、鳥取県のJH4MGU太田氏、島根県のJJ4QKY河村氏、JA4DND松浦氏はいずれも経験豊富な現職です。岡山県からは、元理事・地方本部長のJA4DLF綱島氏(JARL正常化タイムズの編集者)と、髙尾会長らを支持する大崎氏が出馬しています。広島県から出馬されているJN4THO猶崎氏は35歳の若手で、個人的に期待しています。山口県からは4名が立候補するという大混戦で、JARLの現状に問題ありと考えるJA4LKB上田氏・JH4OUH児玉氏と、現執行部の支援を受ける青池氏(元山口県支部長)・末広氏、という構図です。

このエリアでどなたが落選するかによって、社員総会全体の構図が大きく変わります。

5エリア

無投票になりました。個人的には、バランス感覚に優れ誠実なお人柄の森田理事には、もっともっとご活躍頂きたいと思っています。

6エリア社員

定数8名。前回は立候補者が6名しかおらず無選挙でしたが、今回は10名が立候補され選挙になりました(現職6名・新人4名)。佐々木秀樹氏、中村博雄氏、佐々木正文氏を推薦する九州地方本部長名義のメールが出回っているようですので、この3人(いずれも福岡)は髙尾会長に近い方々と推測されます。個人的には、JR6IKD中嶋邦浩氏(熊本)、JH6QIL楠本真一氏(鹿児島)、JA6UHD河本鉄行氏(熊本)を応援します。

このエリアでも、どなたが落選するかによって、社員総会全体の構図が大きく変わります。

7エリア

7エリアも注目選挙区です。

青森県支部長・社員選は、現・東北社員であるJR7JAW槻木澤氏と、JL7GNT大向氏の一騎打ちとなりました。前回の選挙で、髙尾会長と槻木澤氏が連名で送付した選挙ハガキが局名録に掲載されていない会員住所に届いて問題となり、槻木澤氏は「勧告」との処分を受けています(JARL選挙の公正は死んだのか)。なのに、今回も連名のハガキを送っているようですね。槻木澤氏は、昨年の社員総会でも、髙尾会長・日野岳専務理事の解任議案否決に大きく貢献されました。他方で、JL7GNT大向氏は、八戸クラブの会長として地元から熱烈に支援されている方と伺っています。私なら大向氏に投票します。

山形県支部長は、前回も選挙でした。

7エリア社員は、定数8名に対し9名が立候補されています(現職6名、新人3名)。髙尾会長が、新人の安斎氏(青森)を推薦するハガキが出回っているようです。個人的には、JA7BCE市川氏(福島)とJK7LXU石岡氏(青森)を応援します。

8エリア

8エリア社員は、定数4人に対し5名が立候補。年の若いJE8KQR大國さんに頑張って頂きたいと思っています。坂森氏を推薦する髙尾会長と正村地方本部長連名の選挙ハガキが出回っています。(2022-03-26 20:15追記)

9エリア

無投票になりました。JARLの現状を憂いている社員の方が多いエリアです。

0エリア

0エリア社員は、定数4名に対し5人が立候補されています。すみませんあまり情報がありません。お持ちの方はお寄せ下さい。

14人の支部長社員の交代

去年の社員総会で、投票権のある社員132名中、赤字決算はあと10数人が反対に回れば不承認とされていました。また、髙尾会長の解任議案はあと9名、日野岳専務の解任議案はわずか5名が賛成に回れば可決されていたところでした。

今回、14の支部で支部長が交代されました。ある支部では、会長が対立候補を立てようとしたが立てることができず無投票になったと聞いています。すでに、社員総会の勢力分布は大きく動いていると思われます。

繰り返しますが、どうか、棄権だけはされないようにお願い申し上げます。あわせて、JARL選挙は何を選ぶのか(2022年版)もご覧いただけましたら幸いです。

(2022-03-26 記)

(脚注)この記事は、一般社団法人日本アマチュア無線連盟(JARL)で行われる選挙における投票先を選択するための情報という公共の利害に関する事実につき、有権者である会員に情報を提供するという公益を図ることを目的としており、内容はいずれも相当の根拠に基づく真実ですので、当然ながら名誉毀損にはあたりません。また、個人情報の漏洩も含んでおりません。誤りや追加情報等ありましたら、「ご質問・ご意見」欄から筆者宛てに直接ご連絡下さい。決して、本サイトのホスティング業者に連絡されることのないようお願い申し上げます。

HanRonDa HRD-747

今から1年ほど前の2021年2月17日、Swling Postという情報サイトが、HRD-747という非常に小さなラジオについて速報を流しました。短波から520MHzまで受信可能、SSBもOKということで、非常に気になりました。

その後、Alibaba.comでの卸売りを見かけましたが、いつの間にかネット上から消えてしまいました。量産にならなかったのだろうか・・と思っていたところ、最近になってようやく、Aliexpressでの小売りがぽつぽつと見られるようになってきました。

2月19日注文→3月8日到着。送料無料7,826円也。

わりとスマートなデザインの箱に入っています。

同梱物は取説、ストラップ、ポーチ、USB-Cケーブル、インナータイプのイヤホン。

とっても小さいです。質感も悪くありません。

BANDボタンを押すと、FM→MW→SW→AIR→CB→VHF/UHF→UBD→WXと切り替わります。

  • FM帯は最大64~108MHz。ステレオ受信可能。
  • MW帯は9kHzステップと10kHzステップが選べます。9kHzを選んでも1710kHzまで聴けます。
  • SW帯は2~30MHzまでフルカバー。AMだけでなくUSB/LSBも!
  • AIRは118~138kHz。当然ですがAMだけ。
  • CB帯は25~28MHz。AMとFMが聴けます。もうちょっと上まで行ってくれれば10mFMが聴けたのに、残念。
  • VU帯は30~520MHz。FMだけです。6mAMや2mSSBは聴けません。残念。
  • UBDは何の略かわかりませんが、VU帯の中で自分の好きな範囲を設定できるということのようです。
  • WXは北米のNOAA Wether Radio用の162.400~162.550MHz。日本では何か聴けるのでしょうか。

バンドごとにメモリーが100個。スケルチも設定できます。感度はLOCAL/DX/NOROMALから選択可能(LOCALがないバンドがあります)。バンドごとにフィルタの幅も設定できます。なかなか芸が細かいです。

上下のTUNEボタンで周波数を合わせるときのチャンネルステップは、以下が選択可能。STEPボタンで切り替えます。

  • FM : 50.0kHz,10.0kHz,100.0kHz.
  • MW : 522-1710kHz, stepping: 9.0kHz, 3.0kHz,
  • : 520-1710kHz, stepping: 10.0kHz, 5.0kHz.
  • SW : 5.0kHz, 1.00kHz, 0.10kHz, 0.02kHz, 0.01kHz.
  • AIR : 25.0kHz, 12.5kHz, 8.3kHz
  • CB : 5.00kHz, 1.00kHz, 0.10kHz, 0.02kHz, 0.01kHz
  • VHF/UHF&UBD step: 25.0kHz, 12.5kHz, 7.5kHz, 5.0kHz, 1.0kHz

CBに1kHzステップがあるので、27.144MHzにもぴったり合わせられます。
VUで20kHzがないのが残念です。

TUNEボタンに加えて、右側のロータリーダイヤルでも周波数を合わせられます。周波数の数字の中に小さな上向きの▲があり、ロータリーダイヤルを回転させると▲が付いている桁の数字が上下します。1度ダイヤルを動かすと▲が点滅状態になり、このときにSTEPボタンを押すと、▲が右に一桁移動します。約5秒待つと、▲の点滅が点灯に変わり、この状態でSTEPボタンを押すと、上で説明したTUNEボタンのチャンネルステップが切り替わります。この辺の挙動はわかりにくく、何度もいじくってみてようやくわかりました。

近所の公園に持ち出して、D-808/VX-3と感度を比較してみました。

印象ですが、

  • FM帯、MW帯、AIRバンドの感度はなかなかよい。
  • SW帯の感度は悪くないが、ノイズや混変調に弱い印象。AFN810kHzの強電界地域だからかもしれない。
  • CB帯はまだよくわからない。
  • VU帯の感度は正直言ってよくない。至近距離のローカル局なら受信できた。ロッドアンテナを伸ばし切らない状態の方がよさそう。

ともかく、(いちおう)こんなに広い周波数帯をカバーしていて、SSBまで受信できるラジオがこんなに小さい筐体に収まっているのは驚きです。

アンテナ端子(3.5mmモノラル)があるほか、イヤホンのコードもアンテナになるようです。今後は、外部アンテナをつないだり、使い倒してみたいと思います。

(2022-03-14 記)

HRD-747の外部アンテナ端子は3.5mmモノラルプラグです。これをBNCメスに変換するプラグなんてあるのかな・・と探してみたら、Aliexpressにありました。2個セット。2022年3月9日発注→3月19日受領。

2PCS/LOT BNC Female Jack to 3.5mm Mono 1/8″ Male Plug RF Coaxial Adapter Bevotop Connectors

固定アンテナからのBNCケーブルを直接接続できます。AIRバンドやVU帯の受信状況が改善し、強い局なら聞こえるようになりました。

D-808のアンテナ端子も3.5mmモノラルプラグで、外付けアンテナを接続するのに使えました。

(2022-03-20 記)